2010年10月26日（火）

新たな層に向けた作品を！『ぽかぽかアイルー村』ができるまでを開発者が語る

■さまざまなコラボ、そしてユーザーと楽しんだ収穫体験を語る

――“モンスターハンター新作発表会”で、キティちゃんとのコラボを発表されていましたが、どのタイミングで決まったのでしょうか？

北林：かなり最初の頃ですね。『モンスターハンター』はいろいろなコラボをやっているので、本作でもやりたいと考えていました。その中で、『ぽかぽかアイルー村』ならではのコラボをやりたいと考え、世界のネコキャラリストを作成しました（笑）。ちょうどいいタイミングで、サンリオさんとお話しできるタイミングがあったので、相談させていただきました。

小嶋：サンリオさん自身、サンリオさんが題材のゲームはあっても、他のゲームへのゲスト参加はしたことがなかったんです。なので、最初は慎重でした。まずは『モンスターハンター』は何かを説明させていただき、打ち合わせさせていただきました。サンリオさんの社内でも会議にかけていただいたところ、「アイルーがカワイイ」という意見が出て、どんなことができるかを具体的に詰めていきました。

　結果的に、こころよくお引き受けいただき、ギルドの顔をキティちゃんにアレンジするなどにも、OKを出していただきました。キティちゃんのデザインを手がける方にも見ていただきました。

北林：世界に誇るキャラクターを扱っている方々ということで、アイルーの魅力を理解した上で、的確に判断していただき、勉強になりました。キティちゃんのギルドのデザインも、こちらはもう少しおとなしい物を提示していたんです。キティちゃんって、口がないので、扉らしくないものをデザインしていったら、「扉の部分は、しっかりハートにした方がカワイイのでは？」と。そういう面で、いいデザインをいただきました。


▲サンリオさんの手が加わり、ギルドのデザインはよりカワイらしくなったという。


▲他にも、装飾品にはコラボレーションから生まれた、キティアイルーとアイルーキティが存在。配信されているダウンロードクエストを遊び、制作してみては？

――『太鼓の達人』は？

北林：『太鼓の達人』に『モンスターハンター』のメドレーが入っていて、キャラクターとしてアイルーが出ています。そのコラボがあったので、本作に『太鼓の達人』を入れさせてもらいました。

――トロ・クロとのコラボについても教えてください。

北林：こちらは、真正面から「トロとクロを出させてください！」とSCEさんにお願いしました。

小嶋：PSPでリリースするタイトルなので、ゲームのネコ友だちが欲しい。先方もかなり乗り気で、いろいろさせてもらいました。

北林：『週刊トロ・ステーション』の方で農場に来ていただいたり、アイテムでアイルーの帽子を配ってもらったり、いろいろやってもらいました。


▲左から、“太鼓の達人の服”、“トロの服”、“クロの服”。他にも、ダウンロードクエストで手に入る衣装は多数用意されている。

(C)NBGI(C)Sony Computer Entertainment Inc

――ナムコ・ナンジャタウンとのコラボも好評だったようですね？

北林：『太鼓の達人』でバンダイナムコゲームスさんとコラボをやらせていただいたので、ナンジャタウンでも何かやれないかと思ったんですが、先方も乗り気でいろいろやっていただきました。

小嶋：お互い探り探りだったんですが、打ち合わせや試食会を重ね、『MHP 2nd G』のタイムアタックとプーギーレース、デザート＆フードのコラボをやることになりました。発売前だけでなく、発売した後も長く足を運んでいただいていたようで、やってよかったと思いましたね。土日にマイアイルーがステージに登場して、その後で一緒に写真を撮れるというイベントをやっていたんですが、すぐに100人くらい並んでしまい、ナンジャタウンのスタッフも「こんな勢いはそうそう見たことがない」と言ってくれてうれしかったです。

北林：うれしい限りですね。なので、期間も延長してやらせていただきました。何回も楽しめるメニューの数や園内の仕掛けになっていたので、リピーターの方も多かったようです。

小嶋：僕も北林も大阪にいるので、これまで行く機会がなかったんですが、餃子とビールで、だいぶいい感じでした（笑）。ナンジャタウンさんはいろいろ遊べて、おもしろかったです。

――POIRE（ポアール）さんのチョコレート細工のクオリティには、驚きました。

小嶋：関西にある洋菓子屋さんで、前のモンスターハンターフェスタ’09の大阪会場でも、チョコで“スイーツアイルーキッチン”を作ってもらい、今年の2月にはアイルーとメラルーのヘッドチョコをお願いしました。『ぽかぽかアイルー村』でもこういうことをしたいとお願いしてみたところ、店長さんがノリノリで作っていただきました。

北林：ディテールの細かさがすごいですよね。木の葉っぱもそうですし、農場もあって、プーギーレースもあって、川が流れていて……。僕らもビックリしました。ほぼチョコレートでできているんですが、チョコレートと書かれていないと、ジオラマと勘違いするのではないでしょうか。

小嶋：すごくおいしいお店で通販もやっているので、ぜひ購入してみてください！

――先日、ユーザーの方と農場で収穫体験を行われましたが、農場を作るという企画はいつくらいから検討していたのでしょうか？

北林：今年の春前くらいですね。もともと本作は、自然と調和したデザインになっているので、何かそういうことをやりたいと思っていたんです。農場の企画がタイミングよくできたので、発売にあわせて収穫できたらいいと考え、ツアーを組ませてもらいました。

――ユーザーの方との距離がかなり近いイベントでしたが、どうでしたか？

北林：すごく楽しかったです。あの距離でユーザーさんと交流する機会は、当然少ない。こちらから聞くこともできますし、向こうからも声をかけてもらえる。時には厳しいことを言われることもありますが、ダイレクトに反応をもらえるので僕は大好きですね。

小嶋：『モンスターハンター』自体、珍妙なイベントはよくしていて……発案している立場の自分が言うのはなんですが（笑）。モンハンフェスタもそうですし、学校へ行ったり、沖縄旅行に行ったり。もともと『モンスターハンター』が、ユーザー間でコミュニケーションを行える作りになっている。なので、交流できる場を作れば、どんどんユーザー同士でつながって、広がっていくと思うんです。

――知らない人でも一緒にクエストに行けば、打ち解けてしまうことも多いと思いますね。

北林：最近は、土いじりをしている人も少ないじゃないですか？　究極を言ってしまうと、カレーを作るところもやりたかったんですが、それを入れてしまうとさらに3時間くらいかかってしまうので、今回はパスしました（笑）。ゲームだけでなく、ゲームの世界観のイベントを楽しんでもらった上で、友だちを増やして帰ってもらえたら、一番いいこと。そういう場は、『モンスターハンター』でも継続して提供していきたいですね。

⇒次ページでヒットの理由、そして次回作への展望が明らかに!?

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