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2011年9月3日(土)

『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベントレポ! 意識したのはあえて変えないこと

文:電撃オンライン

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 またイベント終了後に、メディア向けに囲み取材が行われた。上田さんと外山さんが本日のイベント、そしてお互いのことを語っているので、ぜひご覧いただきたい。(インタビュー中の名前は敬称略)

――最初に、本日のイベントの感想をお願いします。

上田:普段から話している外山さんと一緒だったからかもしれませんが、あまり緊張せず、思っていたよりも楽しいイベントでした(笑)。最初は本当に人が来るの? って思っていました。開発当時から、消費されずに長く愛されてほしいと考えていたので、今日のファンを見て、それがある程度成功したと思い、うれしかったです。

外山:盛り上げられるかどうか、緊張していたんですが、終わってみるともうちょっと話したかったこともあるくらいに、しゃべり足りませんでした。

――今回HD版をリリースするにあたり、内容を変えていないのは、手を加えずに出したいというポリシーからなのでしょうか?

上田:たとえば、巨像を増やすというアイデアはありました。しかし、オリジナル版が未完成と思われてしまうのは野暮だし、そして最優先するべきは『人喰いの大鷲トリコ』であるため、HD版にそこまで時間を掛けないということから、このような形でリリースしました。

『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベント

――互いの作品のいいところはどこでしょうか?

上田:ゲーム内容も好きですが、デザイン的に好みです。『SIREN』であれば、視界ジャックというアイデアがあり、そこからゲームを組み立てていった結果、難易度が上がってしまった。そこで、あえて難易度を下げずにゲームを作っていくところに、シンパシーを感じます。

外山:ゲームのルールの表現ではなく、肌で触れた時の気持ちの変化を掘り下げた作品になっているところが、他では見られず、希有(けう)な作り手だと思います。

――逆に違うところは?

外山:上田さんのキモの座り方がすごいです! 私は、チームのメンバーから意見が出ると、考えが揺らいでしまいます。でも上田さんは、揺るがないですね。

上田:でも、外山さんも以前はそうだったと思っていたのですが、違うのですか?

外山:コンセプトが維持される限りは、見た目や手法が変わってもかまわないタイプですね。

上田:そういう意味だと僕は、作っているものの隅々まで、手を行き渡らせたいという思いが強いかもしれませんね。以前よりは弱くなりましたけど。

――3D立体視ではどこを見てほしいですか?

上田:『ワンダと巨像』は2カ所あります。馬で草原を走っているシーンは、奥行きがあり、スピードを感じます。さらにアグロの飛ばす石ころも3Dで描写されるので、ここが1つ。もう1つは巨像戦です。見上げている状態での迫力を味わってほしいですね。『ICO』は高さのあるシーンが、3Dを効果的に使えていると思います。

――本日はありがとうございました。

『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベント
▲名作『ICO』と『ワンダと巨像』がPS3でよみがえる。9月22日に発売される両タイトルは、グラフィックの1080pフルHD化、7.1chサラウンドと3D立体視への対応の他、PS3のトロフィー機能にも対応している。
『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベント 『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベント
▲『ICO/ワンダと巨像 Limited Box』も同日に発売される。価格は6,980円(税込)で、それぞれのソフト、ダイナミックカスタムテーマやXMB用アバターデータをダウンロードできるプロダクトコード、100ページの冊子が付く。
『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベント 『ICO』『ワンダと巨像』プレミアムイベント
▲別室には、上田さんの描いた絵コンテが展示されていた。撮影は禁止だったが、貴重な資料ということで、ファンは熱心に見ていた。

(C)2001-2011 Sony Computer Entertainment Inc.
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