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2011年8月31日(水)

これまでと設計を変えた『龍が如く5』を開発中! 龍が如くスタジオ発表会レポート

文:電撃オンライン

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龍が如くスタジオ

 最後に、名越監督が『龍が如く5(仮)』について語った内容を掲載する。名越監督によれば、「『龍が如くOF THE END』はこれまでのゲーム設計で作った最後の作品”となり、『龍が如く5(仮)』はこれまでとゲームの設計を変えた作品になるという。まだ具体的な情報は出せないものの、新しい設計でおもしろいものが作れる、という見通しを得たため、タイトルの発表に踏み切ったそうだ。発表会後にその部分についての話を伺った。

――発表会を終えての感想をお願いします。

 こういう取り組みの発表をできたことはうれしいですし、枠組みを発表しただけでなく、新しいタイトルもあわせて発表できたのは、いい立ち上げになったと思います。けれどその結果についてはわかるのはこの後なので、今から大変だなという思いのほうが強いですね。

――龍が如くスタジオになってこれまでと一番変わったのはどこですか?

 セガをやめたわけではないですから、職場自体は全然変わりませんし、そういった意味での変化はないですね。少し昔の話をすると、セガという会社は、業界の中では割と先駆けてクリエイターを前に出した会社だと思います。それは、「作り手の顔が見えないのはおかしいんじゃないか」という考えがあったので。

 業界に元気がない今、単純に枠組みを作ってクリエイターを前に出すのではなく、そのことに恥じない、時代にあったタイトルを出すため、改めて気合いを入れなおしたという風にとらえてもらうのがいいかもしれません。

――時代に合ったタイトルということですが、今後挑戦してみたいジャンルはありますか?

 それだけで言ったら、ありすぎますね(笑)。クリエイターとしてやりたくても、今の世の中で求められているものを考えると、そのすべてがマッチするわけではないですし。ただ僕は割と、他の人でもやれそうなことではなく、そうでないものをやりたい。クリエイターとしての存在理由と、マーケットへのマッチングの兼ね合いになりますが、その兼ね合いの中でオリジナリティが生まれるかなとも思います。

 (ゲームを出す・作る)手段として、今はモバイル、ソーシャルゲームなどといろいろありますし、そういう手段の中で、こういうスタジオが発信できる遊びはまだまだたくさんあると思います。それは若い世代の中からも上がって来ています。なので、決して“大作”と呼ばれるジャンルを作るためだけに、スタジオを発足したわけではないです。

龍が如くスタジオ

――それでも気になってしまう『龍が如く5(仮)』についてですが、コンセプトのようなものはありますか?

 コンセプトのようなものですか……「(ゲームの)設計が違う」とは言いましたけど、やはり技術的な面、遊びのスタイルについては新鮮なものを追求していかないといけないし、現時点ではそこが見えたという状態です。新しいと言っても、ドラマ自体の大きなコンセプトは、これまでのシリーズから大きくひっくり返ることはありません。遊びの部分として、革新的なものを目指すと考えてください。

――では遊びの部分はまったく変わることになるのでしょうか?

 まったくと言っても、アクションがなくなることはないですし、ドラマシーンがなくなることもないです。ただ、今まで楽しいと思って遊んでくださった方々に、また買ってもらえるようにという点では、これまでのユーザーさんを大事にしますし、その上で新規のユーザーさんも買ってもらえるようなゲームを作るということですね。それは毎回考えていることではありますが。

――『龍が如く5(仮)』の情報が東京ゲームショウ2011で出ることはありますか?

 どうなんですかね(笑)。ちょっと『5』の内容については、本当に言えることがないものですみません。『5』を開発しているという発表については、ちょっと時期早々な部分はあったかと思いますが、かといってスタジオ発足にあわせて慌てて発表したわけでもないです。「ここまでは作れるんだ」というのは、自分らで見えた上での発表です。(内容を)出してみたら「なんだ、そんなに変わってないじゃないか」と言われることには、きっとならないとは思っています。

 ただ、今はちょっと待たさせてほしいなというのはあります。そのために設計を変えるわけですから。設計を変えないのなら、(待たせずに)『5』をできましたよ。けれど僕は、(ユーザーが)それを望んでないんじゃないかなと思いましたし。あえて言うなら、『龍が如くOF THE END』でいい意味で、クリエイターとしても遊ばせてもらったので、その恩返しとしても、設計を新たにして(ユーザーが)「これを待ってたんだ!」という作品にしたいですね。

(C)SEGA

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