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2010年8月31日(火)

プレイヤー同士の知恵比べが刺激的! 『ギロチンハウス』紹介レポート

文:電撃オンライン

 アエリアは8月16日~8月19日まで、PC用ブラウザゲーム『ギロチンハウス』のクローズド・プレイ・テスト(ベータテスト)を実施した。

 『ギロチンハウス』はプレイヤーが館の主人となって魔王ベルゼブルがばらまいたお宝“魔宝(マホウ)”を探し集め、繁栄と爵位アップを重ねていくブラウザゲームだ。それだけなら既存タイトルと大して変わらないが、本作は他人の魔宝を盗み出してまで繁栄を目指すのが基本プレイ。さらに蓄えた自分の魔宝を狙う侵入者から守るため、館じゅうに悪意たっぷりな罠を仕掛けられる。大人のブラックユーモアが効いたブラウザゲーとしては異色の作品である。

 大量の兵士をひたすら送り、戦闘結果は数値データだけというこれまでのブラウザゲーに飽き飽きしている人、他プレイヤーとの駆け引きを楽しみたい! という人にはもってこいの『ギロチンハウス』。そのゲーム内容を本記事で紹介しよう。

『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』

■プレイヤーの思考を読み取り罠へと誘導せよ

『ギロチンハウス』
▲プレイヤーは秘密結社“紳士協会”の一員だ。なお、秘密結社とはその存在が知られていないという意味ではなく、会員になるため条件や入会儀式に関する情報が、絶対表に出ない団体を指す。これ、テストには一生出ない雑学ですよ。

 かつては敵対していた悪魔と人間。しかし人間側の秘密結社“紳士協会”と悪魔の和解により、悪魔は財宝の一種である“魔宝”を提供。代わりに人間はヒトモドキである悪魔に使用人として仕事を提供する、というのが本タイトルの世界観。紳士であるプレイヤーには協会の一員として領土と館が与えられ、この領土全体になぜか魔宝がバラバラに埋められている。これらを探し出し、たくさん集めて館を繁栄させるのがプレイの主な目的だ。

 序盤はチュートリアルを兼ねたクエストが充実しており、クリアすると数個の魔宝を報酬としてもらえる。手に入れた魔宝はすべて館内の宝箱に収納されるのだが、大事な大事な宝を守るはずの館は木造1階建て、つまり平屋だ……。大して広くも無いワンルームに宝箱がポツーンと1つ設置されている。これでは“ルーター”と呼ばれるコソ泥に、あっという間に侵入され宝を奪われてしまう。まずは練習も兼ねて、数少ない手持ちの罠を部屋に仕掛けていこう。

 画面上部にある館、使用人、ルーター、闇市、紳士協定という5つのタブの中から館を選択し、次に左側に表示される館情報を見よう。館情報のうち重要なのは“強度”だ。強度には二つの意味があり、一つは館自体の耐久度を示す。ルーターが侵入するたびに耐久度は下がり、ゼロになると仕掛けた罠が発動しなくなるのだ。もう一つは設置できる罠のコスト制限に影響する。罠にはそれぞれ異なるコスト数が設定されていて、コスト合計値がその館の強度を超えることはできない。感知範囲が広く、発動確率が高く、与えるダメージが大きい罠ほどコストは高くなるので、大小様々な罠をどう組み合わせるかは、プレイヤーの腕の見せ所となる。

『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』
▲館の基本情報が見られる“館”タブ。回数は地上1階で様式は“木造り”になってるが、これって木造(もくぞう)のことじゃないかなあ?▲ワンルームのお屋敷に設置された宝箱。画面下部にあるひし形模様のブロックが、入り口を表している。▲罠はまず研究してから製造し、完成したら館に設置可能だ。

 クエストでもらえる罠は別として、基本的にすべての罠はまず研究が必要。研究が終わったら製造し、完成すると初めて館に設置できる。研究も製造も指示が出せるのは一度に一つだけ。物によっては数十分~数時間かかるので、余裕のあるときにちょこちょこ進めておくとよいだろう。

 また、罠には攻撃系と捕獲系の2種類がある。“飛び矢”“落石”“ギロチン”といった攻撃系の罠はルーターの体力を奪い、“トリモチ”“トリカゴ”などの捕獲系は移動力を減らす効果を持っている。中には攻撃捕縛両方の罠“鋼鉄の処女”などもあるが、これらを駆使してルーターの体力か移動力、どちらかをゼロにできれば防衛側である館主の勝利となり撤退していく。

 いくつかの罠が製造できたら、さっそく設置しよう。再び“館”タブから今度は罠→設置を選択。すると館のフロア図が表示されるはずだ。右側のプルダウンメニューで所持している罠一覧から設置したい物を決定し、床や壁際など任意の場所をクリック。入り口、柱、宝箱などの位置も好きなようにカスタマイズでき、最後に“設置完了”ボタンを押さなければ、何度でもやり直しできる。ルーターは前後左右、十字方向へは動けるが斜め移動はできないため、それを踏まえつつ「入り口から侵入者はどう動こうとするか」「侵入者を罠がある方向へ、どうすれば誘導できるか」頭の中で自分ならこうするという動きを頭の中シミュレートしつつ、パズルのように罠を置いていくのはかなーり楽しい。

『ギロチンハウス』
▲これが実際の設置中画面。罠は壁に設置するタイプと、床や天井に仕掛けるタイプに分かれている。

 侵入者=他プレイヤーの動きを予測し、相手の裏をかく柔軟な思考力の持ち主ほど、『ギロチンハウス』では強大無比な館主になれるのだ! 普段は善良で平和を心から愛する一般市民のアナタも、ここは一つゲームと割り切りって思いきり意地悪な罠を仕掛けよう。

■奪い奪われまた奪い返す駆け引きが熱い!

『ギロチンハウス』
▲プレイヤーレベルが上がると新しい酒場がオープン。ルーターのレベル別になっている。

 残念ながら自分の館にルーターが侵入しても、失敗or成功の結果がメールで送られてくるだけ。ルーターの動きや罠が発動するところをリアルタイムで観察できるわけではない。ということで、お宝を狙うついでに覗いてきた他プレイヤーの館を紹介しよう。

 人の家に土足で上がるためには、まず酒場でルーターの雇用が必須だ。酒場はプレイヤーのレベルによって新しいお店が登場するが、とりあえずは低レベルのルーターを雇える“大衆屋台酒場『美中年』”に入ってみよう。現在雇用可能なルーターリストから読み取れる情報は、侵入可能レベル、初期ステータス、雇用価格の3点だ。高レベルなルーターほど高いステータス値を持つため、逆に低レベルな館には侵入できないよう、制限がかかっているのだ。どの程度のお屋敷を狙いたいのか事前に決め手からルーターは雇おう。ステータス値の体力はそのままHP値に、腕力は防御力、そして敏捷は移動力に影響する。

『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』

 ルーターを雇ったら次に“ルーター”のタブを開き、“侵入依頼”ボタンを押す。現在アカウント登録されている全プレイヤーリストの中から、ルーターのレベルにあった館を選ぶといよいよ侵入開始だ! そう、侵入者にお金を払って雇ったのに、操作は館主たるプレイヤーが直接行うというこの不思議さ……。それはともかく、真っ暗な部屋の中で前後左右どちらに行くのか、決めるのはアナタだ。罠の範囲に入ると画面に「壁からナイフが飛び出してきた! 40のダメージ」といったメッセージが表示される。ルーターの視界はあまり広くないので、宝箱の位置を予測しつつ可能な限り罠を避けられるよう、慎重に足を進めていこう。

 一般プレイヤーの館にいくつか侵入してみたが(失礼!)、レベル10ぐらいまでの館の場合あまり部屋が広くないので、ルーターは移動力よりも体力重視で雇った方が成功しやすい。攻撃系の罠にがっつりハマりながらも、体力さえ残っていればでゴリ押しで宝箱まで到達きるからだ。なお、ルーターとの雇用契約は1回限りとなっている。侵入に失敗しても契約は終了するので、再び酒場でルーターを雇いなおさねばならない。

『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』
▲侵入する家を決めて……▲侵入開始!▲入り口周辺にびっしり罠があった。
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▲数々のひどいめに合いながらも、体力か移動力が尽きるまでは宝箱のありかを予想して頭をフル回転させる。
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▲成功すれば魔宝を1つ獲得。▲失敗すればルーターの費用がマイナスになるだけだ。

■館に紳士がいれば当然足りないものがあと一つ……

 ここまで罠の設置方法と侵入方法を説明してきたが、ブラウザゲーの基本システムとして「何をするにも資源とお金が必要」というのがある。『ギロチンハウス』でも罠の研究、製造、館の強度アップすべてに資源が必要だし、ルーターの雇用にはお金がかかる。そのために館主の手足となって働いてくれるのが使用人の存在だ。

 ゲーム開始時にプレイヤーは必ず使用人を、男女どちらか1名雇う。お金やプレイヤーレベルが上がると最大3名の使用人を雇用でき、気に入らなければ解雇も可能だが、初期使用人だけは解雇できないので注意してほしい。使用人の仕事はとにかく多いが、まず最初にやるべきは木材、石材、鉄材の採集と魔宝の採集だろう。使用人タブを開き、採集ボタンを押すと館周辺の地図と採集ポイントがアイコンで示される。向かわせたいポイントを決め、派遣する使用人を選ぶと一定時間後には資源をたっぷり持ち帰ってくれる。この採集時間は使用人の敏捷、一度に持ち替える資源量は腕力、一日に何度採集にでかけられるかは精神というステータス値に依存している。

『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』

 採集活動を行うと使用人は経験値がたまりレベルアップ。ボーナスポイントを獲得するのでこれを任意のステータスに割り振って、より特化した使用人を育てよう。魔宝採集は他人の館に侵入しなくても財宝が増える便利な機能だが、やはり発見する確率は高くない。捜索ステータスの高い使用人でも、10回に1回見つけてくるかどうかだ。3人しか雇用できない使用人にどう役割を与えるか、よく考えて育成していかないと、中途半端でイマイチ使えない能力値になってしまうだろう。また、集めた資源に余裕があればNPCへの売却をオススメしておく。素材1に対して一律で3という交換レートで、ルーターや使用人を雇うお金がちょっと足りないときには、必要なだけ売ろう。

 この他、痛んだ屋敷の改修や増築、罠の研究や製造などすべてに使用人が関わってくる。1つの仕事を命令している間、当たり前だが他の仕事は請け負えないので、使用人はケチらずさっさと雇用してしまうのがよい。

『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』
『ギロチンハウス』 『ギロチンハウス』

■ブラウザゲーの基礎は抑えつつちょっと変わった味付けで差別化を図る作品

 自らの縄張り(国、領地、村)を集めた資源を使って育てつつ、他プレイヤーの縄張りを襲ってメリットを得るという、ブラウザゲームの王道ともいえるシステムを踏まえる『ギロチンハウス』。しかし、侵入者を迎え撃つための罠設置という一味違う芸風を盛り込むことで、既存タイトルとは一線を画している作品だ。

 単に強大な兵力にワーっと襲われ、数の暴力で手も足も出ないという戦略系ブラウザゲーと違い、「悪いことしにくるプレイヤーには、これでお仕置きしてやる……」とニヤニヤしながら知恵比べと駆け引きを楽しむ、ちょっぴりブラックな要素が魅力になっている。

 なお、第2次クローズド・プレイ・テストの実施が9月3日16:00~9月6日14:00まで実施される。テスター募集は8月30日の16:00から開始されているので、本レポートを読んで興味を持った方はぜひ応募してほしい。

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