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2011年10月1日(土)

【電撃PlayStation】ジャパニーズ・ダークヒーロー見参!! 『NINJA GAIDEN 3』早矢仕プロデューサーインタビュー&試遊レポート

文:電撃PlayStation

 先日行われた東京ゲームショウ2011にてプレイアブル出展され、そのできばえを多くのユーザーに印象づけたACT『NINJA GAIDEN 3』。このタイミングでは、人を斬るたびにリュウ・ハヤブサが受ける“報い”といったテーマ部分や、アクションが苦手な人向けの『HERO』というプレイスタイルの搭載、といった新情報もあわせて公開された。

 タイトル試遊には常時数十分待ちを要し、注目度も上々。そして取材対応に追われ、ブース内に張り付きっぱなしだったのが、開発チーム『Team NINJA』の本作プロデューサーである早矢仕洋介氏だ。電プレでも忙しいさなかの早矢仕氏をキャッチ。ユーザーの反応について、ゲームについて、さまざまな質問をぶつけてみた。

『NINJA GAIDEN 3』
▲ペンダントは『忍者龍剣伝』のリュウ・ハヤブサ。新旧のリュウとともに、TGS期間中、精力的に取材をこなした早矢仕氏。

――ブース内でプレイされている、みなさんの反応を見ていかがでしょうか?

早矢仕洋介氏(以下、敬称略):今は動画配信サイトを見てプレイしたような気分を味わっている方も多いと思いますが、やはりアクションゲームは触ってはじめて感じることができるという部分があります。ですから今日のように、プレイヤーが実際にゲームに触っている姿を見るのはうれしいですね。

――難易度『NORMAL』でプレイさせていただきましたが、かなり遊びやすく、先へ先へと引き込まれました。

早矢仕:『3』で目指したことの1つは、「苦手な方でもプレイできるサポート機能がある」ということなんです。最も遊びやすいプレイスタイルの『HERO』でも、決して敵が手を抜いているわけではありません。プレイスタイル『NINJA』の『NORMAL』と同じくらい本気で攻撃してきますが、プレイヤーをサポートする機能をつけることでカッコよく遊んでもらおうという狙いがあります。

 これまでのシリーズですと難易度が高くて、最後までたどり着けなかった方もいたのですが、そこであきらめてしまった人も、今回は楽しみながら最後まで行けるように作り込んでいます。

――難易度を『EASY』や『VERY EASY』という名称ではなく、『HERO』にした理由はなんですか?

早矢仕:私もゲームを楽しむのですが、『EASY』とか『VERY EASY』という名称で遊ぶと、若干、屈辱感があるんです(笑)。そこがイヤだなと思っていました。それは単なる難易度という尺度ではなく、プレイヤーみなさんそれぞれ、ゲームに対する付き合い方が違うだろうと考えたんです。

 時間がないときってサクサク遊びたい。時間があれば、「よし! 今日はなんとしてもクリアしてやる」って向き合える。ゲームというのは付き合い方によって、多様性が生まれる娯楽なんです。ですから当然“遊び方”、つまり“プレイスタイル”も人によって違います。

 プレイヤー自身が『NINJA』になってゲームへチャレンジしてほしいというのが、これまでの『NINJA GAIDEN』のスタイルでした。でも今回は、もちろんそういったスタイルは実現しつつ、苦手だけどカッコよく遊びたい、『HERO』になりたいといった願望も実現したい。それをそれぞれのプレイスタイルとして名前にしたんです。

――プレイ中では、ストーリーを感じられる演出もありました。これらの要素で、よりゲームに没頭できそうですね。

早矢仕:1面、2面とステージが区切られていて、クリアするとリザルト画面になるのが今までの『NINJA GAIDEN』でした。でも、最初から最後まで通して遊べる、つなぎ目を意識しないアクションゲームがあってもよいのではないかと。

 ちなみにE3で発表したステージも今回と同じで、最初となるロンドンです。それは、先ほどお伝えしたとおり、全体を大きな流れとして制作しているので、最初を飛ばして途中を触っていただいても、こちらの伝えたいことが伝わらないんです。最初から最後まで通して遊んでもらうことに意味があるゲームにしたいと思っています。

 たとえ難しい難易度でゲームを始めて詰まってしまっても、プレイ中に難易度を変えられますので、ぜひ最後まで遊んでいただきたいと思います。

――刀を体へ食い込ませたときに“重み”を感じました。剣戟における重量感というものは、意識されましたか?

早矢仕:実際に人を斬ったとすれば、確実にその体の中を刀が通過しているときに「抵抗」があるはず。人を斬る“感触”というものが、必ずあるはずなんです。

 でも、それを実現したゲームは今までありませんでした。ですから本作は、刀を振って、刀が人体を通ったときの抵抗、もっというと斬った相手の骨や体温、苦しむ表情を感じてもらいたいなと考えたのです。コントローラを通じてその刀が体の中を通る“重さ”を感じ取ってもらえたなら、我々の狙いどおりですね。“人を斬っている”と、主人公のリュウをとおしてプレイヤーにも感じてもらいたいんです。

――今回はアクション中のカメラがリュウに寄っていて、迫力があるのと同時にものすごくかっこいいです。カメラワークでこだわった部分はどこですか?

早矢仕:リュウの足元が見えなくなるまでカメラが寄ることはタブーとして今までの『NINJA GAIDEN』でもほとんど採用していませんでした。

 ただ本作では、“刀が人の体の中を通過しているさま”を見せることが何よりも重要でしたから、そういったタブーを取り払いました。カメラのスタッフと「とにかくカメラを寄せて刀をもっとアップで見せてくれ」と調整しました。刀が刺さっているところさえ見えればいいんだと。でも、カメラが寄って他の敵が見えなくなり、余計な攻撃を受けてしまうことはないようにキチンとケアしていますので、安心してください。

――新アクションのスライディングも、かなり気持ちよかったです。

早矢仕:これまで同じコマンドで出ていたアクションは、あくまで単なる回避行動だったのですが、今回スライディングにすることで、攻防一体のものになりました。アクションの幅にも寄与していて、攻撃中にスライディングを当てると、その敵が浮くことがあるんです。そこからさらに追撃できるので、攻撃の起点にもなります。そのほかにも、シリーズファンが楽しんでもらえる分岐も用意しています。

――シンプルに攻撃のボタンを押していくだけでも、迫力ある連続攻撃が可能になっていましたね。

早矢仕:今回は、リュウの腕が光ると必殺技である『絶技』を発動できるようになっています。しかも、連続攻撃の途中でキャンセルして発動できるようになりましたので、バトルのスピード感はさらにあがっていると思いますよ。

インタビュー後半ではゲームのコンセプトを語る!→

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