『魔界戦記ディスガイア4』主人公・ヴァルバトーゼの過去に女性の影？

●ヴァルバトーゼの交わした“約束”

　物語が進むうちに明らかになる、ヴァルバトーゼが“約束を守る”ことにこだわる理由……そこには1人の人間の女性が深くかかわっていた。

　ヴァルバトーゼが、かつて“暴君”として猛威をふるっていた時代。
　人の世界で言えば数百年も前のこと――ヴァルバトーゼは、人間界で1人の女性と出会った。
　戦地で看護婦をしていたその女性は、高潔な心の持ち主で、悪魔であるヴァルバトーゼにおびえも見せず、分け隔てなく接したという。他者の血を吸わなければ生きていくことのできない吸血鬼の在り様に心を痛めた女性は、自分の血を差し出すことを提案し、他の人々を襲わぬようにヴァルバトーゼを諭した。
　彼女の考えに、興味と、吸血鬼としてのプライドを刺激されたヴァルバトーゼは、「悪魔を恐れぬ人間から血を吸うなど、プライドが許さん。キサマを恐怖のドン底に陥れてから血を吸ってやろうではないか！」と彼女と約束を交わす。約束を果たすまでは、誰の血も吸わないと誓ったのだ。

　しかし、人間界の政情不安と戦争の激化により、女性ははかなく命を落とした。
　“暴君”は彼女との約束を果たせなかった――ゆえに彼は誓いを守り、今も血を吸わずにいる。

●風祭フーカ“逆恨み登場”篇

　自分が死んだことも、生前に罪を犯したことも、まったく自覚がない中学3年生・風祭フーカ。プリニーの皮が足りずに、帽子を被るだけという中途半端な処置を食らった彼女は、魔界の予備知識が一切なかったこともあり「自分がこんなところで過酷な労働をさせられているのは、プリニーのせいだ」と、プリニーたちを逆恨みする。

　フーカは、そのねじれた意思で、政腐が組織した“プリニー殲滅（せんめつ）部隊”に参加し、プリニーをぶちのめそうとする。

　しかし、プリニーを救おうと政腐と対立するヴァルバトーゼと激突した際に、誤解から目を覚ますことになる。プリニーの教育係・ヴァルバトーゼは、プリニーとして過重労働は当然の義務であることを説き、間違った道を歩んでいるプリニー（フーカ）を再教育をすることにする。

　フーカはフーカで、現状のプリニーの扱いについての反感を、今度は魔界大統領へ向けて燃やし、打倒・魔界大統領を目指すのだった。

●デスコ“ただいまラスボス修行中”篇

　デスコの生まれてきた理由は、ただ1つ「ラスボスになるため」。けれど、実際にはラスボスになる前に廃棄処分が決定し、地獄の特別房に幽閉されることになる。

　暗く孤独な特別房に入ってからもデスコはラスボス修行を続けた。ラスボスとしての勉強もしていた。もしいつか、自分が外に出られる時が来るとしたら、それはラスボスとして必要とされる時――つまり勇者と対決したり、世界を滅ぼしたりする時なのだから。

　そんなある日、ついに彼女の独房の封印が解かれる日やってきた。待望の出番に意気込むデスコ。ラスボスらしく威厳を持って登場し、勇者たちを萎縮（いしゅく）させなければ！

　しかし、デスコの前に現れたのは世界平和を願う勇者ご一行ではなく、吸血鬼が率いる政府の反乱分子だった。ヴァルバトーゼたちとの出会いを機に、暗い独房から飛び出したデスコは、今日もラスボス目指して邁進（まいしん）中だ。

●ブルカノ（？）“怪盗天使、ただいま参上”篇

　自分の欲望に忠実に振る舞うことが是とされる魔界において、ひと際悪名をとどろかせる怪盗がいる。“業欲の天使”と呼ばれ、ウワサされるその人物は、名の示すとおり正真正銘・天使だ。

　ある時は変装を用いて忍び込み、またある時は迅速な隠密行動によってターゲットから金をむしり取る。その容赦のなさは天使のイメージを覆し、地獄の悪魔すら寒気を覚えるほどだという。神出鬼没で、天使であるということ以外、正体や目的はようとして知れない。

　その怪盗が窮地（きゅうち）に陥っている状況に出くわし、ヴァルバトーゼたちは見かねて怪盗天使を助けるために力を振るうことになる。名を聞かれて「ブルカノとでも呼んでください」と名乗った怪盗天使は、その後、「行き先が同じ方向なだけ」と誰にともつかない言い訳を口にしながらヴァルバトーゼ一行と行動をともにするのだった。