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2011年6月8日(水)

難しいけれど心は折れないPS3『ダークソウル』をE3で試遊してきた

文:ごえモン

 米国現地時間6月7日~9日にかけて開催されているE3 2011。日本では9月15日に登場するPS3用ソフト『ダークソウル』を、海外発売元バンダイナムコゲームスのブースで触ることができたので、ごえモンが試遊レポートをお届けします。

『ダークソウル』

 『ダークソウル』は、ダンジョンを探索する緊張感、敵と遭遇した時の恐怖、発見の喜びなど、RPGが本来持つおもしろさや達成感にこだわった作品です。プレイを開始すると、キャラクターメイクには入らずに試遊用に用意された6キャラクターから選ぶことになりました。選べたのは、Solder、Knight、Witch、Pyromancer、Solaire of Astro、Black Knightの6人。せっかくなので、全身鎧と大剣を装備しているBlack Knightを使いたかったのですが、個人的に動きが重い装備は苦手なので、Pyromancerを選ぶことに。……だって、ムリをしてすぐに死んでしまったらプレイレポートにならないですから(笑)。ちなみに、僕以外の試遊をしている人は7割くらいがBlack Knightを選択していましたよ。

 そんなわけでPyromancerを選んでゲームを始めると、朽ちた城の中庭のような場所に降り立ちました。『デモンズソウル』と同じように、地面のメッセージで操作方法を確認できるようですが、当然英語だったので、自分で触りながら覚えることに。なお操作方法は、方向ボタンやR1、R2、L1、L2、○×△□ボタンともに、ほとんど『デモンズソウル』と同じ仕様でした。

 ただ、ダッシュ中にもう一度×ボタンを押すことでジャンプをして、さらに着地後にローリングをする新アクションが追加されています。これなら、小さい穴くらいなら飛び越えられそうな予感。もしかしたら、このアクションが必要になってくるステージもあるかもしれませんね。

 と、ここで気がついたのですが、Pyromancerのメインの右手武器は火の玉のような魔法で、サブ武器が斧でした。そしてよくみると、装備している魔法アイコンの上に6という数字が! もしやと思って左上をみてみると、MPを表すゲージがない? どうやら本作の魔法は回数制のようですね、6回なのが心もとないので、とりあえずサブ装備で進めてみましょう。

 スタート地点でだいぶ時間をかけつつ、やっと建物内へ。建物に入ると、本作の新システム“篝火(かがりび)”がいきなり登場しました。この篝火を調べることで、HPや魔法の使用回数、本作で回復薬の役目を持つ“エスト瓶”の中身を補給することができます。『ダークソウル』では回復手段がエスト瓶と篝火、奇跡くらいしかないらしいので、これはかなり重宝しそう。しばらくここを拠点にプレイをしましょう。

 さてその後、道を道なりに進むと、なんと目の前に巨大なドラゴンが!? おいおい、いきなりこんな場面かよ! なんかすっごいこっち見てるし……。絶対近づいたら炎吐きますよ、アイツ。

 まあ、ここで止まっていてもゲームが進まないので、ゆっくりゆっくりドラゴンに近づいていきます。近づいてみると、ドラゴンの周りにも敵キャラがたくさんいることがわかります。そしてザコキャラたちがこちらに気が付いて近づいてきたので、「よっしゃ、いっちょパリィで全員倒してやるか!」と意気込んでみたのもつかの間、ドラゴンがのっしのっしと歩き始めましたよ! やっぱりキター!! しかも口もとに炎らしきものをためちゃってるよ、あの子!

 ヤバイヤバイヤバイ、全力でスタート地点に戻る僕。ローリングを駆使してなんとか安全地帯まで着いたのと、ドラゴンさんが炎を吐いたのはほぼ同時でした。背後を見てみると、無残、ザコキャラたちは全員200を超えるダメージをくらって消滅していましたよ。いや、コレ無理じゃね? しかもよく見たら、ドラゴンの奥の道は閉まってて通れないっぽいし! まさか、開始数分で心が折れてしまうのか――。

 と思って周りを眺めてみると、ありました……スイッチ。これを操作すると、ドラゴンのいない道から進めるようです。うん、やっぱりこのゲームは注意力が大事。超大事。テキトーに歩いたり、注意もせずにガンガン進んじゃダメだったりするところは、『デモンズソウル』からしっかり引き継がれていますね。

 スイッチを作動させて階段を上っていくと、メインの通路とは別に、右側に狭い通路が見えます。これ絶対、敵出てくるよな? なんて予想しながら、盾を構えて一歩一歩近づいてみると、やっぱり敵さん登場! もうこのあたりで完全に思い出しましたよ、『デモンズソウル』を楽しんでいたころの記憶を。曲がり角や部屋に入る時には、特に気をつけなければいけないのが、あのゲームでしたね。この緊張感……やっぱりおもしろい!

 敵を倒して先に進むと、遠くに鎧を着てえらく硬そうなイノシシが見えます。うーん、なんか強そうだけど、体験レポだし一応戦ってみるか、とイノシシさんの突進をローリングでよけつつ攻撃してみると……8ダメージ。硬っ!? こりゃいかん、と距離をとってすかさず武器を魔法に変更。十分に距離をとって魔法を詠唱し、さてどんな魔法が飛び出すのかと思ったら、火の玉が全然飛ばなくて相手に届かない! なんか重力に負けてイノシシのかなり手前で落ちてしまいました。軌道でいうと、砲丸投げを投げた時のような感じで、射程は数メートルといったところ。

 気を取り直して。敵の近くで魔法を発動させてみると、なんとダメージが200越え! これは強い! さすが使用回数が6回なだけはあります。この魔法があれば、この先もう何も怖くない!! とはいえ、こんな敵に魔法を3回も使ったとあってはさすがに先が心配なので、篝火で魔法と体力を回復。

 そして完全復活をしてから、最初にスイッチで明けた道をダッシュで進んでいると、横道から敵が突進して来た! まさかまさか、篝火を使うと敵が復活すんじゃ……この考えは鎧を着たイノシシさんを見たとき確信に変わりました。篝火に戻ってはちょびっと進め、また戻っては……という繰り返しプレイは本作では通用しないんですね。まあさすがに無限に回復できるシステムをなんの制限もなく使えるわけがないですからね、これは腕を上げて、そこを難なく超えられるようになりなさい、という神のお告げですね。アンバサ!

 もう一度篝火に戻って再度完全回復をした後、ダッシュ、ジャンプ、ローリングを繰り出し何とかイノシシと戦わずにスルー。戦わないっていう選択肢も、きっとこのゲームでは重要。たぶん。

 いったん地下に降りて、ザコ敵がはびこる暗がりを進んでいくうちに、ダメージを受けすぎで気が付けばエスト瓶が空に! こりゃまずいと敵に斧でラッシュをかけて、もうすぐ倒せそうなところで距離をとって様子をみていると……なんか敵がエスト瓶を使って回復し出したよ!? ちょっと待って、ナニソレハンソクダヨ……。

 こちらの体力も残り少ないので、もう篝火まで全部スルーするしかないと決め込みました。そして篝火を見つける前にハシゴを発見! ふう、これを上れば安全ですね。なんてことを思っていたら、今までスルーしてきた敵たちがぞろぞろとハシゴを上がってくるではありませんか!? ちょっと待って、ナニソレハンソ(略)。今回の敵AIはかなり強化されていることがわかった瞬間でした。

 ハシゴを上がってきた団体さん一行を、さらにハシゴを上って一時的にやり過ごす、なんと目の前に篝火を発見! うぉー! こんなギリギリのところで、よくあってくれました、篝火! これでもう少しプレイレポートが続けられますね。しかし篝火を見つけた時の安心間のすごさと、今までの緊張のせいか、ものすごいため息が出ました。やっぱりやり応えがとんでもないなぁ。

 その後も、エスト瓶と頼りの魔法を温存しながら進み、なにやらボス的な雰囲気の敵が出そうな建物に入りましたよ。その中を進んでいくと、見るからに今までと違う、ちょいとデカ目な騎士がいました。お、こいつがボスですか。じゃあ、魔法でサクっと片付けますかね。温存したのであと5回も使えるし、圧倒的ではないか、我がキャラは!

 そんなバカなことを思いつつ魔法を詠唱すると、キャラの背中にサクっと魔法の矢が刺さりました。……え? と1秒ほど思考が停止した後に背後を見ると、高い位置に魔法使いっぽい敵がいるじゃん! ちょっとちょっと、一体何度、僕の鼓動を跳ね上げれば気が済むんですかね、このゲームは!!

 魔法を2回使って騎士っぽい方を倒した後、くだんの魔法使いを倒すためにいざ2回へ。魔法使いに近づくにつれて、なんとなく道が薄暗くなっていくのがいやな予感しかしないです。そして魔法使いがいる部屋の手前に行くと、なんかそいつが踊っているようなモーションをしているんですよね。これは何かあるぞ、とここまでイロイロされてきた僕の勘が働きましたよ。ええ。

 というわけで、部屋に一歩入った瞬間にローリングで通路に戻ろうと一歩入ったら……案の定、6体ぐらいの敵に囲まれてるじゃん! しかもなんか体からオーラが出ていて、動きも早くなっているし、きっと敵が敵に強化魔法でもかけたのでしょう。でも、こちらの予想以上じゃないぜ。

 昔のマンガで読んだ、狭い通路を走って追いついてきたやつを各個撃破、という戦闘方法を思い出し実践。ザコ敵をパリィでちぎっては投げ、ちぎっては投げで気が付けば魔法使いの敵まで倒していました。すごいぜ、僕! エスト瓶は残り1つになってしまったけど……きっと何とかなるよね!

 篝火を求めて先に進んでいくと、エリア切り替えの光が見えてきました。もしかしてクリア? なんて一抹の希望が生まれたわけですが、まあそんなわけはありませんね。光を通り過ぎると、僕を待っていたのはボスのガーゴイルでした。

 ボス戦ということで、まずは様子見と距離を取って攻撃パターンを覚えます。ふんふん、なるほど。3回ぐらいモーションを見れば、なんとなく動き方がわかってきます。なんだ、意外と簡単じゃないか! 待っててみんな! 今クリアしてプレスルームに帰るから!!

 と余裕ぶっていたのが災いしたのか、予想よりも敵の攻撃距離が広くて被ダメ! エスト瓶の残りも飲み干し、いよいよ余裕がなくなってきたので魔法を全部使ってしまうことに。イノシシ先生との教訓を生かして、近めでロックオンし、そして撃つ!! なんと1撃で6分の1くらいのHPが削れ、そのまま2回、3回と当たる当たる。これ、勝てるかもしれない……と、この時の僕は思っていたのです。

 ちゃくちゃくと死亡フラグを立ててきましたが、ボスのHPを半分ほど削ったところでまさかの事態が発生。ネタバレのため、どんなことが起こったかは書きませんが、結果、僕のE3での『ダークソウル』体験は終了しました。あまりの出来事に一瞬「心が折れそうだ」という言葉が頭をよぎりましたが、すぐにでも再プレイしたい気持ちに駆られ、スタッフに「ワンモア!」と言ってはみたものの、試遊台は結構な行列だったので断られてしまいました。

 どんなに難しくても、不思議と何回もプレイしてしまう中毒性は『デモンズソウル』から変わらず、敵のAIが強化されるなど、さまざま要素がバージョンアップされていた『ダークソウル』。『デモンズソウル』を楽しめた人は、間違いなくハマる出来ですので、ぜひプレイしてみてください。そして、いろいろなことにビビったり驚いたりしたらいいよ!(ごえモン)

『ダークソウル』

(C)2011 NBGI (C)2011 FromSoftware, Inc.

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