2011年11月10日（木）

【ゲームレビュー】3DダンジョンRPGを挫折してしまった人にこそオススメしたい『迷宮クロスブラッドリローデッド』

　3DダンジョンRPGの制作に定評があるチームムラマサが贈る最新作『迷宮クロスブラッドリローデッド』。2010年12月に発売されたPC版『迷宮クロスブラッド』からのXbox 360移植版となり、ゲームバランスはそのままにインターフェースの改良や歌曲・ボイスの追加、イベントの追加などが行われています。

　本記事では、本作のゲーム内容をお伝えしていくほか、コンシューマに移植されるにあたってPC版からどう改良されているのかについてもお伝えいたします。また、同社制作のダンジョンRPGとしては2011年2月にXbox 360で発売された『円卓の生徒』（以下『円卓』）がありますが、記事の後半にて初心者向けと位置づけられている『円卓』と比べて、本作のプレイ感や難易度はどうなのかといった点に注目してご紹介いたします。

基本はガチの3DダンジョンRPG

　本作の基となった『迷宮クロスブラッド』は、同社が発売した3DダンジョンRPGシリーズ『ジェネレーションエクス』3部作の続編となる作品です。同シリーズはコアな3DダンジョンRPGファンが楽しめる内容を目指して制作されたもので、その歯ごたえのある難易度はファンから高い評価を得ています。『迷宮クロスブラッド』はそれに準ずる作品ということで難易度は十二分に高いと言えるでしょう。そのXbox 360版となる本作でも、ゲームバランスに関しては大きな調整はされておらず、歯ごたえのある難易度はそのまま残されています。

　本作の舞台は『ジェネレーションエクス』シリーズと同様に、異形と呼ばれるモンスターが現れるようになった近未来の東京です。プレイヤーはこの異形に対抗するために作られた秘密部隊・エクスに所属し、選ばれた10代の少年・少女のみが発動できる技能“コードライズ”を駆使して異形と戦っていきます。

　なぜ10代の彼らが戦わなければいけないのかというと、このコードライズという能力はある一定の年齢を超えると失われてしまうからです（“アガリ”という）。異形は通常の武器がほとんど通用しないので、このコードライズ能力を使ってさまざまなデータコードを具現化して装備し、戦う必要があります。だから10代の彼らが戦わなければいけないというわけですね。このような設定が作品内には数多く散りばめられており、ゲーム全体の雰囲気を作り出しています。


▲普段は学生らしい格好をしている主人公たちですが、ダンジョンに入る際にはコードライズを使って、さまざまな装備を身につけます。		▲世界を彩るさまざまな設定は司令部で“XTHペディア”という項目を選ぶことで読むことができます。

　また、物語を彩る主要な登場人物（NPC）については、イベントシーンや通常シーンでの会話に声が当てられています。シリーズをプレイしている人にはそれぞれのキャラクターの声が頭の中にはイメージとしてあると思いますが、個人的にはそれぞれ違和感のない声でまとまっているのではないかと思います。


▲NPCに声がついたことで、より華やかになった印象です。セリフそのものをしゃべるシーンのほか、相槌といった程度でしゃべるシーンもあります。


▲Xbox 360版で追加されたシーンにはこんなものまで！　実にけしからんですね。

　ゲーム本編は、司令部で受けられる任務（クエスト）をこなしていくことでストーリーが進んでいきます。任務によっては行動できる範囲が広がり、さらに強敵が待ち受けているというわけです。ただし、現時点でたどり着ける場所であっても敵のレベルがはるかに高い場合もあります。そういう場合ではきちんと警告が入るようになっているので安心です。


▲罠としては定番ともいえる“ロッカー開け”ではメッセージが追加され、より危険な臭いが漂うようになりました。ロッカーは最初のダンジョンから設置されており、到達レベルではとてもかなわないような敵が出現します。ダンジョンを踏破して自信にあふれるエクス隊員たちを容赦なく葬りさることでしょう。