2011年2月7日(月)
防衛か、侵略か! 『ミラディン包囲戦』プレリイベントは2つの陣営が大激突!
2月4日に発売となった『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』の新エキスパンション『ミラディン包囲戦』。そのプレリリースイベントの模様を、“マナの泉”担当ライター・ゆばがお届けしていく。
『ミラディン包囲戦』のストーリーは金属次元“ミラディン”を侵略する邪悪な“ファイレクシア軍”と、それを迎え撃つ“ミラディン軍”の激闘を描いたものとなっており、1月31日に東京・板橋で開催されたこのイベントでも、参加者がその設定を存分に味わえる趣向が凝らされていた。はたしてどんな趣向が凝らされていたのか? 以下のレポートを読んで確かめてもらいたい。
■ まずは所属する陣営を選ぶ! ■
発売前の新セットのカードを入手し遊べる機会ということで、会場となった板橋グリーンホールは、朝から多くの『MTG』プレイヤーでにぎわっていた。プレリリースイベントはブースターパック6つを使ったシールド戦の形式で行われたが、『ミラディン包囲戦』の特徴、おもしろさをより味わってもらおうということで、上でも述べたようにある趣向がこらされていた。
それは“ミラディン軍”か“ファイレクシア軍”どちらの陣営に所属するかを選び、その陣営のカードのみが入った『陣営ブースターパック』を使ってデッキを構築するというもの。ブースター6つのうち3つは『ミラディンの傷跡』で共通だが、残る3つには自分の所属している陣営のカードしか入っていないため、より陣営ごとの特色を強調したデッキが組めるようになっているのだ。
▲会場ではファイレクシア軍を選択したプレイヤーが、ミラディン軍の約2倍と圧倒的な人気! この回の参加者は、悪いこと大好きなプレイヤーが多かった模様。 | ▲会場を仕切るジャッジの方々。新カードが飛び交うプレリリースでは能力の勘違いによるトラブルが発生することもしばしば。 |
▲会場ではカードの能力を解説したペーパーも配られるなど、初心者プレイヤーにもキッチリ心配りがされていた。 |
今回、ゆばはミラディン軍を選択。『ミラディンの傷跡』を使ったシールド戦やドラフトではよく青白、白赤といったデッキを使っていたことと、あまりにファイレクシア軍が人気で、ちょっとミラディン軍がかわいそうになってしまったというのがその理由。
というわけでパックが配られ、デッキ構築開始! 『ミラディンの傷跡』ブースターパックから《銀白のスフィンクス》《アージェンタムの鎧》といいレアを引き当て、ホッと一安心。コモン、アンコモンも《感電破》《マイア鍛冶》《転倒の磁石》と、悪くない顔ぶれに囲まれる。
そして続く『ミラディン包囲戦』ブースターからは、なんと《刃砦の英雄》《赤の太陽の頂点》と強力なカードが登場! 他にも《レオニンの空狩人》が2枚出るなど、小粒ながらも優秀なカードに恵まれたカードプールとなった。
そんなカードプールで完成したのが以下のデッキ。
マナ・コストが軽めのクリーチャーに装備品、赤の除去呪文もあり、さらには《宝物の魔道士》と《アージェンタムの鎧》のプチ・コンボと、結構いい感じじゃないかなと思いながら、試合に臨むことに。
<第1回戦>
第1回戦の開始時に、このトーナメントでは毎ラウンド“お題”を出し、そのお題の条件を満たしたプレイヤーには先着でレアな『ミラディン包囲戦』Tシャツをプレゼントするというアナウンスが。こうした独特の“お祭り感”もプレリイベントならではと言える。
▲これが『ミラディン包囲戦』Tシャツだ。カッコいい! なんでも、日本には100着程度しかないとか。 |
さて、1回戦。対戦相手の方もミラディン軍のデッキだった。第1ゲームの序盤はこちらが2枚の《レオニンの空狩人》を展開し、向こうが《ケンバの空護衛》を出す、ミラディン軍らしい小型クリーチャーの空中戦に。
こちらは《銅の甲殻》《銀白のスフィンクス》と続けて戦場に出し、《分散》でブロック用のクリーチャーをバウンスし攻撃、ライフを4まで追い詰めた! ……が、ここで対戦相手がフルタップで唱えたのが《水銀のガルガンチュアン》!
7/7の《銀白のスフィンクス》(のコピー)によっていきなり制空権を奪われてしまう。相手のライフは残り4なので「《赤の太陽の頂点》を引き込めば勝てる!」と思いつつ巨大なガルガンチュアンをチャンプブロックし続けたが、ついに引かず第1ゲームは敗北。次は《分散》を温存しておくぞ、と心に決めて第2ゲームへ。
第2ゲームもこちらは《レオニンの空狩人》と《突風掬い》と飛行クリーチャーでビートダウン。それに対して相手は引きがかんばしくないのか《嵌め乗りの滑空者》を出すものの肝心の“金属術”をなかなか達成できない。
そのまま2体の飛行クリーチャーでライフを削りきり、星を1-1のイーブンに戻して第3ゲーム突入。先手を取った対戦相手が《ダークスティールの斧》や《銅の甲殻》と強力な装備品を展開し、どんなクリーチャーが出ても驚異的なサイズに強化できる体勢を取る。
ならばこちらは数で勝負しようと《マイア鍛冶》から《きらめく鷹の偶像》《転倒の磁石》と続けて、マイア・トークンを量産。クリーチャーを横に並べる。
そしてここで引き込んだのが《刃砦の英雄》!
攻撃するだけで1/1トークンが2体出て、さらに“喊声(かんせい)”で強化されるという自己完結した強さを持つこのカードは、クリーチャーがたくさん並んでいる状況ではこの上なく頼りになる1枚だ。
対戦相手が用意したブロッククリーチャーを除去して全軍で突撃!! 第1回戦を勝利することができた。
<第2回戦>
対戦相手のデッキはファイレクシア軍。序盤は《銀のマイア》、《鉛のマイア》とマナを生み出すマイアをお互いに唱え、体勢を整えていく展開に。黒緑のデッキに対してコストの重い呪文の撃ち合いになると不利になりそうなので、早々に《刃砦の英雄》で勝負に出ることにする。
それに対して対戦相手は《貫く徘徊者》《カルドーサの鍛冶場主》と、中~大型クリーチャーを連打する。こちらは《カルドーサの鍛冶場主》を《神への捧げ物》で除去しつつライフを回復。さらに《パラジウムのマイア》《きらめく鷹の偶像》《アージェンタムの鎧》と続けて攻める。対戦相手は《転倒の磁石》で守るのが精一杯で、それが終われば勝ちかなと思っていたところで飛んできたのが《忍び寄る腐食》!
これによりこちらの大量のアーティファクトと、向こうのカウンターを使い切った《転倒の磁石》が破壊される。大きな被害を受けたものの、まだ《刃砦の英雄》がいるのでこっちが有利だろうと考えていたが《病的な略取》で《カルドーサの鍛冶場主》と《貫く徘徊者》を回収されてしまう。《刃砦の英雄》で7点のダメージを叩き込むものの、こちらも《貫く徘徊者》でライフを失い、お互いにライフが危険な領域に。
さらにここで相手は《黒の太陽の頂点》を唱える。全体に-X修正を振りまく危険極まりない呪文だが、これはずっと持っていた《冷静な反論》でカウンター。緑の大型クリーチャーを警戒していたのが意外なところで役立つ形となった。
それから大戦相手は後続となるクリーチャーを引くことができず、《刃砦の英雄》の攻撃によってこちらの軍勢は増え続け、何とか第1ゲームを取ることができた。
続いて第2ゲーム。手札は、序盤に唱えられるカードが《突風掬い》のみでやや心配だったが、1枚でも土地を引けば続けて展開できると判断してマリガンせずスタート。
《突風掬い》から幸先よく2枚目の平地を引き込み《レオニンの空狩人》までつなげたが、ここで土地がストップ。かつ《島》がないので《突風掬い》の能力も使えないという状況におちいってしまった……。
仕方なく《レオニンの空狩人》で攻めるものの対戦相手は意に介さず《腐食獣》《金属の鍛冶工》で地上戦を開始する。《鉛のマイア》《ダークスティールの斧》《転倒の磁石》ですばやく“金属術”を達成されてしまい、アッというまに踏み潰されてしまった。マリガンミスが響いた痛い敗北だ。
そして第3ゲーム。今度の手札は《島》《平地》《銀のマイア》《レオニンの空狩人》他、数枚という構成。これをキープして2ターン目《銀のマイア》、3ターン目《レオニンの空狩人》という展開を目指したが、なんと2ターン目の《銀のマイア》を《伝染病の留め金》で除去されてしまい、大幅に計画が狂う。
これによりテンポが大幅に狂い、何とか3枚目の土地を引き込み《レオニンの空狩人》は出したものの、手札で《刃砦の英雄》が泣いている状態に。そのまま《カルドーサの鍛冶場主》《貫く徘徊者》に蹂躙され、あっさりと敗北してしまった。1勝1敗の成績で第3回戦へ。
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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]