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2010年11月8日(月)

開発ソフトマックス&バンダイコリアを交えた『SDGO』3社インタビュー

文:電撃オンライン

 PC用オンラインゲーム『SDガンダム カプセルファイター オンライン(以下、SDGO)』で先日、公式SNSを通じて実施された“第一回『SDGO』アンケート”。その結果から導き出される今後の『SDGO』の方針について、プロデュース元のバンダイコリア及びソフトマックス、日本側運営元のCJインターネットジャパンのメンバーを交えて、インタビューを行ってきた。

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▲CJインターネットジャパン パブリッシング事業部 部長兼シニアプロデューサー 秋山隆利氏(左)、バンダイコリア Digital Business Sectionアシスタントマネージャー 村上省吾氏(中央)、CJインターネットジャパン パブリッシング事業部ゲームチーム『SDGO』運営プロデューサー 河辺健氏(右)。▲バンダイコリア キム・ヒョンギル氏(左)と、ソフトマックス開発統括部長 キム・ドヒョン氏(右)。お2人はTV電話会議システムを利用してインタビューに参加してもらった。

――本日はお忙しい中、3社の皆様にインタビューする機会をいただき、ありがとうございます。最初に簡単で構いませんので、『SDGO』における各社の役割をご説明いただけますか。

村上氏:『SDGO』プロジェクトにはご存じの通り、複数の会社がかかわっています。『SDGO』というコンテンツのライセンスを持っているのがバンダイコリアで、主にゲームの総合プロデュース、世界観の監修を担っています。ゲーム開発はソフトマックスさん。世界展開を行う中で、日本での運営をおまかせしているのがCJインターネットさん、というのが3社の立ち位置になります。

――『SDガンダム』という知名度の高いブランドを使ったTPS作品に対する、海外での反応も気になるのですが……まずは日本サービスについてうかがいます。6月17日の正式サービス開始から約5カ月が経過しましたね。現在の状況はいかがでしょう。会員数の伸びは好調ですか?

秋山氏:一般的なオンラインゲームでは、サービス開始から3カ月~6カ月で、アクティブなプレイヤーは初期の動員数の30%まで減少します。ですが『SDGO』ではほぼ半数のプレイヤーを維持できています。会員数ですが、こちらも当初の目的であった30万人を超え、先日33万人を突破しました。毎月10万人以上のプレイヤーはSNSや公式サイト訪問など、何らかの形で『SDGO』のサービスに触れています。サービスとしては非常に順調で、安定しているといえます。

――ベータテストから現時点までは、予定通り順調な成長率であると。では、年内は特に大きな方向転換などはないのでしょうか。

秋山氏:いえ、先ほど申し上げました会員数33万人という数字ですが、これはインターネットを介して獲得できると予測していた会員数、つまりインターネットに常日ごろから触れているある種のコア層です。今後は、それ以外のプレイヤー層獲得へ移らねばならない段階に、ちょうどさしかかっています。ですから次の展開として考えているのは、ネットカフェ展開などを企画しています。

――地方に合わせた展開というのは、以前のインタビューで伺った“県対抗イベント”などのことですか?

秋山氏:そうですね、あれは本来『SDGO』公式SNS上での実施を考えていたものなんです。SNSもずいぶんと使い勝手がよくなりましたが、それでも当初の計画から比べるとまだ3割程度の完成度なんです。いっそのこと、すべて構築し直すつもりですよ。

――一から作り直すと?

秋山氏:はい、今年の年末から来年にかけてはSNSの建て直しと、全国展開に注力していきます。

――では、既存のコア層とは違うプレイヤー層獲得、そしてネットカフェや地方展開への注力に向けた布石が、あの“第一回『SDGO』アンケート”だったと考えてよいのでしょうか。

秋山氏:もちろんそれもありますが、我々の販売モデル、サービスがどれだけお客様に受け入れられているかを知りたかったというのも、アンケートの実施目的でした。

――アンケートの結果はいかがでしたか。

秋山氏:我々が想定していたよりも、サービスに対する評価はよかったです。有料アイテムについてもそれほど悪い反応ではありませんでした。

――すみません、その回答はちょっと予想外でした。我々も批判や悪評ほどインターネット上では目立つもの。サービスに満足している人はわざわざそれを口には出さないため、声の大きいユーザーの意見ばかりが表面化しやすいというのは、十分承知しています。ただ、それを考慮しても失礼ながら『SDGO』に対する不満、具体的にはモビルスーツ(MS)のガシャポンなど有料アイテムのバランスに関する否定的な声というのは、あまりに大きいと感じていたのですが……。

秋山氏:現在の『SDGO』を評価したくないと考えるお客様が、根強く不満をもたれていることは我々も承知しています。特に有料アイテムを使わない、無料のままで遊びたいという方にとっては快適なプレイ環境ではないという結果がアンケートからも得られましたので、これについては今後改善していく予定です。

『SDGO』 『SDGO』 『SDGO』

――つまり、アンケートから見る限り大多数のプレイヤーは多少の不満はありつつも、おおむね満足して現状楽しんでプレイしている、ということですか? むしろインターネット上で見られる激しい批判は、一部の声が大きくて目立つけれど、実際には少数派の意見ということでしょうか。

秋山氏:アンケート結果から見る限りはそうなりますね。

――ほとんどの現役プレイヤーが、不満がないとは言わないけれど、それなりにゲーム内容とサービスの両方に満足していると。

秋山氏:はい。今回のアンケートには多数のご回答をいただきまして、詳しく調べると有料アイテムを使わない、つまり無料のままずっと遊んでいるプレイヤーの比率が高かったんです。その非課金寄りのプレイヤーの半数以上が「現在のサービスに満足しているか」という問いに対して、満足しているという回答をしています。インターネット上の意見がもし、そのまま反映されていればむしろ満足していないという回答が7割近くを占めたはずですから、あれらは一部のコア層のとがった意見だと認識した次第です。

――無料のままプレイし続けている方というのは、やはり10代前半を中心とした、比較的若い層が中心なのでしょうか?

秋山氏:ええ、そうなります。我々が当初想定していたボリュームゾーンというのは、25歳~35歳でした。しかし、実際には19際~24歳ぐらいが中心なんです。

――少しうがった見かたかもしれませんが……10代後半から20代前半が回答者が多かったということは、PCやネットは使いこなしているが、オンラインゲームは『SDGO』が初めて、あるいはあまり経験がないプレイヤーではないでしょうか。今は何をしてもとにかく『SDGO』がおもしろくてたまらない。他のゲームと比較するほどの経験がないから、ゲームバランスやサービスにも疑問を抱かないのでは? 逆にオンラインゲームに慣れて知っている、おこづかい以上の収入を得ていて、ある程度有料アイテムにも手を出しているプレイヤーは「お金を使ってもレアが出にくい」などの不満を抱きやすいと思いますが。

秋山氏:アンケート結果の数字をどうとらえるか次第ですし、運用上のデータでみると完全新規のプレイヤーというのは、だいたい3割~4割いますから、そのご意見がまったく間違っているとは思いません。ただ、今回は“若干、低年齢かつ無課金層に偏っている”回答だっただけで、年齢もプレイスタイルも幅広く回答をしていただいています。そういう意味で今回のアンケート結果は、中立性を保っていると言えるでしょう。

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(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・毎日放送
Produced by BANDAI KOREA
Developed by SOFTMAX / Published by CJ Internet Japan.

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データ

▼『SDガンダム カプセルファイター オンライン』
■ 運営:CJインターネットジャパン
■ 対応機種:PC(対応OS:Windows XP/Vista/7)
■ ジャンル:ACT(オンライン専用)
■ 正式サービス開始日:2010年6月17日
■ プレイ料金:無料(アイテム課金)

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