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2011年6月15日(水)

PS3/Xbox 360『Devil’s Third』に動きあり!? 現在の開発状況を板垣氏に直撃!

文:電撃オンライン

 昨年のE3で姿を現した、ヴァルハラゲームスタジオ制作のPS3/Xbox 360『Devil’s Third(デビルズサード)』。今年もその後、大きな動きを見せておらず、E3のTHQブースで謎に包まれた数分の映像が公開されたのみ(しかもゲーム画面はナシ)。はたして現在、開発はどんな状況なのだろうか? カギを握る板垣伴信氏に直撃インタビューを試みた。

『Devil’s Third』

――昨年のE3で行われた『Devil’s Third』の衝撃発表から1年ほどたちましたが、現在の進捗は?

 だいぶ進んでますね。使うミドルウェアもほぼ決まりました。モーションやサウンド、AIなどのミドルウェアです。僕が以前いた会社のころは、そういったミドルウェアは全部自分たちで作っていましたが、今世界にはすごいものがたくさんある。そういうのを集めて検証を重ねて選んでいきました。

 今回のE3を見ても感じたと思うけど、日本のゲームの影が薄くて寂しかったよね。ただ手をこまねいているわけにはいかない。僕らもまずは肩を並べるところまで行こうということで、真剣に吟味をしてこの数年やってきました。その間いろいろなエンジンを見たり、自分たちでフルスクラッチでやろうかと考えたりもしましたが、最終的にはレリック社が使っているエンジンを『Devil’s Third』用に改良して使うことに決めました。

 デザイン面もだいたい終わったので、これから本腰入れて制作を開始しようかといったところが今の状況です。

――やはり下地作りは重要なんですね。

 そう。戦争とケンカは終わらせ方を考えてから始めないとね(笑)。

――THQブースで流れていた映像では、詳しい情報は東京ゲームショウまで待てと言っていましたが、どんな発表の仕方を考えていますか?

 メディアさんを集めて、僕が自分で遊んで「こんなゲームだ」と紹介しようと考えています。そのころだとまだ皆さんに体験してもらうには早いと思うので、そんな形でお見せしたいと思います。

――本作は全世界に向けたタイトルになると思いますが、板垣さんは海外のゲームマーケットをどうみていますか?

 マーケットというよりも先に文化の理解が必要。ヨーロッパにはヨーロッパの文化があり、アメリカにはアメリカの文化がある。遊びは文化に根差しているものだから、ただ海外市場のデータを出してきて「こういうのが売れているからうちも作ろう」とか言っている奴がいたら張り倒したほうがいいですよ(笑)。

 そんなのどうでもいいことで、その国を知ればデータなんかなくても、おのずとどういうものが望まれているのかわかってくると思うんですよ。歴史、法律、政治……その国の人間にはなれなくても理解することはできますから。海外にも友人はいっぱいいて遊びに行くんだけど、酒飲んで遊んで怒られて(笑)。でも実はその国を知るには、怒られるのが一番なんですよ。「ここまでやっていい」ってのがわかるんでね。

 だから、どこ向けにゲームを作るのかといったことを考えたら、まずその国と自分が仲よくならなきゃいけないと思っていますよ。

 そうやって海外を見た時に、日本は海外に対して社交性がなさすぎると思うね。海外の文化をきちんと理解しないまま「海外で売れてるから」っていうデータだけで海外進出を図ろうとしても、金太郎アメみたいな同じようなゲームが出てくるだけだと思うんだけどね。

――ちょっと板垣さんのゲーム論コーナーみたいな様相を呈してきましたが(笑)。本当はゲームの情報をもう少しうかがいたいのですが、ゲームショウまでおあずけなんですよね……。ちなみにE3のTHQブースで本作の映像が流されていましたが、こちらについては?

 E3で流れていたのは、本当は20分くらいある番組を3分に編集したものなんです。このインタビューが載るころにはそのフルバージョンがネットで公開されている予定なので(編注:現在YouTubeでフルバージョンが公開されている)、それを見てもらえればこのゲームの理解が深まるんじゃないかなと思います。CMを挟めば、本当に30分番組ができちゃうほどのボリュームなんでね。あと設定画が映っていたり社内がどんな雰囲気なのかもわかるので、気になる人は見てもらえたらと思います。

――なるほど。ネット各所を見ても、続報を望む声が非常に高いんですよね。

 なるほどね。僕の考えでは、ゲームにしろ何にしろ「こういうものを作ろうと思っている」と言っちゃった瞬間に、自分の中で完成しちゃったと錯覚するものなんですよ。だから、ある程度見せられるところに行く前に言っちゃうと、ガスが抜けちゃうという感覚があるんです。なので、もうちょっとだけ我慢してもらって、僕も頑張って作りますから。9月の東京ゲームショウ、期待していてください。

――ありがとうございました!

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 ということで、ゲームの全容は東京ゲームショウで大きく判明することになりそうだ。あと3カ月、もう少しの辛抱だが期待して待ちたいところ。なお、今回のインタビューはTHQの用意したリムジンの中で行われており、現在公開されている映像で“会議”と呼ばれている状況に近かったことはお伝えしておこう。

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