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2011年10月27日(木)

『EVE Online』開発CCPのクリエイティブディレクター、Torfi氏へのメールインタビューを掲載

文:電撃PCゲーム

『EVE Online』
▲ネクソン運用部 左留間正之氏(左)とCCP クリエイティブディレクター Torfi氏(右)

 CCPが開発を手がけるPC用オンラインゲーム『EVE Online』は、2003年から主に北米、ヨーロッパ市場でサービス展開を行い、高い評価を受けているPC用MMORPGだ。

 プレイ環境が英語やロシア語、ドイツ語などに限定されていたため、なかなか日本では認知度が上がらなかったが2007年ごろにUIの日本語化や、日本国内でのパブリッシャー探しに積極的な姿勢を見せ、2011年7月にネクソンとのチャネリング契約を発表。10月16日には日本のファン向けに、プレイヤーカンファレンスが開催されたばかりだ。

 このカンファレンスに合わせて、CCPのクリエイティブディレクター・Torfi氏も来日しており、電撃オンラインではTorfi氏へのメールインタビューを行った。主に現役プレイヤーが気にしている点をピックアップした質問になっているので、ぜひ目を通してほしい。

――最初の質問ですが、『EVE Online』の日本市場におけるメインターゲットを教えてください。

 純粋にコアにゲームをする方だけではなく、普段はゲームをあまりしないけれども、EVEの世界観のファンになりそうな、SFや宇宙に興味がある方にも訴求したいと思っています。

――すでに英語クライアントでプレイしている現在のユーザーは、アカウントやキャラクターデータをそのまま日本語版に引き継げますか?

 アカウントはそのまま使用可能です。ただし、ネクソンポイントを利用する時は、ネクソンIDの取得が必要になります。

――ローカライズの際、NPCやアイテム、マップなど固有名詞は英語のまま表示にしたい、という声がプレイヤーカンファレンスでは多く聞かれましたが、いかがですか。

 アイテム名などを英語に残したままにできるものと、すべて日本語に訳したもの、両方表示できるような機能を考えています。

――日本サービス開始にあたり、特典付きパッケージなどの販売は行われる予定はありますか。

 クライアントは無料ダウンロード方式になり、パッケージ販売の予定はありません。また、日本のプレイヤーの皆さんは、すべてのエクスパンションが導入されているバージョンから開始できます。『EVE Online』は“Tranquility”と呼ばれる1つのサーバで稼動しているため、アップデートなどが行われた際は、全世界のプレイヤーが同時に新しいコンテンツを体験できます。

――過去に一度、チュートリアルやUIの日本語化が実装されたがリセットされるなど、日本語版サービスの実現は相当困難だったことがうかがえます。それでもクライアントの日本語化、日本オンラインゲーム市場への参入にこだわり続けた理由をぜひ教えてください。

 弊社は依然から、日本のゲーム市場に対する深い興味と、参入に向けての熱い思いを持っていました。インフラの状況、オンラインゲーム人口、生活水準の高さなどを考えると、日本はMMOのマーケットとして非常に重要で、私たちは何年も前からターゲットにしていました。

 さらにグローバルに考えても、日本のゲーム文化はやっぱり最もダイナミックな環境の1つであると言えます。そうしたマーケット、文化、環境を見学・観察したいし、またそれに積極的に参加したいです。最後に、以前から数があまり多くないとはいえ、活発的な日本人のコミュニティができていた、という点も大きなポイントです。

――従来通りのメンテナンス時間ですと、日本の19:00~20:00ごろのゴールデンタイムに当たります。サーバの定期メンテナンスは日本時間にあわせて変更されますか?

 まず、将来的にはメンテナンス時間を15分間までに短縮したいと考えています。またメンテナンス終了直後にログインすると、ゲーム内のコンテンツ(資源など)が復元されたりしますので、有利に働くこともあります。

 最新のパッチや拡張がある場合は、日本プレイヤーが最も早くコンテンツにアクセスできることになり、ゴールデンタイムのメンテナンスがあることにいい点もあります。

『EVE Online』 『EVE Online』

――課金アイテムやサービスの導入など、どのような内容の有料コンテンツを実装される予定でしょう。

 『EVE Online』は定額制のゲームとしてスタートしましたが、今年の6月に我々はNoble Exchange(NeX)というサービスをスタートしました。これは『EVE Online』のバーチャルグッズストアで、主に外見に関する衣服などのアイテムを販売するものです。素敵なキャラクタークリエイターとアバターシステムの開発に多くの時間と努力を費やしてきたので、幅広いカスタマイズと自由をプレイヤー達に提供したいと思います。アイテム販売に関しては、外見上のアイテムの追加に焦点を合わせています。

――『EVE Online』と言えば経済学者をスーパーバイザーに迎え、既存のPC用オンラインゲームにはないゲーム内経済・流通システムの構築が大きな話題となりました。その特徴、独自性、魅力などを解説していただけないでしょうか。

 本作でプレイヤーは、商人や傭兵、企業家や海賊、宇宙の鉱山技師、艦隊の司令官にもなれる、さまざまな職業の組み合わせが存在しています。ツールやインターフェースを使用し、資源や加工品の仲介ビジネスからコーポレーション(ギルド)間の戦争まで、『EVE Online』で独自の運命を築くことが可能です。

 200以上の国と地域から、数十万人のプレイヤーが制限のない1つの仮想世界の中で活躍し、プレイヤー自らが生み出す経済活動は相互作用をもたらし、広大な宇宙空間という大局をも左右でき、さらにこの活動には誰でも自由に参加可能なのです。ダイナミックなプレイヤーコミュニティーと自由度の高さは『EVE Online』の魅力点として挙げられます。

――英語が堪能なプレイヤーが、日本語クライアントでのプレイや、日本語による運営サポートは必要ないという場合は、ネクソンIDを取得せずに今まで通り『EVE Online』を遊ぶことはできますか? それとも日本国内から接続すると、自動的にネクソン経由でのプレイとなり、ネクソンID取得およびネクソンポイントでの料金支払いが必須となるのでしょうか?

 日本語については、先述の通り“日本語クライアント”の使用ではなく、既存のクライアントに日本語選択機能がつきます。そのため、今後も英語でプレイを続けていきたいというお客様は変わらず英語でのご利用が可能です。

 しかし、ネクソンの課金や決済、および課金に関するカスタマサポートを受けていただくために、日本から接続するすべてのプレイヤーは2012年4月1日以降、NEXON IDの追加登録をしていただく必要があります。

『EVE Online』 『EVE Online』 『EVE Online』

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 この記事が公開される前日、日本時間の10月26日4:00ごろに、CCPより日本の『EVE Online』プレイヤーに向けて1通のメールが配信された。日本サービス展開についての問い合わせのうち、最も頻繁に寄せられた“課金とアカウントについて”CCPより正式な回答がなされていたので、一部抜粋したものを掲載する。

●課金、アカウントとユーザーIDについて

 CCP、およびネクソンの両社が持つ長所を最大限に活かし、日本のプレイヤーの皆さんに最良のサービスを提供するために、2012年4月1日以降、ネクソンが日本地域のすべてのプレイヤーに対するEVE関連サービスの課金・決済を担当することになります。

 私たちは、現在EVEをプレイしていただいている皆さんにおかけするご不便を最小限にとどめるため、ここに、現在の日本地域のプレイヤーの『EVE Online』アカウント、およびキャラクターが、2012年4月1日以降もそのまま維持されることをお約束し、また、ゲームクライアントへのログインや、その他のEVE関連サービス(EVE Gateやアカウント管理サイトなど)へのアクセスも、従来どおりEVE ユーザーIDを用いて行えるようになることを保証いたします。

 ただし、ネクソンの課金・決済、および課金に関するカスタマサポートを受けていただくために、日本地域の全てのプレイヤーは2012年4月1日以降、追加で決済手続きを行う際にNEXON IDをご登録いただく必要がありますのでご了承ください。日本地域にお住まいの既存のEVEプレイヤーの皆さんにとっての変更点は、2012年4月1日以降、決済手続きを行う際に、ネクソンが提供する便利で安全な決済システムにログインして決済を行う手順が加わるということのみになります。この変更は、国籍を問わず日本に居住するすべてのプレイヤーに適用されます。

詳細については以下のリンクをご覧ください。
https://point.nexon.co.jp/main/guide/guide/what.asp

●言語オプションとサーバについて

 CCPは日本地域のプレイヤーが、日本語以外にも、英語、その他CCPが公式にサポートしているすべての言語でゲームをプレイするオプションを今後も持ち続けることをお約束いたします。

 『EVE Online』日本語化の文脈では、“日本語版・日本語クライアント”という言い方がよく登場します。これは日本語専用のサーバをご用意するということではなく、日本のプレイヤーも『EVE Online』の国際的なコミュニティの一員としてTranquilityサーバで引き続き遊んでいただけるようになるということもあわせてお伝えします。既存の英語、ロシア語、ドイツ語をサポートするゲームクライアントの言語オプションに、新たに日本語が追加され、日本地域のプレイヤーは日本語版の正式リリース後にこれらのすべての言語オプションをご自由に利用できるようになります。

 いつもEVE をプレイしていただきありがとうございます。常に進化し続ける『EVE Online』にどうぞご期待ください! よい宇宙の旅を!

CCP Games, Japan Team

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 今回の日本語化、およびネクソンを通じた日本語によるサポートサービスをきっかけに、初めて『EVE Online』に触れる日本人プレイヤーは増えていくだろう。ストラテジー要素も強い本作は、既存のMMORPGとは一味違うダイナミックさを持ち合わせている。富と栄光、あるいは心躍る大規模戦闘を求めてやってくる新人を、古参プレイヤーたちはぜひとも積極的に迎え入れてほしい。

“EVE”,“EVE Online”,“EVE Universe”,“CCP” and the CCP logo are trademarks or registered trademarks of CCP Hf.
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データ

▼『EVE Online』
■運営:CCP Games
■開発:CCP Games
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:未定
■プレイ料金:未定

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