2011年6月7日(火)
Electronic Entertainment Expo 2011 編集後記【その1】
E3の期間中、その日起きた出来事、気になった事柄をニュース記事ではなく、あくまでも個人の視点で、つれづれなるままに、夜な夜なPCにむかいて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ……。
要はコラムっていうと、仰々しくて、おこがましいので、E3雑感です。気軽に読みすててください。
ロサンジェルス現地の日付で6月6日、今日はマイクロソフトとSCEが、それぞれカンファレンスを行った。
ここ数年、WEBでのライブ中継があり、それぞれのカンファレンス最新情報が日本にいながらリアルタイムで見られるようになったので、これを読んでいるほとんどの人が、情報を得ていると思いますが、まずは、今日(今回のE3で、といってもよいと今日時点では思う)最大のサプライズが、NGP改めPS Vitaの価格であろう。24,980円(Wi-Fiのみ)&29,980円(Wi-Fi+3G)!!!
個人的に予想と妄想も含めて、かなり戦略的な価格帯にしてくるとは思っていたし、想像の中ではこの価格もあり得る(だったらいいなぁ的な)、とは思っていたが、さすがにこの価格帯は、部材を見ると(普通に組み上げると4万~5万円台の代物と推測されていた)難しいのでは、と思っていたので、本当にサプライズであった。この新ハードに賭けるSCEの本気度がわかる発表だった。会場のオーディエンスも当然、その日最大の盛り上がりを見せていた。日本から視察に来ていた流通の方と会場でばったりお会いし、感想を聞いたが、当然のことのようにこのプライスは、大歓迎! と喜んでいた。
カンファレンス後、会場でPS Vitaが体験できると聞き、さっそく向かうと、本当に長蛇の列で、1時間ぐらい待ちで、やっとプレイできた(詳しくはニュース記事を見てください)。『Little Big Planet』『Virtua Tennis 4(パワースマッシュ4)』『Little Deviants』『Sound Shapes』『Uncharted:Golden Abyss』の5タイトルを、それぞれレクチャー付きで5分ほどプレイできた。
タッチパネル、裏のタッチパネル、ジャイロセンサー機能、2つのコントローラと、通信以外のPS Vitaの特徴と、スポーツ、カジュアル、ハードゲーム、新感覚なゲームとジャンルもうまく網羅した構成で、短時間にVitaの魅力を体験できるモノであった。プレイした個人的な感想として『Little Big Planet』のタッチパネルでのプレイスタイルは、とってもマッチしていて、すでに同シリーズをプレイしているにもかかわらず、新しいプレイ感を味わえた。逆に、すべてがタッチパネルの機能を使わなくてもよいのでは、と個人的には思った。単純に今までのPSPよりも大きなパネルは、それだけで魅力であるから。新しさでは『Sound Shapes』。タッチとジャイロの機能を使った横スクACTと音楽ゲームの融合的なゲームで、短時間&英語でのレクチャーですべてをわかったわけではないが、新しい感じはした。
話をカンファレンスに戻すと、PS Vitaの発表で、3GのキャリアをAT&Tにすることを伝えたシーンがあったが、会場のオーディエンスの反応が今ひとつな感じ? であった。海外ではSIMフリーが当たり前なので、1キャリアに限定したことへの反応なのか? と想像した。日本では、ドコがキャリアになるのか? ケータイビジネス的には大いに気になるところであるが、ここは日本での発表を待とうと思う。そして、発売日。ホリデーシーズンに発売予定とのアナウンスであるが、ホリデーシーズンとは感謝祭後の金曜日からクリスマスイブまで。ということは、年内の発売。正式な発売日は、日本でのTGSあたりで、となるのか? 楽しみである。
カンファレンスでもう1つ気になったのが、日本のクリエイター。これは、MSのカンファレンスも含めて、毎年、数名のクリエイターが登壇し会場をにぎわせているのであるが、今回はSCEカンファレンスでの、カプコン小野氏による『ストリートファイター クロス 鉄拳』のプレゼンだけであった。日本人としては、海外で日本人クリエイターが登壇し、会場を沸かせるのを見るだけで、うれしく感じるモノであるが、今年は常連的なクリエイターやタイトルの姿が見えず少し寂しかった(とはいえ、カプコンの小野氏は、会場を沸かせていましたよ)。
思うに、MSもSCEも、今年は昨年発売した、Kinect(MS)、3D&Move(SCE)の対応タイトルが豊富にそろう年であり、それらを象徴するタイトルのプレゼンが多かったことが、そうさせているのだろうか。Kinectの名前が出たので、最後にMSのカンファレンスについても、少し触れておくと、今年はKinect一色。といった感じであった。
このKinect、ゲームというジャンルを一旦おいておくと、ものすごい技術であるし、未来を感じさせる。何も持たず操作でき、音声に反応し、まるで自分が小さいころに見たSF映画さながらのことが目の前で行われているのである。プレゼンでもコントローラなしで、『MASS EFFECT 3』をプレイしたり、『GHOST RECON』の武器のカスタマイズを音声操作で、ピーター・モリニューは新作『Fable』でKinectならではのアプローチ&演出を施していた。
プレイスタイルとしては新しい刺激はある。あるのではあるが、先ほどもいった現時点でも未来の技術に近いと感じるこのすごいテクノロジーを、もっと感じるためには、今までのゲームではなく、まったく新しい、自分なんかが想像できない、ジャンルの区別もできない、もしかしたゲームとも呼ばれないものが出ることが必要ではないかと思う。世界中のすべてのクリエイターに期待したい。いつの日か驚がくさせてくれることを。そんなポテンシャルはあるのである、と個人的には思うから。本当につれづれに書いていたら朝になりました。
明日は(もう今日であるが)、任天堂のカンファレンスと、E3会場の初日です。任天堂のカンファレンス=Wiiの後継機も気になるところですが、個人的に気になるのは、E3出発の2日前にリリースが来た、ハルク・ホーガンがE3会場を練り歩く、という情報です(笑)。それでは、また明日。(電撃オンライン 江口)