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2010年9月18日(土)

探索の自由度に注目! 『デウスエクス』スペシャルデモプレイをレポート!

文:電撃オンライン

探索の自由度に注目! 『デウスエクス』スペシャルデモプレイをレポート!

 東京ゲームショウ(TGS)のスクウェア・エニックスブースで行われているPS3/Xbox 360用ソフト『デウスエクス』のスペシャルデモプレイを見てきたので、その模様を『電撃ゲームス』のRustyがお伝えします。

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●人捜しのシーンからデモがスタート

 プレイデモは、時間的には正味30分くらいですが、ディレクターのジャンフランソワ・デュガ氏が自ら操作して解説してくれたこともあって、このゲームの魅力の一端が十分に伝わる内容だったと思います。まだまだ開発中のバージョンだということですが、そのクオリティに期待は高まるばかりです。

 まず最初に率直な感想を申しますと、自分はすっかりこのゲームを誤解していました。というのも、今年のE3で公開されたムービーを見た限りでは、ややドラマ性の高いFPSやTPSタイプのアクション(シューティング)ゲームなんだろうな、くらいに思っていたからです。

 ところが今回のデモを見てみると、とんでもない。アクションもさることながら、RPG的要素といいますか、探索部分の楽しみが、思った以上に強いゲームでした。A・RPGとうたっているジャンルの看板に偽りはなさそうです。街を探索できる点や、行動選択の幅広さ、プレイヤーのアクションに対するNPCの反応など、日本人の(RPGやAVGが好きな人の)好みにとても合いそうな予感をビリビリと感じました。今回のデモプレイが日本語吹き替え版だったので、その印象をより強く感じたのかもしれません。

 プレイデモでは、主人公のアダムがとある大都市で人捜しをするというシーンを見ることができました。このシーンは、プレイ開始から6時間くらいだそうです。アダムが物語の真相に迫ろうとする、その取っ掛かりとなる重要なポイントなのかもしれません。

 ちなみに訪れる街は、2027年が舞台なので未来都市なのですが、よく見ると2層構造になっています。高層ビルが柱のような役割をしていて、街が上層と下層に分かれている感じです。遠くから見ると高層ビルの上のほうに大きな雲がかかっているように見えて、その雲に見える部分が街の上層というわけです。

 そんな街に、アダムは垂直離着陸できるジェットヘリのような乗り物で降り立ちます。さらにこの街のもう1つの特徴が、中華風な漢字の看板。近未来的な外観と中華街的な怪しさのミスマッチが、なんともいえないアンダーグラウンド感をかもし出しています。「何かあるな、この街」と思わせてくれますね。そんな未来都市の繁華街で、あるハッカーを捜し出すことが今回の目的のようです。

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●会話の選択肢によって展開が変わる

 主人公が動き出してすぐに、ちょっとびっくりしました。先ほどのヘリが飛び立つシーンを見ていたら、そのままクルリと画面がターンし始めたのです。主人公が探索を開始したということです。ようやくそこで、このゲームが基本的に主観視点で進むんだということに気づきました。普通のFPSなら自分の手と銃が見えていますが、画面には周りの景色以外は何も映っていません(デモのため、各種ゲージ類はオフになっています)。その状態でヌルヌルと移動し始めたので、何が起きたのかを瞬時に把握できなかったのです。

 移動して少し進むと男が立っていて、今度はその男に向かって主人公がサッと銃を向けます。なるほど、街の中でも銃を構えることができるんですね。銃を持っていればFPSの画面そのものですが、周りでは一般人が普通に歩いていて、会話をしていたりします。ええ、街中で銃を構えるのはただの危険人物ですから、NPCもちゃんとそれに反応します。デモでは男が両手を挙げて、困惑した表情をしていました。NPCは独自のAIで行動しているらしく、彼らはプレイヤーの行動に対してさまざまなリアクションをとります。このあたりはゲームの本筋とは関係ないところで、いろいろな楽しみを見つけられそうです。

 さて、目的の男は(たぶん男だと思います)、HIVEというクラブにいるとのことで、まずは建物に入ることになります。ここでプレイヤーは、いくつかの行動を選択することができるのです。デモプレイではボディガードと会話して、普通に入場料を払ってドアから入りましたが、それ以外にこっそりと地下から侵入するなど、もっと手荒な手段を選ぶこともできるようです。

 本作では、会話の途中に選択肢が発生することがあり、その選択次第で展開が変わっていきます。実際に今回のデモプレイでは、クラブ内の会話の選択肢で、ハッカーの情報を引き出すことに失敗しました。しかし、それで終了にはなりません。クラブ内を歩いていると、すれ違った男が「セキュリティカードを落とした」的なことをつぶやいているのを耳にします。これは本当にプレイヤーが耳にするだけなので、うっかりすると聞き逃す可能性もあります。その後、クラブ内を探索すると、前述の男が落としたカードを見つけることができました。主人公はこのカードを使って、クラブの関係者以外は入れない場所へと侵入し、そこでハッカーの情報を得るわけです。

 この一連のシーンを見ただけでも、本作の懐の深さがわかると思います。先ほどの例でいえば、IDカードを発見できなかったとしても、おそらくまた別の方法でクラブの奥へと侵入することができるはずです。

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●用意されている選択肢のバリエーションが豊富

 次は場面が変わって、厳重に警備されている倉庫に潜入するシーンです。先ほどのクラブで得た情報をもとに、やってきました。いよいよ戦闘! と思いきや、ここでもプレイヤーの選択次第で、戦いを極力抑えることができるようです。先ほどもお伝えしたとおり、本作は基本的に主観視点で進行しますが、壁や物陰に隠れる(カバーアクションをする)際には3人称視点になります。この切り替わりはボタン操作なのか、それとも状況に応じて変化するものなのかはわかりませんが、デモを見る限りはスムーズに視点が移行していました。

 デモプレイでは、まずは監視カメラをかいくぐって監視部屋へ侵入し、背後から敵を倒すアクションを披露。タイミングを見計らって、壁や障害物に隠れながら素早くどんどん移動していきます。なお本作では、コンピュータにハッキングして監視カメラや遠隔ロボットを制御することもできるらしいです。これまで情報が出ていたコンバット、ステルス、ソーシャル、ハッキングというキーワードの意味が、ようやくわかってきました。プレイヤーに用意されている選択肢のバリエーションが、とにかく豊富なんですね。

 その後もボウガンなどの武器を入手しながら、できるだけ無音で施設内を進んでいきます。主人公のアダムは、オーグメンテーションと呼ばれる技術で改造された体なので、腕に仕込んだ鋭い刃で敵を貫いたり、壁の向こうに人がいることを察知したり、さらにはステルス迷彩で透明になったりもできます。これらの能力はゲーム進行とともにアップグレードできるそうで、キャラクターをカスタマイズする楽しみも堪能できます。そんな話を聞くと、自分がもしアダムのような体だったらどうするかなぁ……なんて考えてしまいますが、皆さんはどうでしょう? 自分だったら、いっそのこと結構お金をかけて改造してしまうかもしれません。壁が透けて見えるなんて、すばらしい!(笑)

 さ、さて、本作は銃撃戦も本格的であることを忘れてはいけません。正直自分は、これがメインのゲームなんだと思っていましたが、それを裏切らない本格派でした。基本は敵の銃撃を障害物に隠れてかわし、スキを見て撃ち返すというTPS的な戦い方になります。隠れるときはTPS、敵を狙うときはFPSへとスムーズに切り替わります。

 1つ気になったのは、敵を狙うと丸い照準のようなものが表示されるのですが、これが撃っているうちに少しずつ小さくなっていく点。もしかすると銃撃の精密性(狙いがどんどん定まっていく?)に関係しているのかもしれませんが、確かめたわけではないので完全な予想です。機会があれば、確かめてみたいと思います。

 デモプレイでは警備兵との戦いの後、ヘリで運ばれてきたセキュリティマシンとの銃撃戦になりました。こいつは頑丈なトラクターのような敵で、ミサイルなども放ってきます。こんな敵に対抗するには、こちらも何か強力な武器が必要だということで、回避しながら倉庫内を探索。するとありました、ロケットランチャーが。この武器は、一度ロックオンさえできれば、あとは撃つとそちらへ向かっていくという性能らしく、撃つ瞬間はあさっての方向を向いていてもある程度は大丈夫なようです。未来が舞台だからこそ登場する特殊な武器にも期待できそうですね。

見事セキュリティロボを倒した後は、同じオーグメンテーションの体をしたゴツイ男が登場。いいところで終了となります。これは一見の価値があると思いますよ。あとは早く、実際に自分でプレイしてみたい。そんな思いが募るプレイデモでありました。(Rusty)

(C) 2010 SQUARE ENIX LTD. All Rights Reserved. Published by Square Enix Co., Ltd.

■東京ゲームショウ2010 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2010年9月16日~17日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2010年9月18日~19日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売り1,000円(税込) ※小学生以下は無料

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