2011年11月17日(木)
●ブラキディオスはイメージどおりの暴れん坊です
――ではほかのモンスターについてお伺いしたいと思います。今回、メインモンスターとしてブラキディオスという新しいモンスターが出てきています。すでに記事での情報やTGSなどのプレイから、ユーザーさんの反響はいろいろとあったと思いますが、いかがでしたでしょうか。
藤岡:そうですね、モンスターについては言葉だけでは伝わりにくいものではあったので、動画などを見てもらったりもしましたけど、まだまだ伝わりきっていないのかもしれませんね。やっぱり実際に触ってもらわないと、ブラキディオスの特徴は感じ取れないかなと。見た目で普通にカッコイイとか、特徴的な部位の感想をいただいたりはしましたけどね。
――攻撃方法も、今までのモンスターにはない感じですよね。
藤岡:想像だけだとイビルジョーとボルボロスを足して2で割った感じかなとか、いろいろな憶測が飛んでました。TGSのプレイアブルではブラキディオスがえらく頑張ってくれて、ほとんどの方が討伐できなかったようでしたので、手強いモンスターという印象やインパクトはしっかり残せたんじゃないかと(笑)。
――近接武器で立ち回る場合、近寄って足元で攻撃するパターンになると思いますけど、緑色の爆発する粘菌が周りにあると、うまく立ち回れなかったりするので、結構難しいなという印象でした。
藤岡:そこらへんがブラキディオスの重要なポイント、特徴かなと思っています。普段なら距離を詰めれる場所でも、爆発物があるだけで少し回り道しないといけなかったりするので、そこで立ち回り方の感覚が少し変わるんじゃないかなと。
――今までのモンスターの攻撃も、いろいろなパターンがあったと思いますが、ちょっと新しい感じですかね。
藤岡:そうですね、今までにない仕掛けをしてみたいというのはありますが、メインモンスターに関しては、実は攻撃自体はすごいシンプルに作ろうという方針がありました。新しい攻撃方法は意識しているところではありますけど、あまりトリッキーにはしないようにしています。なのでブラキディオス自身の動きはすごいシンプルなんですよね。本当に攻撃的でまっすぐに向かってくる感じなのですが、シンプルな作りにプラスして、爆発する粘菌を撒き散らしていくという、ちょっとしたクセを植え付けています。すると途端にそれがちょっとした駆け引きを生んでいくといいますか。必ず同じパターンにはなりにくいですし、なおかつ怒り状態になると今度は範囲的な爆発を生み出したりと、その状況の変化と揺らぎが、直線的なブラキディオスの行動にプラスされていって、おもしろくなるんじゃないかなと思っています。
――セオリー的な立ち回りが難しそうな印象のモンスターですね。
藤岡:という思惑もあってTGSで遊べるようにしてみたのですが、皆さん、討伐できずに帰っていかれる方が多かったようですね(笑)。
――初見のインパクトは結構すごいですよね。
辻本:なんといっても今回のメインモンスターなので。登場ムービーとかも必見です。立ち回りになると、それはもうプレッシャーを凄く感じてもらえるんじゃないかなと思います。
――爆発する粘菌って……って、ちょっと考えたりとかして(笑)。これはどういうもので、そんなものは地上にあるのかみたいな。あれは活性化すると爆発するってことですか?
藤岡:そうですね、フィールドに撒き散らされて活性化すると爆発する、そんな粘菌があったらおもしろいよねって(笑)。
――それは何か、ヒントはあったんですか?
藤岡:菌類って、発酵したり増殖したり勝手にするじゃないですか。まあ生き物だから当たり前なんですけど。それでどんどん熱を持っていって、最終的にはドーンって爆発するのも、この世界だったら、そんなのがいてもおかしくないかな、みたいな発想ですね。そういう菌を自分の好きに操れるモンスターがいてもおもしろいかなという感じです。だからそのモンスター自身の体液というか唾液が、その粘菌を活性化させる要素があったとしたら、それをコントロールするモンスターがいたら……あぁ、これはおもしろいかなって。
――たしかに、“モンスター”ですからね。どんな能力があっても……ですよね。
藤岡:元々、そういった新しい属性は足したいという意見はずっとありまして。いつまでも火と水と雷とみたいになると、それ以上の新しい遊びが出てこないので、爆発するというのが新しい属性になったらいいかなと思いました。ちょうど今回、そういうネタとの相性もよさそうだなということで、ブラキディオスは爆発属性でやってみようという方向でまとまりました。
――二足歩行のモンスターという形までには、いろいろなアイデアがありましたか?
藤岡:実は獣竜種にしましょうと決まるのは早かったですね。『MH3(トライ)』は一応“三すくみ”を意識していたんですよ。海竜種と獣竜種と飛竜種という三すくみですね。そこで、唯一メインモンスターを張ったことのない種が獣竜種だったので、今回はこれでいきたいなと。本当に企画を立ち上げたときに、新しいモンスターを作るとなったときからすぐに方向性は定まっていましたね。
――尻尾の形がまた怖い感じになっていますけど、それを使った攻撃方法があったりするんですか?
藤岡:まぁ、振り回しているだけです(笑)。
――結構、暴れん坊的なイメージが強いですね。
藤岡:暴れん坊ですね。ブラキディオスのムービーは早く見てほしいです。生態ムービーというのがあるじゃないですか。あれがすごくいいので、見てほしいですね。
――なるほど(笑)。ちなみに、すでに情報は出ていますが、亜種モンスターがたくさん出てくる印象ですが、これはやっぱり『G』というところを意識されているということでしょうか。
藤岡:そうですね、亜種は仕掛けのパターン的にいろいろおもしろいことができるので。通常種があるからできる仕掛けといいますか、亜種に関してはずっと『モンスターハンター』を遊んでくれているユーザーの皆さんに向けて、新たな遊びを仕掛けられるかなという感じですね。最近のシリーズで亜種モンスターが出てきていないモンスターは、できる限り出そうというのは決めてました。
――本当にいっぱい入っていますよね。
藤岡:そうそう、どさーっと。こっちとしてはエライことになっていて、うーん……って(笑)。
――『MH3(トライ)』で入っていたモンスターはすべて入っていて、プラスとしてそれ以降のモンスターが入っているイメージですかね?
藤岡:はい。どうしても入りきらなかった部分もあるので、すべてではないですけど、ほぼ網羅できているくらいのイメージですかね。
――それらのモンスターの動きなどはそのまま入っているのでしょうか?
藤岡:そうですね、基本はそのまま入れつつ、地形が『MH3(トライ)』の地形になっていたり、水中があったりするので、そこらへんに絡みを持っているモンスターたちの生息エリアは、若干変更というか変化はしています。
――ドボルベルグの亜種が登場しますが、ただでさえ動きが特徴的なモンスターが亜種になってどういう感じになるのかなと気になってしまいます。
藤岡:ドボルベルク亜種は、尻尾が斧状になっていて範囲的に広めの形状に変化しています。行動自体は通常種と似ているんですけど、影響範囲が若干変わるというか、同じように尻尾を振り回しても範囲が変化するので、そのあたりでいつもの立ち回りでいくと違うなと感じるでしょうね。あとは砂原で泥まみれ状態になったりもしますね。ドボルベルグって、ゆっくりした動きで追い詰めてくる感じじゃないですか。そういった意味では機動力の面では組みやすいモンスターだったと思うんですけど、こういう泥まみれみたいな、ちょっと拘束されるような状況を作られると、よりプレッシャーをかけてくるんじゃないかと思ってますね。
――回転しながら飛んでくるところが3DSでも見られるということですね。では、モンスター全般的にモーション自体は、変更点とか調整が入ったりしているということでしょうか。
藤岡:亜種が当然増えるということと、G級が増えるということで、遊びは当然ちゃんと変化させていかないといけないですからね。こういったちょっとした行動の追加とか、遊びが変化するネタというのは必ず入れるようにはしています。それが追加されるアクションだったり、影響範囲の変更だったり、そういった要素は何かしら入るようにはしてます。
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