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2011年9月17日(土)

時間以外のテーマで『STEINS;GATE』を超えられるか?――『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』ステージイベントレポート

文:ごえモン

『ROBOTICS;NOTES』

 東京ゲームショウ2011の一般公開日初日となる本日9月17日、セガブースでMAGES.のゲームブランド・5pb.から発売されるPS3/Xbox 360用AVG『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』のステージイベントが開催された。

 ステージには、MAGES.の代表取締役社長・志倉千代丸氏や、瀬乃宮あき穂役の南條愛乃さん、大徳惇和役の徳井青空さん、日高昴役の細谷佳正さんが登壇。本作の魅力などについてトークが行われた。

『ROBOTICS;NOTES』

 まずは“拡張現実AVGの意味と本作の物語およびテーマ”について。志倉氏は、拡張とは現代科学を拡張するという意味、そしてAR(拡張現実)技術の2つの意味があると改めて説明。ARについては『CHAOS;HEAD(カオスヘッド)』の予約特典についていた下着パッチや、『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』のコスプレパッチのようなものを、ゲームの物語自体に盛り込んでいると語る。

 わかりやすいように、実際にAR技術を使用したゲームのワンシーンがスクリーンに流れる。映像では、登場キャラの1人・あき穂の3D立ち絵に、主人公がポケコンと呼ばれる端末を向けると、制服姿だったあき穂の姿がポケコン越しに見える部分のみ、メイクイーン+ニャン2の制服姿に見えるようになる。そして、AR機能を使っていることがあき穂にバレて、ポケコンを払いのけられる――というシーンが描かれた。このような要素を盛り込んだことについて志倉氏は、「AVGをゲームとアニメの、ちょうど中間ぐらいの位置付けにしたい」と語った。

『ROBOTICS;NOTES』 『ROBOTICS;NOTES』

 このAR機能は、ポケコン内にインストールされている“居ル夫”というアプリによるもの。この他にもTwitterアプリがあり、キャラの誰かのツイートに対して、リツイートするかしないかによって事件が大きくなったり、恐怖が伝播してしまったりするという。

 司会者からの「『STEINS;GATE』を超えられるかどうか?」という質問に対して志倉氏は、いくつかのイベントでも発言しているように「ムリです」と即答。この発言については冗談だが、『STEINS;GATE』について「時間というのは、もっとも切ないテーマの1つ。これは超えられない壁です」とコメント。続けて「それ以上の物語を、時間以外のテーマで描けるのか」と『STEINS;GATE』以上の物語を作り出す難しさについて考えを述べた。

『ROBOTICS;NOTES』

 続いては、本作の“世界を救うのはヒーローじゃない―オタクだ。”というキャッチコピーについて、トークが行われる。志倉氏は、このコピーの意味がわかるかどうかをキャスト陣に質問。「『ミルキィホームズ』的なのを1つ」と話をふられた徳井さんは、「ヒーローよりもオタクが強いから?」と自信なさげに回答。それに対して志倉氏は、ヒーローのほうが強いと一蹴。一方の細谷さんは「アインシュタインは物理学のオタクだった。そういうことですよね?」と鋭い意見を述べた。

 細谷さんの考えは正解だったようで、「前回は主人公が中2病だったから世界が救われたわけではありません。でも、今回はオタクが世界を救います!」と志倉氏。さらに「つまりお前らが世界を救うんだよ!」とファンに言葉を投げかけ、会場を盛り上げた。

『ROBOTICS;NOTES』

 続いてのテーマは、自身が演じるキャラに対してのイメージについて。実はまだ収録が終わっていないのだが、キャスト陣は聞いた限りの設定を頼りにイメージを語っていく。

 まず細谷さんは昴について、クールで得意分野がいくつかあるキャラだが、女の子が苦手、というギャップによっておもしろくできるのではないかと予想。志倉氏によると、細谷さんのイメージはおおむね正しいようで「ダルを超える濃いキャラにしてください」と演技についての要望を語った。

『ROBOTICS;NOTES』

 惇和について徳井さんは、前向きで一生懸命だからこそ、ヘコんだ時に大きなダメージを受けてしまうような娘、というイメージだとコメント。これには「65点!」と志倉氏。惇和は胴着を着ているのだが、実はそんなに強くはなく、そこに葛藤があるのだという。

 南條さんのさき穂のイメージは、真面目でまっすぐな性格ゆえ、知らず知らず周りに迷惑をかけてしまうキャラクター。でも、そのまっすぐさがあるから、みんなが協力したいと自然に思える。そして、過去のトラウマなどにより、この性格が形成されたのではないかと予想。これには「85点! でも言いすぎ!」と志倉氏が止めに入ってしまった。

『ROBOTICS;NOTES』 『ROBOTICS;NOTES』
『ROBOTICS;NOTES』 『ROBOTICS;NOTES』

 この他にも、二足歩行ロボットについての志倉氏の考えが語られた。巨大な二足歩行ロボットが開発されないことに対して志倉氏は、“地球の重力”と“動力”の2点が問題で難しいと語る。たとえば動力に電力を使った場合、巨大ロボットを十分に動かそうとするとランドセルのような動力発生源がどんどん大きくなってしまう。それだと意味がないので『ROBOTICS;NOTES』では、「ワイヤレス電源を使おうか?」という話になるとのこと。

『ROBOTICS;NOTES』

 志倉氏は、本作について「本でも紙芝居でもいいんです」とコメント。ただし、それだと膨大な量になってしまうので、ファンと共有しやすいようにゲームにしているのだという。また、テキストがつまならなければ物語に入り込めない。泣いたり、感動したりということを共有し、ファンと語り合いたいとも語っていた。

 最後に2つの発表があった。1つは、10月28日~30日にかけてラジオ会館と『STEINS;GATE』のコラボ企画が行われることについて。志倉氏は、「世界線が変わるほど大きなイベントになると思います。妄想しながら、楽しみにしていてください。きっと、その妄想は当たっていると思います」とコメントした。

 2つ目は、本作のラジオ番組が“響 -HiBiKi Radio Station-”で配信されることについて。また、10月8日から文化放送とニコニコ生放送で放送されるラジオ番組『電人☆GA部ぅ~(でんじんがぶぅ~)』には、本作のミニコーナーが用意されていることも紹介された。

『ROBOTICS;NOTES』 『ROBOTICS;NOTES』

(C)MAGES./5pb./Nitroplus

■東京ゲームショウ2011 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2011年9月15日~16日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2011年9月17日~18日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込) ※小学生以下は無料

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