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2011年6月1日(水)

ポイントはタレと紅しょうが! 『龍が如く』コラボで誕生した『俺の煮込丼』開発秘話

文:電撃オンライン

●澤村社長がゲームに出演するのは息子のおかげ!?

――ゲーム中に澤村社長が出ることになった経緯を教えてください。

島田:サブストーリーを「店舗を作る内容にしませんか?」というアイデアを、セガ様からいただきました。そのストーリーをクリアするとメニューができるんですが、当初は架空の神室町店長が登場する予定でした。しかし、打ち合わせの際に「これが本物の社長だったら、よりおもしろいのでは?」という意見が出て、検討することにしました。

――会社に持ち帰って、社長に報告した時はどうでしたか?

『俺の煮込丼』
▲試食会の時の澤村社長。手には、ゲーム中でのキャラクター画像を持っている。

島田:ドラマや映画ならわかるんですが、自分がCGになってゲームに登場することがイメージできていなかったようで、半信半疑でした。その後、家で息子さんがドラマ『クロヒョウ』のTV-CMを見ていた時に、「お父さんがこのゲームに出るんだよ」と伝えたのですが、信じてもらえなかったようです。そこで社長は、たまたま持っていた自分のキャラCGのラフを息子に見せたら、感動されたんだそうですよ。それで、初めてこのコラボレーションのすごさを実感したようです。

――息子さんは“わたみん家”の社長ということより、ゲームに出演することに尊敬を抱いたんですね。

島田:そうみたいです(笑)。ソフトの新たな発売日が決まった時も「発売日が決まったらしいね」って、すぐに社長から連絡が来ました。社長が自分から情報を取りに行くほどになっていたので、正直驚きました。

――澤村社長の撮影はどちらで行われたのですか?

島田:ちょうど、この部屋です。実は最初、こんなにキレイなグラフィックではなくて、セガサターンくらい……いえ、そこまでではないんですが、今と比べると粗かったんですよ。「他のキャラクターみたいに、キレイにできませんか?」とお願いしてみたんですが、やはり開発スケジュール上、難しいということになったんです。ところがある時突然、作り直されたキャラクターグラフィックを見せていただいたんです。

――いったい、何があったんでしょうか?

島田:今回、コラボレーションとして予想以上におもしろいことができたということで、開発スタッフの方が気に入ってくださったそうで、グラフィックを作り直したんだそうです。実はサブストーリーで、“わたみん家”の看板をゾンビが持って逃げるというものがあるんですね。

――それは……つまりゾンビが“わたみん家”の看板を持って走るんですか?

島田:ワハハハハハ。そうなんですよ、看板を背負ったゾンビとチェイスバトルするという内容です。ただし「ゾンビが看板を持って走るイベントを、作っていいですか?」と提案するのは、セガ様としてもハードルが高いじゃないですか?(笑) そんな内容のイベントに、我々がOKを出していたら、開発スタッフの方が気に入ってくれて、グラフィックを書き直してくれたという経緯です。

――なるほど。サブストーリー全体としては、どんなイベントになっているのでしょうか?

『俺の煮込丼』

島田:最初は、看板を取り返して空間を作る。次に食材を取り戻して、最後に人助けです。花田の名前を借りたキャラクターがゾンビに囲まれているのを助けるというイベントなんですよ。それらをクリアすると、“わたみん家”のこだわりである“空間”、“おいしさ”、“人”という3つがそろうという内容です。

――かなり凝ったイベントですね。

島田:郷田龍司のストーリー中に出てくるので、店ができた後に郷田で行くとタダで『俺の煮込丼』をもらえるんですが、他のキャラクターでいくとお金が必要になるんです。

――そんな長いイベントの末にできあがるのが、『俺の煮込丼』なんですね。

『俺の煮込丼』

島田:そのクエストをプレイしていただいた後で、お店にも足を運んでいただき、味わっていただければ理想ですよね。

――価格は、最初から399円(税抜)にしようと考えていたのでしょうか?

島田:そうです。盛り合わせやボトルは別として、単品で399円以上の価格は“わたみん家”には存在しないんですよ。ただし、ご飯があるのに煮込の量が単品と同じだったら、煮込を単品で買われた方が損をしてしまうので、煮込の量は少し調整しています。

――価格は開発する際のネックかと思うのですが、399円という価格設定はどうでしたか?

島田:「この価格じゃダメだ」とか「でも、この具材は必要だ」とか、いつも花田と2人でやりあっています。1円2円の削りあいですよ。ただ2人とも「399円だからそれなりのものでいい」にはしたくないと考えているので、399円でもこだわった食材、ボリューム、味にすることを心がけています。たとえば、煮込であればモツにこだわっていて、アメリカ産のギアラと小腸をチョイスしました。399円でも、399円以上の価値を出せる商品を提供していきたいという2人の思いで作っています。

試食会やオススメメニューは3ページ目で!

(C)SEGA

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