2010年10月1日(金)
前回に続き、開発元である韓国IMC Gamesデザイン担当チームの、キム・イルフンさんとウ・ギョンジンさんの2人へのインタビュー後編をお届けする。ラストにはめったに見られない、コスチューム開発途中の設定画も掲載しているので、お見逃し無く。
――装備 or コスチュームのデザインで最も大変な部分はなんでしょうか?
イルフンさん:『GE』に登場する武器や防具の多くは、装備品としての機能性より、美しさを追及しています。男性デザイナーである自分には、一般的な他のゲームに比べて『GE』は女性的な感じが強く感じられ、コンセプトを汲み取るのがとても難しいです。ですので、衣装に関する参考資料にも目を通して勉強する一方で、周囲の意見もできるだけ受け入れようと努力しています。
ギョンジンさん:普通のゲームでは初期衣装が非常にシンプルなものから始まり、徐々に高級感がある方向へ変わっていくのに対して、『GE』は(装備可能な)レベルをわけるデザインというよりはスタイルを変えるデザインになっています。そこが大変ですね。現在は高レベル向けのアイテムが大部分というのも難しく、既存の衣装との差別化が必要な点が最も苦心する部分です。
――デザインをするとき、常に注意する点はなんでしょう。
イルフンさん:初期デザインで定着した印象を大きく変えず、なおかつ新しさを創造していくということです。世界観からちょっと離れた、イベント性の強いアイテムもわりと実装しているほうですが、主流となる衣装デザインとイベント系デザインの量を適切に調節するのが要だと思ってます。
また、3Dゲームの特性上、デザインを無限に再現することはできません。アニメーションや3Dの制限の中で、最大限オリジナルのデザインに近づけて表現するというのも常に気にしている部分です。
ギョンジンさん:私は時代考証に非常に力を入れています。ヨーロッパファンタジーであることを常に念頭に入れて、あまりその枠から離れるデザインをしないようにしています。最近は雰囲気に合わないデザインを修正しようと努力しているところです。
▲イベント系デザインの代表例? |
――デザインにまつわるお仕事で、今なら笑えるミスや、うれしかったことなどがありましたら教えてください。
イルフンさん:特別なエピソードというより、よくあることですがアップデートに先立って、正確な情報なしでイラストだけが紹介されることがあります。そうするとユーザーはこれはどういうものだろうと意見を出し合いながら、あれこれ予測をしたりしますよね。私はなぜか、「デザインがいい」という意見よりも、ユーザーが勝手に想像しながら書き込む意見を目にした時にうれしくなりますね。
ギョンジンさん:私はIMC Gamesが初のゲーム会社勤務経験になります。昔から絵は描いてきましたが、ゲーム制作に参加したことはなかったので、どんな感じなのかはよくわかりませんでした。自分がデザインしたものが3Dに、またアニメーション化され、いろんな人たちの手が加わり、ゲームに実装されたときの感動は言葉で言い表せないほど幸せです。また、ユーザーからの評価があがるまで、自分のデザインが足りなかったのではといろいろ考えたりします。ファンサイトで自分のデザインについていろいろ書かれたりすると反省をしつつ、それだけコスチュームというコンテンツにプレイヤーが関心をいだいている証として、本当にやりがいを感じています。
――日本の『GE』プレイヤーの皆様にメッセージをお願いします。
『GE』は様々な国でサービスしていますが、特に日本は独自のコスチュームが最も多く出ており、プレイヤーからの反応も大きいです。たまに日本から送られた、デザイナー/イラストレーターさんのデザインを見ると感心することも多く、我々ももっと頑張らなくてはと思ったりもします。本社ではどうしてもメインストーリーと連関した基本デザインを手がけ、見た目重視のコスチュームは国内外のゲストデザイナーさんにお願いしています。なので、たまにデザインの方向性が基本装備とコスチュームで違ってしまうのでは? と懸念をすることもあります。しかし、プレイヤーの皆様はコスチュームを通じて異なる楽しさを楽しんでいただきたいと思います。また、これからも美しくスタイルが強調されたデザインを出せるように努力しますので、『GE』をよろしくお願いします。
IMC Gamesのデザインチーム担当のお二人によるインタビューはこれにて終了。次ページでは、コスチューム“ディグニットシリーズ”のラフ画や、開発途中の風景を公開! めったに覗けない社内の様子がちょっぴりわかる、お宝写真だ。
(c) 2003-2010 IMC Games Co., Ltd.
Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.