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2011年5月21日(土)

CBTも間もなくスタート!『Forsaken World』インプレッションレポ

文:電撃オンライン

 5月25日よりクローズドベータテストが始まる、シーアンドシーメディアのPC用MMORPG『Forsaken World』。すでにプレオープンサイトでも“祈りシステム”を始め、種族やクラスなどが公開されている。

 本タイトルに注目している読者の中には、キャラメイキングのカスタマイズはどこまでできるのか? 基本的な戦闘システムはどうなっているのか? など、より詳しい情報を知りたい人もいるだろう。クローズドベータテストに先駆けて体験プレイを行ってきたので、順次紹介していこう。

『Forsaken World』 『Forsaken World』 『Forsaken World』

■祈りシステムでいったい何が起こるのか?

 “仲間と共に失われた時間を取り戻す”がキャッチコピーの『Forsaken World』。祈りシステムは本タイトルのメインシナリオと密接に関係している。ゲームの舞台はプレイヤーがいる現代とは異なる、パラレルワールドのような世界。そこはかつて存在した文明や時間そのものが何らかの理由で失われ、止まってしまった。プレイヤーはパラレルワールドにアクセスし、祈ることで失われた様々なものを取り戻せる、というのがメインコンセプトだ。

 実際の祈り方だが、画面上部の中央にあるボタンを押すと祈りを実行。全プレイヤーの祈りは蓄積され、一定値以上に達すると止まっていた時代が動き出し、新たな“紀元”がスタートするのだ。それにともない失われた文明の一部も復活し、今まで存在しなかったエリアや建物、システムが使用可能になる。プレイヤー自身の行動によってゲーム内の時代が実際に進行するというのは、かなりユニークなシステムだろう。

『Forsaken World』 『Forsaken World』
▲画面上部で光っているのが祈りボタン。チュートリアルで初めての祈りを行うと、装備品やアイテムボックスがインベントリに配布された。▲一度祈ると、一定時間が経過するまで祈りボタンは使えない。

 祈りにはメリットも用意されており、毎日最初の4回までは確実にアイテムか経験値を獲得できる。5回目以降も祈り自体はできるが、アイテムなどがもらえるかどうかはランダムとなる。

 とは言え、物がもらえなくてもとりあえず祈りまくって、時代を進めよう! と考えるプレイヤーも多いはず。実際、サービスがすでに開始している北米では、4つの時代が進行してしまいアップデートが追いついていない状況だ。そこで日本向けの独自仕様として、ある時代が進行するとその直後に強力なレイドボスが出現する。このボスモンスター、プレイヤーが頻繁に利用する街中に現れるため倒さないわけにはいかない。ただし、100人強のプレイヤーが同時に挑戦してなんとか勝てる……かも、というレベルの強さらしい。

 1~2つ目の時代はわりと簡単に進行できるようだが、それ以降は必要な祈り回数も大幅に増えていくとのこと。日本のプレイヤーだけが体験できる独自システムに期待したい。

■育成&戦闘システムはオーソドックス

 基本の操作方法はWASDか地面をクリックで移動、Tabキーでターゲット、習得したスキルアイコンをドラッグしてショートカットに配置など、インタフェースは従来のMMORPGとほぼ変わらない。オンラインゲームのプレイ経験が多少あれば、ほぼ直感だけで操作できる。

 キャラの育成はレベル制度で、ゲーム序盤はクエストをこなしていれば、レベル10ぐらいまではあっという間に上がって行く。レベルアップ時にはスキルポイントを獲得し、これを任意のスキル習得と強化に割り当てていくシステムだ。

『Forsaken World』 『Forsaken World』 『Forsaken World』
▲?マークに話しかければクエストを受注。クエストブックでは対象モンスター、アイテム、報告NPCの名前が緑色に表示され、名前を押せばオートランで連れて行ってくれる。オートランの精度が高く、建物に引っかかるようなこともなくわりと最短距離で移動可能。

 クラスごとにスキルには3つの系統が用意されている。ウォーリアの場合、最大HPや防御力を高める“生存系”や与ダメージに影響する“狂暴系”など。とにかく習得可能なスキル数が多いため、すべてを覚えるのはまず不可能だ。また、あれもこれもと手を出すと、中途半端なキャラクターになりかねない。よほどテクニカルなキャラ育成を目指すのでないかぎり、ファーストキャラはどれか1系統に絞って育てる方がよいだろう。

『Forsaken World』 『Forsaken World』 『Forsaken World』
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 種族ごとに選べるクラスの制限はあるが、ウォーリア、アサシン、ガーディアン、メイジ、プリースト、バード、ガンナー、ダークネスの8つが存在。テストプレイではバードを選んだところ、なかなかユニークな戦闘スタイルになっていた。バードが習得できる攻撃スキルにはC旋律、D旋律などがある。スキル単体でも攻撃は可能だが、これらの旋律を決まった順番に使うと、パーティメンバー全員にバフが発生するのだ。レベルが上がるほどに長い旋律を奏でることができ、より効果の高いバフを得られる。基本的な組み合わせは今後公式サイトで公開されるが、それ以外の旋律についてはプレイヤーが自分たちで見つけねばならない。新しい旋律とバフ効果を見つける楽しみもあるので、ちょっと変わったプレイをお好みの人には、エルフ種族のバードをオススメしたい。

『Forsaken World』
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 もう1つの特徴はサブクラスシステム。いわゆる生産や採集系のスキルになる。レベル10になるとクエスト関連で3つのスキル植物学者、錬金術師、料理人が解放されレベルアップ時のスキルポイントを割り当てて成長させていく。レベル20で再度ポイントを獲得でき、自分が覚えたいサブスキルに振っていく。ただし、獲得できるポイントには上限があるので、他のサブスキルを覚えなおしたいときには、専用アイテムによるリセットが必要だ。

『Forsaken World』
▲作ったばかりのキャラクターなので、サブクラスはまだ未解放。植物学者、漁師、魔獣使い、エンチャンター、料理人などの文字が確認できる。

 本タイトルでは手を振る、挨拶する、喜ぶといったエモーションもサブスキルで習得が必要。“社交家”のスキルを伸ばすとアクション&エモーションがランダム増えていく。

■RMTやインフレを防ぐための3種のゲーム内通貨

 MMORPGにありがちな悩みには、サービス期間が長くなるほどにインフレが起き、NPC販売以外のほとんどのアイテムが新規プレイヤーには手の届かない価格になってしまうこと。その格差を埋めるためにリアルマネー取引(RMT)がゲーム外で行われる場合も多い。

 本タイトルでは3種類の専用通貨を導入することで、インフレとRMT問題を可能な限り防ごうとしている。まず、通常の狩りやクエスト遂行でもらえるのは“ソウルコイン”で、これはキャラクター間の取引が一切不可。いくら溜めても使えるのは自分だけなので、いわゆる業者BOTの活動への抑止力となっている。次に、有料課金アイテム購入用にプレイヤーがチャージするのは“リーフ”という通貨だ。リーフで購入したアイテムは、ゲーム内システムを利用して他プレイヤーに販売できるのだが、この時売買に使われるのが3番目の通貨“コイン”となる。コインは専用NPCを通じてソウルコインとの交換が可能。交換比率は常に一定に保たれ、ソウルコイン・コインの価値が大きく変動しないよう、配慮されているというわけだ。

『Forsaken World』 『Forsaken World』
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 また、どこにいてもボタン一つで現地に集合できる、インスタンスダンジョンとパーティマッチングが備わっている。ダンジョンにはモンスターを倒す攻略系とは別に、ミニゲーム要素のダンジョンがあり、クリアすると報酬としてコインがもらえる。1日の入場回数に上限はあるが、ただひたすらモンスターを狩るという作業プレイをしなくてもコイン獲得のチャンスを用意し、リーフを購入しにくい若年層でも課金アイテムを入手できるシステムは嬉しい。

『Forsaken World』 『Forsaken World』 『Forsaken World』
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▲インスタンスダンジョンは装備品目当て、経験値やお金目的など獲得報酬別にわかれている。レベル差を気にせず遊べるミニゲームタイプのダンジョンでは、コインがもらえる。

■中国っぽさを極力控えたキャラクターデザイン

 完美時空社が開発元と聞くと、すぐに思い出されるのが『Perfect World』と『夢世界プラス』。個人的な好みの問題もあるが、同社のグラフィックスはどちらも濃い目の顔立ちや配色、ギラギラした装備などが目立つ。もちろん、「それこそ完美らしさ」とも言えるのだが、本タイトルは最初からアジア圏以外を含む世界展開を狙っているため、完美っぽさと言うか、武侠色をできるだけ消しているのも特徴である。

 わかりやすい例として、プレイヤーキャラクターは5つの種族から選べるが、岩から生まれたという設定のジャイアントはパワフル&マッチョを好む北米向けのデザイン。少女のような体型のドワーフ(女)は、完全に日本市場を狙ったものだ。

『Forsaken World』 『Forsaken World』
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 残念な点として種族ごとのクラス制限の厳しさが挙げられる。ドワーフの場合はガンナーしか選べないのだが、これは銃という武器が、鉱山に生活し手先の器用なドワーフ種族の生み出した特殊な技術であり、それゆえに彼らしか扱えないというバックストーリーに基づいたクラス選択になっているため。正直なところ、もう少し選択肢の幅がほしい。ただし、将来的にはプレイヤーの要望が強ければ、異なるクラスの追加も検討するとのことである。

『Forsaken World』 『Forsaken World』 『Forsaken World』
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 『Forsaken World』は中国をはじめとするアジア圏のプレイヤー、そしてコアゲーマーの多い北米市場の両方で成功を狙うため、国ごとのプレイスタイルを研究し可能な限り現地に合わせたローカライズを行っている。“洋ゲー”は無理だけど、かわいいだけが売りのお手軽MMOには飽きた! もう少し骨のあるオンラインRPGで遊びたいという人は、ぜひ『Forsaken World』に注目してほしい。

(C) 2011 C&C Media Co.,Ltd All Rights Reserved.
(C) Perfect World Co.,Ltd All Rights Reserved

■『Forsaken World』クローズドベータテスト概要
【テスター追加募集】2011年5月18日15:00~5月22日23:59
【テスト実施期間】2011年5月25日~5月30日
【追加募集人数】3,000名

データ

▼『Forsaken World』
■運営:シーアンドシーメディア
■開発:完美時空有限責任公司
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:未定
■プレイ料金:未定

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