2011年6月15日（水）

世の中で一番おもしろいゴルフゲームに――『みんGOL NEXT』池尻Pインタビュー

――だいぶPS Vitaの機能を使用した新操作が追加されていますが、それは初めて『みんGOL』シリーズを手に取る人に対する配慮なのでしょうか？

　タッチを使った入力操作をもって簡単操作とは言えませんが、『みんGOL』シリーズは慣れが必要な操作も若干あります。なので、気になるところをタッチするというのはより直感的な操作なので、シリーズ未経験の方にもわかりやすいフィーチャーだと思います。

――本作は“near（ニア）”に対応する予定はありますか？

　“near”はまだ検討中ですね。順番にいくと、まず実現させたいのが通信対戦です。それも2人ではなくて4人同時とか、より多人数での対戦ですね。そういったものを経ていて、最後に“near”を使えるかどうか考えていきたいと思っています。

　その他のオンラインモードについては、まだ優先順位をつけてピックアップしている状態で、「これは確実にできる」とは言えない段階です。ただ、これまでやってきたことはひと通り入れたいと思っています。

――世界対戦を入れる予定は？

　世界対戦もぜひ入れたいと思っています。プライオリティは高いですが、世界対戦はやや難易度的にも高いので、少し後回しにしてしまうかもしれません。

　以前と比べてPS Vita上の通信機能の充実はもちろん、一般的な環境も揃ってきましたので、最初はベーシックな通信対戦のみを搭載し、後ほどDLCとして○○モードを新たに登場させていくような、ステップを踏んでの搭載もいいだろうと思っています。

――PS Vitaでできる新機能についてはここまでとして、これからはゲームの細かい中身についてお聞きします。まずは本作のコースについてですが、コースはすべて一新されているのでしょうか？

　そうですね。すべて本作のために一から設計した新しいコースになります。

　コースについてお話すると、『みんGOL5』はPS3という非常にパワフルなマシンだったので、複数のホールがつながるという表現が初めてできました。なので隣のホールにわざと打ち、ショートカットを狙うという攻め方もできました。本作はPS2やPSPと同じく1ホールを切り出した形式になっていますが、『みんGOL5』でのコース設計のノウハウを活かし、プレイするエリア以外の表現力が非常に向上しています。

　『みんGOL NEXT』をプレイしてみると、僕も初めはつながっているんじゃないかと思うぐらい1ホールが広くて、1ホールで閉ざされているような感覚はあまり受けないんです。両サイドの打ってはいけなりエリアを平たいポリゴンで作ってあるというか、見せ方を工夫しているので『みんGOL5』に近い“ゴルフ場でゴルフをしている”見え方ができていると思います。なので携帯ハードでも突き抜けたコース表現になっています。

――コースはすべて一新されているとお聞きしましたが、キャラクターも一新されているのですか？

　こちらも基本はすべて新キャラクターになっています。能力的には今までの『みんGOL』と同じく、大きく分けると初級・中級・上級の3クラスぐらいに分かれていて、それぞれの個性があるという作りです。ただこれまでよりも等身や体つきはよりデフォルメ感を出しています。

　『ポータブル』や『みんGOL5』とはちょっと違うと思ってもらうために、まず等身をグッと上げています。たとえば緑色のシャツを着たマックスというキャラクターは、かなり肩幅が広い海外のアニメーションに近いモデリングになっています。今回は日本だけではなく北米・欧州でも同時発売をしたいと思っているので、より“みんなの”ゴルフ感をキープしながら、デフォルメのきいたコミカルな表現に注力しています。そこはこれまでのシリーズと大きく違うところです。

――今回も愛着度によって特殊能力が解放されていくのでしょうか？

　それは考えています。これについては詳細をお伝えできないというよりも、まだ決まりきっていないところです。

――コスチュームに関しても、やっぱり本作では一新されているのですか？

　そうですね。『みんGOL5』っぽく、それぞれのキャラの個性を生かしたコスプレも用意しています。また、キャラにタッチをすると女の子が手を振ってくれたり、スカートがなびくなどの遊びは入れています。これがどこまで許されるかが問題ですが（笑）。

――女の子を摘み上げたり、ジャイロセンサーで視点を変えたり……なんか見えちゃいそうですよね。

　それをやるとCEROがBとかCになっちゃいますから、許される範囲ではやろうと思っていますね（笑）。

――どこまでの表現になるか、楽しみにしています！　ちょっと気の早い話ではありますが、本作以外のPS Vita用ソフトの新作の構想はありますか？

　構想があるというか、すでに何タイトルか動いています。内容についてはまだ何も言えないのですが、PSPの時に『Loco Roco』や『パタポン』『勇者のくせになまいきだ。』など、ジャパンスタジオからオリジナリティが高く、なおかつおもしろいタイトルがたくさん発売されました。ワールドワイドスタジオという組織の中でも、ジャパンスタジオがおもしろいゲームを作るだろうと期待されているので、われわれもそういう意識を持ちつつPS Vitaにも非常に注力して複数作っています。

――それでは最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

　これはずっと変わらないのですが、“入りやすくて奥が深い”というコンセプトをキープしつつも、買って間違いのないタイトルに現在仕上がりつつあります。われわれはゴルフゲームをずっと作っているという自負があります。本作も世の中にあるゴルフゲームの中で一番おもしろいものにしようという意気込みで制作しています。ぜひ、期待していただければと思います。