コーエーテクモゲームスがネットワーク事業戦略に関する発表会を実施

文：電撃オンライン

　本日8月30日、コーエーテクモゲームスはネットワーク事業戦略発表会を実施。発表会ではコーエーテクモの今後の事業戦略、3つの新作タイトル、新たなポータルサイトへの取り組みの3つに焦点が当てられた。

▲コーエーテクモゲームス代表取締役社長・襟川陽一氏。

　冒頭で、同社代表取締役社長の襟川陽一氏が登場。ネットワーク事業が伸びていることを実感していると語った。今年の経営方針は、成長性と収益性を確保することで、中でもネットワーク事業は非常に大きな柱として伸びているそうだ。「コーエーテクモとしてはこの分野に力を入れて、日本だけでなく世界へ進出していきたい。海外の開発子会社を含めれば今年度末には300人近いスタッフを抱えます」と語った。

　また、パッケージゲームとソーシャルの連動によって、他社のソーシャルゲーム系メーカーとの差別化を図り、優位性を出すことを意識しているそう。「コーエーテクモの原点は創造と貢献。新しいおもしろさを作り、お客様に提供していくことが我々の存在意義であり、核です」と話す襟川氏。この発表会では、今後のソーシャルゲーム関連活動について説明すると述べていた。

■ネットワーク事業戦略の現状と今後について

▲専務取締役 ネットワーク事業部長 小林伸太郎氏。

　次に、同社専務取締役でネットワーク事業部長の小林伸太郎氏より、過去の実績も含めたグループトータルでのネットワーク事業戦略が発表された。

　最初に、現在サービス中のオンラインゲームは『信長の野望 Online』『大航海時代 Online』『真・三國無双Online』の3つで、各タイトルの会員数は『信長の野望 Online』が3.8万人、『大航海時代 Online』が3.5万人、『真・三國無双Online』が非公開となっていることが説明された。また、サービス中のソーシャルゲームは8タイトル、累計登録会員数は約400万人。モバイルは211サイト70タイトルで、アクティブユーザー数は約40万人だ。

　ここで、グループ連結ベースでの業績も語られた。前々期の2009年度、グループ全体の売上345億円に対して、オンラインモバイル関連の売上は約40億円と、全体の11％強を占めている。2010年度は、グループ全体の14％となる46億円、営業利益ベースでは36.4％がオンラインモバイルによるものだ。これらの数値をもとにした今後のコーエーテクモの戦略は、“マルチプラットフォーム・マルチデバイス”と“グローバルソーシャルゲーム戦略”であると、小林氏は述べた。

　DeNA、GREE、Yahoo！モバゲーをはじめ、さまざまなプラットフォームへの展開、そして携帯電話、スマートフォン、PC、コンシューマなど、あらゆるデバイスを通じてサービスをグローバルに展開していくことを、今後の大きな戦略の核にしていくとのこと。ソーシャルゲームのラインナップ拡充では、すでに同社が持つ知的財産（IP）を利用した作品を提供しているが、オリジナルタイトルを含めて、スマートフォンには特に注力する。また、オンラインゲームとパッケージゲームとの強力な連携を図り、相乗効果による利益の拡大を目指していくそうだ。

　オンラインゲームの海外戦略については、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナムなどPCゲームの市場規模が急速に広がっており、同社は主に中国・東南アジア市場でのラインナップ拡大を目指していく。ソーシャルゲームの海外戦略は国内ならばGREE、DeNA、Mixi。海外ではFacebookやMig33、Tencentといった各国のプラットフォームにあわせてタイトル供給を実施するそう。モバゲーUSAにもタイトル提供の作業が進んでおり、日本だけでなくカナダやシンガポール、中国の開発スタジオが総力を挙げて、強力なIP展開を行っていくとのことだ。

　今年度直近の数字についてはすでに発表済みだが、売上目標は350億円。現状、モバイルだけで73億円という実績を出している。営業利益ベースでは、50億円の目標に対して現状20億円。小林氏は「もちろん、ネットワーク事業を通じて大きく売上に貢献し、以上の数字を目指していきたい。パッケージゲームやオフラインイベント、ソーシャルゲーム事業の連携メリットを最大限利用し、ソーシャルゲーム事業での総会員目標は1,000万人」と明らかにした。そして、この数字を達成する具体的な計画として、今後投入していく新作タイトルの発表が、常務執行役員でネットワーク事業部副事業部長の藤重和博氏から行われた。

→ソーシャル＆オンラインで新作タイトルと最新情報を発表（2ページ目へ）

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