2010年9月17日(金)
スクウェア・エニックスから2011年に発売されるXbox 360用ソフト『ガン★ロコ』。東京ゲームショウ(TGS)の同社のブースにおいて試遊できる本作について、プロデューサー・横山祐樹氏に『電撃ゲームス』のアラケンが独占インタビューを敢行。そのトンガッた世界設定と、対戦へのこだわりが詰まったゲームシステムについて語っていただいた。
▲『電撃ゲームス』のスタッフが、マルチプレイが非常に熱い『ガン★ロコ』を体験! さまざまな気になる要素について、プロデューサーに直撃した。 |
――本作はどういう内容のゲームなんでしょうか?
本作はマルチプレイが熱い、キャラクター押しのシューター(※銃撃戦を主として戦うTPSやFPSのこと)です。「キャラクターごとの武器は固定でありながら、それぞれに個性のある戦い方ができ、なおかつマルチプレイで燃えられる」というのがバトルのコンセプトになっています。
そこで本作では、基本的にキャラクターが取り扱う重火器を固定として、その武器の攻撃範囲もショート、ミドル、ロングレンジの数種類に絞っています。でも、それぞれにグレネードやバナナといったまったく違う効果を持つサブウェポンを装備していたり、攻撃範囲も効果もまったく異なる固有の“必殺技”を持っていたりします。つまり、プレイヤーが好きなキャラを選んで、それを使いこなして腕前を上げていく……という作りになっているんです。このあたりが、一般的なシューターの作品と大きく考え方が違うところですね。
▲プロデューサーの横山氏。お忙しい立場であるにもかかわらず、インタビューに応じていただいた。 |
――マルチプレイの際は、個性の強いキャラクターをたくさんいる中から選択できますが、それを選ぶという楽しみは、多くのキャラクターが登場する格闘ゲームで自分好みのキャラクターを探すのと同じような楽しさがあると感じました。
キャラクターはだいぶ能力が違うので、ぜひいろいろと試してもらいたいです。それと、バトルの舞台となるフィールドにはいろいろな種類があるので、「このフィールドは狭くて物陰が多いからアイツが使いやすい」とか、「コイツは攻撃が強力だけど広い平地での戦いは苦手」といったような、フィールドとキャラクターの相性もありますね。そこはやり込んでいただいて、自分のプレイスタイルに合うキャラを見つけていっていただければと思います。
――プレイヤーが選べるキャラクターは、TGSで試遊できるもののほかにもいそうですね。何人くらいいるのですか?
それについては、おいおい公開していきますので待っていてください(笑)。でも、多人数での対戦をするにあたって、物足りない人数ではありませんよ。
▲確かに、キャラクターの個性は非常に強い。そのブッ飛んだビジュアルは一度見たら忘れられないインパクトがある。 |
――気になる対戦ですが、どんなルールなのでしょうか?
TGSで試遊できるマルチプレイでは、2チームに分かれて、相手チームのプレイヤーを倒すと得られるプレイヤーの賞金総額が一定の額に達したチームが勝利となります。製品版では、基本的にこのバトルを2本先取した時点で勝利となる予定です。
――フィールドごとに、何か独自のギミックはあるのでしょうか?
はい、あります。TGSで試遊できる“電脳街”というフィールドでは、かつて電車が走っていたであろう陸橋がステージを二分する形で上空にかかっているのですが、その橋の真ん中に、当てれば敵を一撃で倒せるロケットランチャーが設置されているんですね。その陸橋への登り口は、敵と味方チームそれぞれのゲーム開始時の配置から近い場所にあるのですが、その陸橋の相手チーム側の部分を破壊すれば、自分のチームがロケットランチャーを独占できるようになるんです。ロケットランチャーへの橋を壊されてしまったチームは、それを入手するために、敵陣を通って陸橋に登らなければならないわけです。これはかなり不利な状況ですよ。
ですから、危険は覚悟でゲーム開幕と同時にダッシュして、何がなんでもその強力な武器を奪い取る……というアグレッシブさが重要になってくるでしょうね。このように、ゲームプレイに慣れてきたら、マップを攻略するという楽しみも出てきます。なお、ロケットランチャーを入手したからといって安心はできません。敵を倒せば倒すほど、“自分にかけられた賞金額”が上がっていくのですが、あまりに目立ちすぎると“指名手配”状態となって、フィールドのどこにいても、全員から位置を把握されてしまうんです。
――それは怖いですね!
ええ。この状態は数十秒間続き、敵全員の目が自分に集中します。この指名手配状態のときに敵に倒されると、多くの場合は大量のスコアを相手に与えてしまうので、かなり痛いですね。ですから、この状態のときは物陰に身を潜めたり、回避に徹したりして“やられないこと”が重要になります。
たとえば、自分が敵を倒しまくって2万ドルの賞金をかけられていて、残り1万ドルで勝負が決まってしまうという状況下なら、自分からはまったく攻撃を仕掛けずにひたすら逃げまわったほうが安全だとか、そういう判断も必要になってきます。
――対戦ルールはほかにもあるのですか?
はい。もちろん、チームに分かれてスコアを競い合うものだけではなく、一風変わったものもご用意しています。今後いろいろと情報をお届けしてまいりますので、ご期待ください。
――みんなでも盛り上がれるマルチプレイとは対照的に、シングルプレイはじっくりと遊べるような印象も受けました。
本作はマルチプレイが主ではありますが、もちろんシングルプレイのモードもご用意しています。こちらは、主人公であるマドックスによる、地球によく似た監獄の惑星からの脱出劇が描かれます。電脳街や、惑星にあるそれ以外のフィールドをめぐりながら、脱出の糸口をつかむため奮闘するというストーリーですね。
――シングルプレイのミッションの中には、いわゆる一般のシューター作品の楽しみである、隠れたり、精細な銃撃をしたりといった操作が求められるのでしょうか?
序盤はガンガン走りまくっても、敵の攻撃がプレイヤーにそれほど当たりにくい上に、敵をキャラクターの必殺技で蹴散らせるので、難易度は低めです。しかし、後半に入ると、カバー(※物陰に身を隠す)したり、思い切って走りながら戦うという判断が必要な場面が多くなってきますよ。
▲スプリント(走ること)が重要なアクションとなる本作。スプリント中に障害物にぶつかればそれを飛び越え、敵にぶつかれば強力な一撃を繰り出すなど、華麗なアクションが自動的に繰り出される。また、走り込みながら銃撃することで強力な一発をお見舞いすることも可能。 |
――話は変わりますが、ケニー・ウォン氏によるキャラクターデザインがポップで印象的ですね。彼を起用した理由を教えてください。
企画の段階から、本作は“キャラクター押し”で行くことが決まっていました。そんなインパクトのあるキャラクターを作れる方を探していたところ、フィギュア好きの人間が「この人はどう?」と、彼のことを紹介してくれました。実際に商品になった作品を見せてもらって、とてもいいなと思ったのが起用のきっかけでしたね。
▲TGSのブースでは、ケニー・ウォン氏が制作した貴重なフィギュアが展示されている。その独特なフォルムの造形はもちろん、キャラクターが身につけているアクセサリや衣装の汚れなどの細かなこだわりにも注目。 |
――キャラクターの表情が絶妙ですよね。カッコいいけれども、コミカルでもあって、じっくり見ているとちょっと笑えます。
海外のシューター作品は、キャラクターの造形がリアルなものが多いですよね。でも、『ガン★ロコ』は日本人が作っている作品のわけですから、それは違う表現を目指しています。それに、カバーよりも、スプリントが最大の防御になったり、キャラクターによって武器や必殺技が違ったりと、システム面においても、日本人におもしろさを味わってもらえるような作りを心がけています。あと、作品全体のノリはクレイジーで明るくなるように意識していますね。作品の舞台となる監獄は男しかいないので、そこは振りきっています(笑)。
――その男たちのほとばしる性欲が、作中でどう表現されるのか気になるところです(笑)。
あからさまにどうしようもなくイヤらしいものはさすがにありませんが、ゲームの端々には、男ならではの性への執着のようなものが出てくるのでそこには期待してください(笑)。
なお、主人公のマドックスは、とある事件にハメられてこの監獄の惑星に送られてきた人物です。ですから彼だけは、早く惑星を脱出して、自分をハメたヤツに復讐したいという意志を強く持っていますね。彼以外のヤツは、いわゆる“ロコ”(クレージーなヤツら)です(笑)。
▲TGSのブースにはセクシーなコンパニオンさんがいるが、イヤらしい目で見ているとコロされてしまうぞ! ちなみに、ゲーム中に女性は一切登場しない(予定)。そんな潔さから生まれるファンキーさもゲームの魅力の1つといえるだろう。 |
――それでは最後に、読者に向けてどんなところに注目してもらいたいか、教えてください。
“キャラクター押し”を意識して制作している作品ですので、キャラクターはビジュアル、性格、そして戦闘性能など、どの個性もとても際立っています。ぜひ本作で、自分の好きなキャラクターを使い込んで戦うという、新たなシューターの楽しさを味わっていただきたいですね。
(取材・文/『電撃ゲームス』アラケン)
▲本作は、TGSにて試遊することができる。開催中に足を運ぶ予定があるなら、ぜひその爽快なバトルを体験してみよう。 |
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■東京ゲームショウ2010 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2010年9月16日~17日 各日10:00~17:00
一般公開日……2010年9月18日~19日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売り1,000円(税込) ※小学生以下は無料