2011年3月8日(火)
こんにちは。洋ゲー紹介所“洋鯨亭”のRONです。
今回は2月24日にSCEから発売されたばかりのPS3用ソフト『KILLZONE 3(以下、3)』をご紹介しましょう。2月、3月の新作ソフト発売ラッシュの中、いったい何を買ったらいいんだろうかとお悩みの方、特にPS3ユーザーでFPS好きな方はぜひ購入の参考にしてみてください。
▲PS3では2作目となる『3』。主人公たちが属するISA(惑星間戦略同盟)よりも、敵であるヘルガスト兵のほうが人気があるという少々困ったゲームです(笑)。 |
前作『KILLZONE 2(以下、2)』は、ヴェクタ星へ侵攻を開始したヘルガスト軍と、主人公の所属するISAとの激闘を描いたFPSでした。侵攻を阻止すべく敵地ヘルガーン星に乗り込んだISAは、多数の犠牲を払ったものの、独裁国家・ヘルガストの専制君主“スカラー・ヴィサリ”を宮殿まで追い詰めることに成功します。
しかし、ヴィサリを捕らえてヘルガストとの交渉材料にするはずだった計画は、彼を射殺してしまうという最悪の結果に終わるのでした。さらに、その際ヴィサリが残した「狂気が始まる」という予言にも似た言葉が、現実のものになるのです……。
本作はこんな状況でエンディングを迎えた『2』の直後からスタート。ヴィサリの死亡によってヘルガーン政府との交渉手段を失ってしまったISAは、宮殿に押し寄せるヘルガスト軍の猛攻をかいくぐりながら、惑星から撤退するための道を模索します。
ところが、主人公“セブチェンコ(以下セブ)”は、途中数々のアクシデントに見舞われ、なんと撤退することが不可能になってしまうのです。そこでセブは、仕方なく仲間のISA隊員とともに惑星に留まり、ヘルガスト軍の追撃部隊と再び激闘を繰り広げる覚悟を決め……というのが本作の導入部です。
▲味方のISA兵士が撤退を始めている中、惑星に取り残されてしまった主人公・セブ(画像右奥)。前作とは違い、今作のISAは逆境からのスタートになります。 |
敵地のど真ん中に取り残されてしまったISAがどう戦っていくのか、物語展開がかなり気になりますよね。ちなみに『2』をプレイしたけど内容を忘れてしまった人は、『3』の前におさらいしておくと、変わった点が実感できていいですよ。
かくいう私も、『3』の発売直前に再度『2』をエンディングまでプレイしてみたんですが、変わりぶりに驚かされましたし、何よりすんなりと『3』を始めることができました。前作はPS3 the Best版も発売されていますので、時間がある方はぜひ前作から遊んでみることをオススメしますよ。
では、『3』から『KILLZONE』シリーズを始めてみようと思っている方はどうかというと、一応オープニングで前作のあらすじがわかるようになっていますのでご安心を。これを見れば、『3』を始めるにあたっての支障はないでしょう。ただ、たぶん『3』をプレイしたら、少なくとも『2』がやってみたくなるんじゃないかなと思います。
システム的にも『3』の方がより洗練されていますから、『2』もプレイしようと考えているのであれば『2』、そして『3』と進めるほうがより快適に遊べます。それでは、『3』はどの辺がパワーアップしているのか? 次はその点について見ていきましょう。
『KILLZONE』シリーズは、PS2版の1作目からグラフィックのクオリティの高さがウリの1つになっていました。それを踏まえて『2』を約2年ぶりに遊び直している時に思ったのは、今見てもグラフィックはあまり見劣りしないなぁということでした。
……でしたが、やはり『3』をプレイした後だと、その評価は少し変わってしまいますね。なにしろ、スタート直後からハッキリと感じられるほどに『3』のグラフィックはキレイになっているんですよ!
これに加えて『3』はステージ構成が多彩で、単純にプレイしていて楽しいんです。前作は市街戦が中心だったということもあり、ステージの見た目のバリエーションはそう多くはなかったんです。そのため都市部や宮殿近くの風景はなんとなくわかるものの、なんとなく地球に似た風景だったこともあって、ヘルガーン星ならではといった特色はあまり前面に出ていなかったように思います。
一方、『3』はヘルガーン星のジャングルや雪原、はては大気圏外までもが舞台になっていて、思っていた以上に未開の地が多く残された星であること、また自然が豊かな星であることがわかるんです。
たとえばジャングルなら地球のように熱帯植物などはなく、奇怪な形、奇抜な色の植物がへばりつくように生えている様はただただ不気味に感じますし、それだけでも“異星っぽさ”があふれています。
▲ヘルガーン星のジャングルには食虫植物を連想させるような不気味な植物がたくさん生い茂っています。近寄ると攻撃してくる植物も……。 |
また、破壊された街やスクラップ場では、うず高く積まれたガレキや何かの部品の山に圧倒されるとともに、作り込まれたオブジェクトの前を一瞬で駆け抜けてしまうことに、ある種のもったいなさというか贅沢さを感じてしまいました。
ちょっと大げさかもしれませんが、旅行で風景のキレイな場所を訪れたのに、じっくり見ずにすぐ帰ってしまうような感覚に近いと言えばニュアンスは伝わるでしょうか。本作はじっくりフィールドを探索するタイプのゲームではないだけに、なおさらそう感じました。それでも先へ進めばまた違った背景に圧倒されたりしますから、結局のところ『3』はずっと贅沢な感覚を味わったまま遊べるゲームでした。
もちろん、本作の見どころは背景だけではありません。ストーリー展開や、敵との戦闘で「おぉ!?」と思うシーンが何度もあるんですよ。たとえば序盤でちょっとテンションが上がったのが、“エクソスケルトン(人間が乗り込むロボット型兵器)”と、ヘルガストの獣型兵器“トループキャリア”の格闘戦です。エクソスケルトンは前作にも出てきた兵器で、戦うシーンでは歩きながらガトリング砲やミサイルを撃つことが中心だったんです。
そんな前提を序盤から崩してきたこのシーンを見て「こんな戦い方が出来る兵器だったのか!」とちょっと驚きました。もっとも、これはコンピュータの操るエクソスケルトンのイベント演出で、実際に自分が操作する時は格闘戦ができるわけではないんですけどね(汗)。
▲ISAのエクソスケルトン(左側)とヘルガストのトループキャリア(右側)が対決するシーン。こういう展開は燃え(萌え)ますね。この後、エクソスケルトンの飛び蹴りが決まります。一瞬『3』がロボットACTに思えました(笑)。 | ▲『3』の新ギミック“ジェットパック”を使った移動と攻撃。立体的な戦い方ができたり、思わぬ場所に登れたりして楽しいアイテムなんですけど……活躍の機会はやや少めかも。 |
▲ヘルガストの巨大歩行型兵器“モウラー”。『3』は、兵器メーカー出身の“ヨハン・スタール”が軍の陣頭指揮を執っているためか、ヘルガスト側のムチャな新兵器の数々が戦場に惜しみなく投入されているようです。 |
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