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2010年8月10日(火)

【洋鯨亭 第23回】ネタ満載!? 海外発のやり過ぎパロディゲームに注目!

文:電撃オンライン

 こんにちは。マイペースでお送りする洋ゲー紹介所“洋鯨亭”亭主のRonです。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介

 すでにお気づきかと思いますが、新しいロゴを採用させていただきました。この作品の詳細は最後でご紹介するとして、さっそく本題に参りましょう。

■パロディ映画は数あれど、パロディゲームが少ない不思議

 映画には有名な映画作品のキャラクター、シーン、セリフなどをお笑いのネタに使ってしまう“パロディ映画”というジャンルがあります。その中でも『最終絶叫計画』、『裸の銃を持つ男』あたりは結構有名な作品ですよね。観たことはなくても、このタイトルは聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

 他にも変わったところでは『その男 ヴァン・ダム』のように、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが自身をネタにして作った映画がありました。こちらの内容は、ハリウッドからリストラされてしまったヴァン・ダムが再起をかけて奮闘するというメタフィクションです。

 こういったパロディ映画は、原作を知っている人向けのサービス的な意味合いもあって、パロディ内容が意外とひどくても(苦笑)原作ファンは案外楽しめてしまうものです。

 一方、ゲームのパロディ作品はどうかというと、これは非常にタイトル数が少ないですね。他社とのコラボレーションや自社タイトルのキャラクター競演はあっても、露骨なパロディは少ない印象です。

 日本のゲームでパロディネタがたくさん散りばめられたタイトルと言えば、KONAMIの『パロディウス』シリーズ、ドリームキャストで発売されたセガの『セガガガ』、アルゼの『シャドウハーツ』シリーズなどがありました。

 最近出たタイトルで言うなら、これまたセガから配信中のWiiウェア『珍道中!! ポールの大冒険』が挙げられます。これはレトロな2Dゲーム風の画面構成に、ボケを散りばめてツッコミを入れるという、今までにないタイプのゲームでしたが、他のゲームを題材にしたパロディネタ自体はそれほど多くなかったですね。ただ、このようなパロディ要素が入ったゲームは最近久しく登場していなかったので、貴重なタイトルだなぁと思っていました。発売前から話題にもなりましたし。

■ここまでのわかりやすいパロディゲームも少ないのでは?

 さて、そんな流れとは少々違う路線ですが、今年2月にやり過ぎ感ありありなパロディ洋ゲーが登場しました。それはアメリカのVicious Cycle Software開発、ディースリー・パブリッシャー販売のPS3/Xbox 360用TPS『EAT LEAD ~マット・ハザードの逆襲~(以下、EAT LEAD)』です。このゲームには日米を問わず、有名なゲームを元ネタにしたパロディ要素がたくさん詰め込まれています。本作の主人公マット・ハザードは、ゲーム機が8ビットCPUだったころからさまざまなゲームに出演してきた“ゲーム世界に住むヒーローキャラクター”という設定。彼が出演した代表作はいずれも大ヒットしたという、アクションシューティング『スーパーマットランド』にホラーシューティング『ダイオハザード』……。

 これまではそういったアクション・シューティングを中心に活躍してきたマットは、ある日イメージチェンジを考えてファミリー向けRCG『マットカート』へ出演することを決意します。しかし、これが“超”がつくほどのク○ゲーだったために、この出演を境に彼の人気にかげりが出始め、以降出演作品が激減してしまいます。

 さらにこのタイトルが制作会社の株価に大打撃を与えてしまったこともあって、彼は今後のゲーム出演活動を諦めかけていました。そんな彼のもとに、ある日、業界大手のマラソンメガソフト社から新作に出演してほしいというオファーが舞い込みます。ところが、これはある理由からマットを恨んでいたマラソンメガソフト社のCEO・ウォレスの罠だったのです!

 ……というのが、本作のストーリー。主人公が再起をかけて戦うところは、先ほど例に挙げたヴァン・ダムの映画っぽいですね。ところで“ク○ゲー”っていう呼び方は前からありましたけど、実際にこのゲームの中で音声付きで使われていて、結構衝撃的でした(しかも小山力也さんボイスで)。

■新旧、和洋を問わずさまざまな作品をパロディに

 主人公のマットはゲーム世界で活躍する俳優で、新たな仕事として出演する作品が今回の『EAT LEAD』というわけです。

 彼は数々のゲームに出演してきた経験からか、自身が出演する『EAT LEAD』のチュートリアルに文句を言ったり、“敵が投げてきた手榴弾(しゅりゅうだん)を投げ返せない”というゲームの仕様にケチをつけたりします(これは自虐ネタともいえますネ)。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介
▲自分が出演しているゲームの仕様にも、容赦(ようしゃ)なく苦言を呈するマット。これはエレベーターで上階に移動しているというシーンの途中で、ロードしている場面。少し読み込みが長いなぁと思っていると「あぁ、クソ長いロードだが黙って待ってろ。ゲームには時に諦めも肝心だ」とマットのセリフが入って、どこまでがロード中かネタなのかよくわからないのも楽しいです。

 彼はゲーム俳優歴が長いので、他のゲームキャラクターの知り合いも多く、どこかで見たことのあるキャラクターたちも登場します。ここが本作のパロディのキモですね。では、どんなキャラクターが登場するのか見てみましょう。

 まずは、全8ステージの中盤にあたるステージ5で登場する“マスター・シェフ”。どう考えても、あの世界的大ヒット作『HALO』シリーズに登場するマスター・チーフですよね。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介
▲『HALO』のマスター・チーフとは違い、なんだか情けないマスター・シェフ。調理服風のアーマーを着ているという、妙に凝った設定がおかしいです。

 シェフが登場するステージ5の舞台は、海に浮かぶ豪華客船。ところがこの舞台設定に関係なく、なぜかいきなり宇宙海兵隊が登場します(海つながり?)。彼らは、マラソンメガソフト社のCEOの指示の元、開発プログラマーによってゲーム内に送り込まれたいわば刺客。船内にも関わらず設定を無視して、降下ポッドとともに現れます。その海兵隊との激しい戦いの中、船内の調理場に残されているマスター・シェフを助けるというわけです。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介
▲船内なのに、降下ポッドごと送り込まれてくる宇宙海兵隊の皆さん。狭い部屋に、現代的な鉛弾と未来的なエネルギー弾が飛び交います。

 続いてはステージ6で登場する“スーパーカルロ”です。これもわかりやすいですね。どう考えても、マリオです(ちょっとオールドスネークっぽい・笑)。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介
▲ステージ6の舞台は“ドカン工業”。マットの衣装をはじめ、マラソンメガソフト社のゲームに出てくる背景や小道具はこの会社が作っているという設定です。この会社に勤めているのがスーパーカルロなんです(写真右の人物)。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介
▲敵が攻め込んで来きたため、脱出を図ろうとするカルロ。1つだけ不自然に浮いている“!ブロック”をジャンプパンチで叩くと……。

【洋鯨亭 第23回】洋ゲー好きが思わずニヤッとできるパロディゲームを紹介
▲“!ブロック”から、緑色の巨大なドカンが出現。カルロはここから逃げることになります。マットの「姫によろしくな」のひと言も、いい味出しています。

 カルロはその名前、姿だけでも十分おかしいですが、わざわざそれっぽいアクションまで見せてくれるサービスぶりには笑ってしまいました。これらのキャラクター以外にも、日本のRPGによく見られる会話シーンに対するツッコミや、初期のFPSを題材にしたネタ、某ゾンビゲームのネタ、などなど日本のゲームが好きなら笑える要素が盛り込まれていますので、機会があったらぜひ遊んでみてください。難易度はそんなに高くありませんし、弾切れになっても接近戦に持ち込めばパンチで案外戦えますので(笑)。

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(C)2010 Vicious Cycle Software, Inc.
(C)2010 D3 PUBLISHER

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