丹精込めて育てた悪魔たちと強敵を倒す快感！ 『デビルサバイバー2』プレイレポ

文：電撃オンライン

　アトラスより、7月28日に発売されるDS用S・RPG『デビルサバイバー2』。女性悪魔（とくに女神ハトホル）が3度の飯より大好きなライター・原常樹が、プレイレポートをお届けします。

　『女神転生（メガテン）』シリーズといえば、悪魔が跋扈（ばっこ）する世界を舞台に仲魔を増やしながら、己の思想のために戦うダークでハードな作品が有名です。2009年1月に発売されたDS『女神異聞録デビルサバイバー』もその世界観を踏襲し、封鎖された首都・東京で生き残るべく戦う悪魔使いたちの葛藤と選択が描かれて人気となりました。

　続編となる本作では、舞台が東京から全国に拡大し、スケールも大幅アップ！　前作と同様に人間の絆や葛藤を描いた重厚なドラマが詰まっています。はたして、その内容とは……？

■ホラー映画も顔負け!?　死に様動画に翻弄される主人公たち

　本作の主人公は、大学受験を控えた高校3年生。模擬試験の帰りに、友人が死ぬ時の光景を見せるという動画サイト“ニカイア”からメールが届き、一緒にいた友人らが事故に巻き込まれて死亡する動画を見てしまいます。なんとその後、動画は現実のものとなり、主人公たちは地下鉄の電車事故に遭遇！　携帯電話より出現した悪魔の力によって難を逃れますが、実は日本全土で同様のことが起こっている……というのが物語の導入部分。

　キャラクターデザインは、前作と同様に『デュラララ!!』などでおなじみのヤスダスズヒトさんが担当しているのですが、あのキャッチーな絵柄でキャラの死に様が映るというのがまたショッキング！　しかも、日本全国が未曾有の危機に陥っているため、次から次へとプレイヤーの携帯電話には友人たちの死亡動画が送られてくるというサスペンスな状況に陥るハメに……。大階段から転落させられたり、凍らされて砕かれたり、炭になるまで燃やされたり。しかもグラフィックがち密に描きこまれているがゆえに、“リアルな死亡ムービー”以上に恐怖心をあおられるんですよ！　そのあまりの破壊力に、「これってホラーゲームじゃないよね？」とジャンル表記を確認し直してしまいました……。

　ただ、このゲームのおもしろいところは“死の未来”をプレイヤーの行動次第で回避できること。死ぬ瞬間のビジュアルがエグいというお話をしましたが、だからこそプレイヤーの中で悪い未来を回避しようという気持ちも強く働くに違いありません。しかしここまで主人公たちが死に直面しなければならない状況とは、はたしてどういったものなのか？　もちろん、悪魔も原因の1つではありますが、そこには謎の侵略者・セプテントリオンの存在も大きくかかわってきます。

　悪魔が日本全土に現れた日から、時を同じくして人類を襲撃するようになったセプテントリオン。人間でも一部の悪魔は素手で殴り倒せたりするみたいですが、こいつらはそういう次元の強さではありません。近代兵器もほとんど通用せず、日本全土は壊滅状態に陥ってしまいます。「どんだけ強いんだ！」っていう話ですが、実際、謎の言語をしゃべりながら迫りくる彼ら（？）の姿は圧倒的！　なぜ彼らが人間を襲うのかという部分は、ネタバレになってしまうので言えませんが、そこには壮大な意味が隠されています。

■魅力的な人間と悪魔、パートナー選びには悩みます

　ゲーム内で描かれているのは世界の終末までの7日間。プレイヤーは用意された複数のイベントを任意で選択しつつゲームを進めていくのですが、誰に会い、どういった時間を過ごすかは全てプレイヤー次第。仲間を助けるか否かも自由ですが、イベント1つにつき30分が経過してしまうため、悠長な行動ばかり取っていると“死に顔動画の通り”にキャラクターが死んでしまうこともあります。とはいっても、危なそうなイベントを優先的にこなしていれば大抵の危機は未然に防げますし、仲間になる悪魔使いの数も多いので進行に支障をきたすことはなかなかないでしょう。

　しかしこれだけキャラクターが多くてもキャラ立ちがハッキリしているのが本作のすごいところ。おバカで陽気な友人・ダイチや、いつも“てきと～”な感じのお兄さん・ジョー、気は優しくて力持ちな板前ジュンゴなど、いずれも一瞬で覚えられるようなキャラばかりなんです。

　個人的にはイオと、名古屋の悪魔使い・アイリがツンデレな感じでお気に入り！　清楚で奥手なイオと青春したら楽しそうだし、強気なアイリにも散々ツッコミを入れられてみたいなー、なんて妄想が膨らむのも当然。彼女たちのイベントばかり優先的にこなしているという現実に気付いた時には、死に顔動画の犠牲者が……。まぁ、それはそれで1つの選択なのかもしれませんが。……言い訳じゃないですよ！　決して！（汗）

　さて、僕と同じようなプレイをする人がどれだけいるかはともかく、このゲームではキャラクターとの絆を深めることには重要な意味があります。まず絆が深まると“縁”という形で、プレイヤーには恩恵が返ってきます。戦闘時に有利なシステムを使えたり、特殊な悪魔が合体で作れるようになったり。そして物語の結末まで大きく変わってきます。

　『メガテン』シリーズといえば、ロウ（秩序）、ニュートラル（中立）、カオス（混沌）といった3つの思想から1つを選ぶという展開が多く登場する作品。本作でも中盤以降で悪魔使い同士が思想の違いから対立するという、極めて深刻な状況が待っています。主人公がどんな道を選ぶのか、それはまさにプレイヤーがどのキャラクターの思想に共感したか、あるいはプレイヤー自身がどういった思想を貫きたいかといったことになるでしょう。ただし、中には茨の道ともいえる選択肢もあり、初回プレイでそれを選ぶといきなり強敵と戦うハメになってもん絶するかも……。一度もん絶した僕が言うんですから間違いありません！　とにかく、一度仲間になったからと言って安心せずに、彼らの言動や思想はしっかりとチェックするとよいかもしれません。

　また、キャラクターといえばシリーズ恒例の“悪魔たちのユニークなトーク”も健在！　基本的に悪魔はオークションで購入するのですが、奴らのがめつさにはビックリしました。ちゃんと落札して最高額のマッカをあげたのにさらに要求してくるなんてどんだけだ、と……。合体で誕生したり、逆に合体に使おうとした際に出典元となる神話のセリフを呟いたりするんですが、それも相変わらず個性的ですね。イベントで出てくる悪魔に至っては、もはや架空のギャグ？キャラではないのかと疑ってしまうレベル。正直、インドの偉～い神様や、大阪名物の幸運の神様をあそこまでデフォルメしちゃっていいのかと不安になりました（笑）。

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関連サイト

• 『デビルサバイバー2』公式サイト