News

2011年11月16日(水)

【電撃モンハン3(トライ)G】辻本氏&藤岡氏独占インタビュー! 『MH3(トライ)G』をがっつり語っちゃいます!!(その1)

文:電撃Nintendo

前へ 1 2

●ターゲットカメラはここぞというときに使うのがベストです!

――『MH3(トライ)』の時は、水中を作り込むのが大変だったというお話をお聞きしましたが、今回は開発していくうえで最も大変だったのはどの辺ですか?

藤岡:やっぱり一番大変だったのは……でも、全部かもしれないですね。やらないといけないこと、今回のプロジェクトのここまでにこれを作りましょうとか、自分たちで首を絞めた部分もあるんですけど、そのなかでこれだけのことは最低限やろうと決めて、移植から始めて、とにかく物量を突っ込んでいって、どんどんどんどんいろいろな案件が増えていって……。それのさばき方とかは、自分としても携帯ゲーム機のディレクションが実は初めてだったっていうのもあって、いろいろな面で僕は何をやっていても勉強になりました。プロジェクトの進め方も、いろいろ新しいことをやってみようかという気持ちになりましたし、本当にそのなかでどれだけの物量を入れられるか、本当にやれるだけやってみました。カスタムパネルも、初めてやってみたところでもあったので、今までのノウハウと新しいものの仕組みを考えること、すべてを並行でこなしていくのが一番大変でしたね。「ココが大変でした!」というよりは、積み重なったものとやらなくてはいけないマストな条件が重なっていたので、総合的に大変でしたね。

――やっぱり新しいハードは毎回最初が一番大変ですよね。

藤岡:そうですね。「このハードってどういうものなんだ?」と、まずはそこから入るので。そこにどうアイデアを乗せていくのか考えるところから始まって。でも、アイデアは出るけど本当にどこまでできるのかはわからない状態で、ずっと手探り状態なんです。ただ、「この期限までにこれを収めておかないと絶対終わらない!」みたいなところもあるので、それをぎゅうぎゅうに押し込みながらやっていました。本当に振りかえる暇もないくらい濃密だったと思います。

――カプコンさんの他のゲームでも3DSのタイトルはありますが、参考にされていたり?

藤岡:情報は相当もらいましたね。やっぱり同じようなタイミングで同じような開発を進めているタイトルとは、その辺の情報交換をすごくしました。通信周りについても情報はいろいろいただいて、当然任天堂さんにもご協力いただいて。自分たちではわからない部分がたくさんありましたから、感謝しています。なんとか収められたので、ホッとしております(笑)。

――『MH3(トライ)』を移植して3DSで初の『モンスターハンター』シリーズということですが、具体的に変更点や特徴はどのようなところでしょうか。

藤岡:ベースの部分は『MH3(トライ)』を持ってきているので、それを3DSに合わせてカスタムしていくのですが、携帯ゲーム機であることや、使えるボタンの数などの条件を落とし込んだうえで、まずは『MH3(トライ)』を全部再現するということを目標に作り込みました。そして、どれくらいのことができるのかを探りつつ、そのうえで2画面の効果的な使い方、下画面は何をしたらよいかなどを検討していきました。それが一番の変更点というか追加点、特徴になるんですかね。下画面のカスタマイズという発想があったので生まれたアイデアもあります。その中の1つがターゲットカメラですね。今までのボタンのアサインだけだと、なかなか手が出せなかった部分でして、実は昔から要望はあったんです。何かしらターゲットを追えるようなカメラワークはできないものかと。ただ、アクションゲームとして考えた場合、カメラワークをすべてオートにもしにくいし、かといって今のマニュアル操作だけでもっていうのがありまして。しかし、今回は3DSの下画面が使えたので、“第3のアサイン”がそこでできるんですね。タッチでターゲットのオンオフを切り替えられるというところがとても相性がよくて、今回なら実装できるかもということで、検討してみました。

――最初にプレイさせていただいたときに、思い切った仕様にしたなぁと感じたんですよ。今までターゲットを自分で追っていくというのも、ゲームとしての楽しみだったと思うのですが、こういうことをやってくるんだと、ちょっとビックリしました。

藤岡:今回は携帯ゲーム機で初の水中というのもあって、どうしても左右だけでは済まないカメラワークが要求されるわけです。水中では左右だけでなく上下360度に視点を回さないといけませんし。そこで既存のカメラワークの操作だけだと追いかけるのが大変だし、さらに操作量が増えるので。まぁモンスターもいろいろなことをやるようになってきているじゃないですか、近頃のモンスターたちは(笑)。

――そうですね、はい(笑)。

藤岡:なので、カメラの操作量というのが、実はここ最近のシリーズでは増えているんですよ。それでこの操作量だけはなんとかしたいなと思いました。そもそもそこで難易度をコントロールしたいわけではまったくないので、ユーザーさんが遊びやすく、モンスターを捉えやすいカメラワークがあったとしても、本来の難易度の設計で簡単になり過ぎたり難しさが上がったりということはないかなと。なので、そこは躊躇せずにやってみました。

――開発の段階では二転三転あった部分なのかなと思ったのですが。

辻本:意外と「入れてみよっか」くらいのニュアンスでしたよ(笑)。

藤岡:ただ、ターゲットをずっと追いかけ続けるのはやめようとは言っていました。難易度のコントロール的にもそうですし、設計的にも難しそうでしたので。本当に一瞬だけパッととらえてくれるだけで、まずはやってみようというところから始めてみて、それを軽く入れてみたらすごく具合がよかったので、このスタイルを採用することにしました。

――今までのシリーズだと携帯ゲーム機用にすごく遊びやすく、短時間で終わるような仕組みに変えられていたと思います。『MH3(トライ)』を携帯ゲーム機に持ってきたときに、そういった調整は今回も検討されましたでしょうか。

藤岡:はい、序盤から中番の流れなど、携帯ゲーム機でも遊びやすくなるように調整は当然しています。ただ、だからといってモガの村の遊び心地をなくしたくはなかったので、そこはむしろ携帯ゲーム機でしかプレイしたことのなかった人たちにも楽しんで欲しいなと思い、ストーリーを楽しみながら村の人ともかかわっていくというシングルプレイならではな部分は残してあります。そういったモガの村での遊びも大事にしつつ、タンジアの港という、もうちょっと別の街を作ってみて、通信で遊ぶときはそこでガッツリ遊んでみてください、という形にしてます。

(次回に続く)

(C)CAPCOM CO., LTD. 2009, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.

データ

関連サイト

前へ 1 2

電撃Nintendo

最新号紹介

  • 電撃Nintendo 2019年4月号

    電撃Nintendo 2019年4月号

    2019年2月21日発売
    特別定価:680円(税込)

    【特集1】
    大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL
    【特集2】
    ヨッシークラフトワールド
    【NINTENDO】
    毛糸のカービィ プラス
    ファイアーエムブレム0(サイファ)
    【推しゲー】
    スーパーロボット大戦T
    SDガンダム ジージェネ クロスレイズ
    【連載】
    はじめよう! ファイアーエムブレム0(サイファ)
    ポケモン情報局
    インディーズ&ダウンロードタイトル最前線
    【ゲームレビュー】
    毛糸のカービィ プラス ほか
    【新作ソフトカタログ】
    Winning Post 9/DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Scarlet/妖怪ウォッチ4/チームソニックレーシング/フォーゴットン・アン/Travis Strikes Again: No More Heroes/チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!/ファイナルファンタジーX/X-2 HDリマスター/ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ/ファイナルファンタジーVII/ファイナルファンタジーIX/ドラゴンズドグマ:ダークアリズン/ゾイドワイルド キング オブ ブラスト/釣り★スタ ワールドツアー/レミロア~少女と異世界と魔導書~ ほか

    >> 詳細はこちら

週間アクセスランキング
(Nintendo)

[集計期間2019年 02月19日~02月25日]