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2011年11月15日(火)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.10:メモリアル座談会(5) 2001~11年編】『ブランディッシュ5』や『ツヴァイIII』の実現を願って

文:電撃オンライン

 日本ファルコムの30周年を記念する特別企画の最終回。最後の座談会は2001年から現在に至るまでの約10年間の歴史についてプレイバック。『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(11月8日発売)の制作スタッフが、自分たちが作った記念本を見ながら日本ファルコムの30年の歴史を振り返ります!

▲大ヒット作となったPC版『空の軌跡』の発売直前の広告より。これを見て予約した人も多いのでは?

■座談会参加メンバー

そみん
 記念本の主要制作メンバー。ぜひ再開してほしいシリーズは『ツヴァイ』で、とにかく『ツヴァイIII』を待望している35歳男性。

編集Y
 レトロPC好きの編集者。記念本の制作にはかかわっていないが、日本ファルコムの歴史を知る生き字引きとして座談会に参加。そろそろ『ロードモナーク』シリーズの新作を遊びたいと期待している43歳男性。

おぬ
 主に『イース』シリーズの記事を担当した記念本の制作メンバー。もし現代の技術で『スタートレーダー』がリメイクされたらおもしろそうだと考える30歳男性。


■名作が連発された2000年代前半のPCゲーム円熟期

そみん 30周年記念特集のラストを飾る今回のメモリアル座談会は、2001年から現在までの日本ファルコムの歴史について見ていきます。2001年と聞くとつい最近のような気がしますが、それでも10年以上昔であることに驚きです。

おぬ 2001年というと、僕ももう大学生。大学時代からゲーム雑誌でライターを始めていたので、あっという間の10年だった気がしますね。

編集Y 社会人ならではの感覚というか、仕事をし始めると時間が経つのが早くなる気がするからな(笑)。さて、まずは2000年代前半の歴史を見ていくか。主な新作として、2001年12月に『ツヴァイ!!』、2002年6月に『VM JAPAN』、同年12月に『ダイナソアリザレクション』、2003年3月に『月影のデスティニー』、同年6月に『アークトゥルス』、同年9月に『イースVI』が発売されている。どれもWindows PC用だな。

▲3Dとなって、プレイ感覚が大きく変わった『イースVI』。このシステムは『イース フェルガナの誓い』と『イース・オリジン』へと受け継がれ、進化していった。

そみん 全部リアルタイムで遊びました(笑)。

編集Y この時期の日本ファルコムはリメイクが多くて、『月影のデスティニー』や『アークトゥルス』のように海外のRPGのローカライズも行っていたんだよね。往年のファンとしては完全新作が少なくて、やきもきしていた時期だったんだが、2003年に発売された『イースVI』が大きく流れを変えた気がする。

おぬ 1995年にSFCで発売された『イースV』から、約8年ぶりのシリーズ最新作だったんですよね。

編集Y 初回版の特典としてPCで遊べる『イースI~V』が同梱されるという太っ腹さもあって、即完売に近い形で大ヒットした。もちろん、ゲーム的にも大きく進化していて、「やっぱり日本ファルコムのゲームはおもしろい!」という再認識につながった。『イースVI』はそれぐらい存在感が強い作品だったと思う。

おぬ その翌年である2004年には、いよいよ『英雄伝説VI 空の軌跡』が発売となっています。当時のファンとしては、いかがでしたか?

そみん 1999年に発売された『英雄伝説V 海の檻歌』から約5年ぶりとなる『英雄伝説』シリーズ最新作ですからね! 『イースVI』の大ヒットで日本ファルコムへの注目が高まっている時期でもあり、『空の軌跡』も当然のように大ヒットしました。

編集Y 1作では完結せず、のちに『空の軌跡FC(First Chapter)』へと改題されたわけだけど、続編となる『SC(Second Chapter)』が発表されるまでどれだけやきもきしたことか(笑)。たぶん、今後を含めて『FC』のエンディングは、オレの人生の中で最も続編が気になるエンディングの第1位に君臨し続けると思うよ。

そみん 僕も同じく(笑)。あんなに続きが気になるエンディングはそうそうないでしょう。

▲『英雄伝説VI』にあたる『空の軌跡』シリーズは大ヒットして、『零の軌跡』や『碧の軌跡』シリーズへと続いていった。

編集Y 『空の軌跡FC』が発売された2004年12月には『ぐるみん』が発売されている。そして2005年6月には『イースIII』のスーパーリメイクとなる『イース フェルガナの誓い』、10月には『ザナドゥ』20周年記念として『ザナドゥ・ネクスト』が発売されている。余談だけど、2005年には携帯電話用アプリとしてタイトーが『新イースI 3D 外伝』というライセンス作品を出している。これはドギが主人公となってエステリアを冒険する作品で、最後はダルク=ファクトを殴って倒すという、まさに外伝といった感じの携帯電話オリジナル作品なんだよね。

おぬ ドギがそんな大活躍するなんて(笑)。

そみん 2004年にはDSやPSPといった携帯ゲーム機が発売されていますが、2005年までの日本ファルコムは完全にPCゲーム一色ですね。

編集Y バンダイが発売したPSP版『ガガーブトリロジー』のように、ライセンス作品として日本ファルコムのゲームを遊ぶことはできていたけど、まだ日本ファルコム自身はPSPに参入してなかったからな。それじゃあ次は、PSPへの参入後について話をしていこうか。

新たな黄金期を作り出した『軌跡』シリーズ→(2ページ目へ)

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データ

▼『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』
■発売:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年11月8日
■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
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