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2011年10月25日(火)

【電撃PlayStation】発売まであと2日! 『ファイナルファンタジー零式』クリエイターへのロングインタビューをお届け!!

文:電撃PlayStation

■ジャックは“示現流”の使い手をイメージ! そしてまさかのデュース最強説!!

――サイスは女性キャラのなかでも異彩を放ちますね。

大江:武器の見た目からダークヒロインは間違いなく彼女でした。敵をザクザクと切り刻み、その無念や恨みを自身の力とする、おおよそ正統派ヒロインとは呼ぶには程遠い人です(笑)。

湯地:サイスは攻撃速度がやや遅めですが、そのぶん範囲が広く当てやすいです。さらに怨念を吸収していくと攻撃力がどんどん上がっていきます。怨念の量に比例して鎌が赤く光っていき、最大になると血のように滴ったりもしますね。あと怨念を吸収するとアクションアビリティの効果も強くなるんです。

――大鎌を振り回す動きは豪快で迫力があります。

大江:キルサイトを攻撃する姿が一番似合うのもサイスかもしれません。武器の大鎌はあえて重量感を感じさせないように気をつかい、軽々しく使いこなすモーションにしています。

――ちなみにサイスのファントマ回収時のモーションは田畑さんのお気に入りだとか。

大江:片脚を上げて太ももを強調するあれですね(笑)。鎌のシルエットと並べて、彼女のキレイな身体のラインが強調されるポーズの方がより引き立つと思いました。サイスに限らず、どのキャラもファントマ回収時のモーションは個性的なので、ぜひ見てください。

――キングは『ナツビ』のなかでもかなり使いやすいキャラだと感じました。

湯地:それはよかったです。でも開発内部としては、キングはかなり手こずったキャラなんですよ。

大江:最初は銃使いだからカンタンかな、と甘く見ていましたね。おそらく0組のなかでも2番目に苦労したキャラだと思います。

湯地:はじめは小口径の軽く撃てる銃を2丁持ったイメージで作っていたのですが、それだと個性が弱いということで、デザートイーグル(反動が大きいマグナム銃)のような大口径2丁というイメージになりました。1発が重い弾をズドンズドンと撃つ感じですね。武器攻撃は遠距離まで届きますが、近距離のほうが威力は上がります。

大江:個性づけの部分では、男から見てカッコよいと思える雰囲気を目指しました。大口径の銃の両手持ちなんて現実には機能面での障害が大きそうですが、それはキングなりの美学とこだわりがあります。大口径ならではの反動を筋力で強引にねじ伏せながら連射するさまに彼の男気を感じてほしいです。

――遠距離から攻撃できるというのは大きなメリットですよね。

湯地:そのほかにもキングは性能が高めで、ほとんど弱点のないオールマイティなキャラです。強力な銃を使っているので攻撃力は高いし、ガタイがいいから体力もある。動きも悪くないので基本は完璧超人ですが、バランスをとる意味で弾数制限と天候という弱点をつけました。キングを操作するときは、リロードのスキや周りの環境を考えながら攻撃する必要がありますね。

『ファイナルファンタジー 零式』 『ファイナルファンタジー 零式』
キング(CV:杉田智和)エイト(CV:入野自由)

――拳銃を扱うキングに対し、エイトは格闘術で挑みますね。

湯地:エイトは私のお気に入りキャラですね。格闘ゲームが好きなので、そのこだわりをたっぷり入れてあります。基本は通常攻撃ボタン押しっぱなしでも戦えるキャラですが、アナログパッドの入力を生かすとさらに技のバリエーションが増えますね。キャンセル技や無限コンボもありますし、タイミングよく入力することで繰り出せるマニアックな技もあります。エイトは小柄なので攻撃力や防御力が低く見られがちですが、全体と比較しても見劣りしないので、誰が使っても活躍すると思います。

大江:エイトは、銃弾飛び交う戦場で至近距離で敵に張り付き、攻撃をすんでのところで避け、キルサイト1発でしとめるという紙一重のインファイトを目指しました。

――逆にジャックは抜刀時の移動がかなり遅くて驚きました。

大江:ジャックは『ナツビ』に入っていなかったので、実際にプレイするとみなさんビックリするかと思います。開発スタッフの間でも「移動が遅すぎてストレスになる!」と反発も出ましたが、これが彼の個性なんだと押し通させてもらいました。戦闘スタイルは薩摩の示現流をイメージしていて、「二の太刀要らず」と言われるように一撃に賭け渾身の力で振り抜きます。ジリジリと距離を詰め、間合いに捉えたその瞬間にはすでに斬ったあと、という想像で作りました。

湯地:ゲームで一般的な刀使いの常識をいろいろはずしていますよね。でもそれがインパクトある個性なので、ジャックは当初からこのままの設定でした。ほかのキャラは性能が二転三転しているなかで、ジャックはほとんど変更していません。

――セブンについてはどうですか?

大江:自分はほとんど動かずに手先だけで敵をもてあそぶ女王様然としたキャラにしたかったんです。ただそのイメージを追求しすぎると攻撃範囲が広くて強いんだけど、遊んでみるとイマイチ単調というジレンマに陥りました。

湯地:セブンは攻撃中にその場を動かないという特徴があって、攻撃はよく届くけど敵のマトにもなりやすいという弱点があります。そのぶん回避が使いやすいので、うまく敵との間合いを調節しながら攻撃するのがカギですね。遠くまで届く鞭攻撃と、発生が早くて威力の高い剣攻撃を使い分けるとセブンを操作するのが楽しくなりますよ。

大江:戦闘に集中できるようにスパッツを履き大胆に動きます。媚びないようにして同性からも慕われるカッコいいキャラに仕上げました。

『ファイナルファンタジー 零式』 『ファイナルファンタジー 零式』
ジャック(CV:鈴村健一)セブン(CV:青木まゆこ)

――デュースは笛で攻撃するという設定が衝撃的でした。

大江:制作サイドとしても驚きでしたよ。「笛でいったいどうやって戦うのか?」って。安易に♪マークの音色とかを使って戦うというのは絶対反対でしたし。シリアスな戦場の世界観を壊すくらいなら、笛で直接攻撃したほうがまだマシだと思いました。……ということを言ったら、湯地から大ブーイングを食らいました(笑)。

湯地:私は学生時代に吹奏楽部にいたので、「楽器で殴るなんてありえない!」って猛抗議(笑)。最終的には、音の塊を相手にぶつけて攻撃するという形に落ち着きました。

――演奏によって味方を支援するというのもデュースならではですね。

湯地:最初は支援特化のキャラだったのですが、本気の命の取り合いというコンセプトに合うよう、いろいろと調整を加えました。1人でも十分戦えるし、味方の援護もできるという性能ですね。通常、味方はプレイヤーと異なる対象を攻撃するようAIが組まれているのですが、デュースの演奏時はロックオンした相手を味方が攻撃します。それを利用して、難しいミッションでは魔導院からの強力な支援キャラをデュースで操って、敵を倒すという戦法がありますね。

大江:血生臭い戦場で、1人だけお花畑の別世界にいるような優雅さを目指しました。その形が自分は戦わずに味方を操って戦わせることです(苦笑)。

――操作するときは支援に専念したほうがいいキャラなのでしょうか?

湯地:いや、じつはデュースの通常攻撃は最強クラスの性能なんですよ。音塊は無属性なので、魔導アーマーやプリンのような武器攻撃が効きにくい相手ともわたりあえますし、威力もかなり高いです。しかもデュースの周りを浮遊する音塊が敵を自動で攻撃するので、音塊をまといつつ敵に近づくだけでもガンガンHPを削れます。少し行き過ぎなくらいの攻撃性能ですが、代わりにHPや防御力が低いので、やられやすいですね。

――攻撃力の高さでいえばシンクも見逃せないですね。

大江:シンクは性能的にジャックとかぶりそうだったので、どう差別化するかが大切でした。でも、方向性が決まってからは、ジャックと同じくらいすんなり作業が進んだキャラですね。

湯地:シンクは攻撃速度が遅いので、キルサイトは狙いづらいキャラです。でももともとの破壊力がケタ違いなので、むしろキルサイトを狙わずにコンボを当てて倒すのが気持ちのよいキャラですね。

――うまく使いこなすコツはありますか?

湯地:味方に『ケアル』を装備させて、自分はひたすら特攻するのがお手軽ですね。シンクはコンボ中に攻撃を食らっても中断しないので、回復は味方にまかせて強引に攻撃を当てることです。はっきりいってゴリ押しですが、この戦法はシンクらしくておもしろいです。

大江:出が早いアビリティも用意したのでキルサイトも狙えますが、やっぱり彼女らしいパワーファイトで蹴散らしてほしいです。

湯地:攻撃してHPを吸収する技もあるので、ソロプレイでも対応可能です。ほかのキャラは相手の動きを待ってキルサイトを狙う戦法が主流ですが、シンクにいたっては根本から動きを切り替えたほうがいいですね。

『ファイナルファンタジー 零式』 『ファイナルファンタジー 零式』
デュース(CV:花澤香菜)シンク(CV:豊崎愛生)

3ページ目では、バトルの見どころが語られる!→

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CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA

データ

▼『電撃PlayStation Vol.505』
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