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2011年4月28日(木)

【電撃ゲームス】“ゲーム屋さんがえらんだ良作!”4月は『リトルビッグプラネット2』

文:電撃オンライン

 全国のゲーム屋さんが毎月1本、販売本数10万本以上の大ヒットとはいかないものの、実際に遊んでみてこれはおもしろいというゲームを選ぶ“ゲーム屋さんがえらんだ良作!”。

 4月の良作に選ばれたのは、SCEから発売されたPS3タイトル『リトルビッグプラネット2(以下、LBP2)』でした。今回も本作について、ライター・田下広夢氏が熱く語ります。

『リトルビッグプラネット2』 『リトルビッグプラネット2』

●ステージクリエイトだけではない『LBP2』シリーズの魅力

 『LBP2』というと、何か“自分でゲームを作って遊ぶゲーム”だと思っている人が多いんじゃないかと思います。実際、このゲームの最大の特徴はいろいろな素材を作って自由自在にゲームを作ることができるステージクリエイトです。しかし、ゲームを作れる魅力=ゲームを作らなくては遊べない、というわけじゃないんです。そしてもう1つ声を大にして言いたいのは、『LBP2』は横スクロールアクションとしても、実に魅力的な作品であるということです。

●物理エンジンを駆使した横スクロールアクション

 冒頭お話した通り、本作はステージクリエイトが1つの目玉ではありますが、それだけのゲームではありません。横スクロールアクションゲームとしても実に完成度の高い作品です。プレイしてすぐ気がつくのは、ステージのギミック1つ1つの動きがものすごくリアルなことです。なぜなら、このゲームの動きは、みんな精巧な物理演算によって制御されているからです。

 たとえば、フックのようなアイテムがあります。ボタンを押すとシュルシュルシュルーと伸びていって、先にあるものに食らいつき、ターザンの要領で吊り下がって移動できます。物理エンジンを利用しているといっても、それだけでは他のゲームと大差ないかもしれません。じゃあ、食らいついた先が、上に下に、あるいは右に左に移動するものだったらどうなるでしょう。当然慣性の法則によってぶら下がっている自分にいろいろな方向から力が加わります。さらに、食らいついた先が滑車のように回転するものだったら。自分が振れる動きが滑車に伝わり、滑車が回った力が自分に返ってきます。

 物理エンジンを駆使したギミックは、時に予想外の複雑な動きを生み出し、独特の操作感をもたらし、それをうまく使いこなすおもしろさを与えてくれています。

『リトルビッグプラネット2』 『リトルビッグプラネット2』

●ガラクタの宝物

 物理演算を利用した横スクロールアクションをさらに魅力的にするのは、グラフィックです。超高精細なグラフィック、というのはゲーム業界独特の言い回しですが、『LBP2』にはあまり似つかわしくありません。たとえば映画を見る時、超高精細なグラフィックとはなかなか言いませんね。じゃあ、どう言うか。この映画は美術が細部にわたって作り込まれていて素晴らしい、そんな言い方をすることはあるんじゃないでしょうか。『LBP2』の映像表現は確かに精細なグラフィックではありますが、それよりは美術、アートワークのセンスのよさが素晴らしい、と言った方がピッタリきます。

 ひと言でいうなら、ガラクタのような世界です。子どものころ、大人から見るとガラクタに思えるようなものを大事にしまっておく、なんてことありますよね。薄汚れたぬいぐるみ、ビンのふた、小さくなったえんぴつや、服からはずれたボタン、雑誌のおまけのシールに、缶バッヂ。そういうものが魅力的に見えたことがありました。いえ、実際魅力的だったのです。『LBP2』は、そんなガラクタのような宝物ばかりで世界が作られています。

 毛糸で編まれたような体をした主人公のリビッツ、ダンボールのロケット、いたずら書きの壁に電子回路の床。まるでメチャクチャの寄せ集めですが、それらが『LBP2』の世界観とでも呼ぶべき調和のある魅力的な映像表現に仕上がっています。

●世界中の人が新しいゲームを作ってくれます

 さあ、そして最後はやっぱりクリエイトモードです。今までお話しした、精巧な物理演算と、魅力的なアートワークの数々が、すべてプレイヤーの手に委ねられます。アクションゲームのステージのパーツをあれこれいじる、というレベルではなく、工夫次第であらゆるゲームジャンルのものを疑似的に作れてしまうというような奥の深いものです。

 ただし、それだけに誰でも簡単に、というわけにもいきません。しかし、心配する必要はないんです。なぜなら、自分で作れないなら、人が作ったゲームを遊べばいいんです。オンラインに接続すれば、世界中の人が作ったステージを好きなだけ遊ぶことができます。

 精巧な物理演算と、魅力的なアートワークを使い、あらゆるゲームが、世界中のプレイヤーの手によって作られているんです。非常に完成度の高いアクションゲームとして作り込まれた作品、ストーリーに凝ったもの、中には、これってファミコンのあれなんじゃ……なんてものまであったりします。

 作り込まれたエンジン、魅力的なパーツ、そして世界中につながるオンラインでゲームの新しい可能性をグイグイ引き出す『LBP2』。じっくりゲームをクリエイトしてみたい人はもちろんですが、この魅力的な世界で完成度の高いアクションゲームを楽しみたいという人にも断然オススメです。



実際の販売店での“良作ゲーム”コーナー例

 販売店での展開の一例。各お店の写真は3月の良作『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』(DS)の店頭展開のもの。

『リトルビッグプラネット2』 『リトルビッグプラネット2』
▲【愛知県/お宝創庫 阿久比店】『マックスウェルの不思議なノート』なので、ノート型立体POP。本当に手がこんでいます。▲【愛知県/お宝創庫 知多店】子どもたちが楽しくなるのようなカラフルでポップなコーナー。よーく見ると『ラブプラス』の“まなか”さんが出せる、なんてヒントも書いてあったり。
『リトルビッグプラネット2』 『リトルビッグプラネット2』
▲【愛知県/ファミーズ 笠寺店】主人公のマックスウェルがたくさん! 他には似たタイトルがないゲームなので、画面写真を使って丁寧にゲームの解説がしてあります。▲【岡山県/メディオ! 沖新店】執念すら感じられる手描きポップ。お店の人が本気でオススメしている気持ちが、グイグイ伝わってきます。


『電撃ゲームス』

毎月の“ゲーム屋さんがえらんだ良作”タイトルは『電撃ゲームス』ゲームス データスコープ コーナーで連載中!


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データ

▼『電撃ゲームス Vol.20』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年4月26日
■価格:650円(税込)
 
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