2011年11月19日(土)
――ハードの選出理由について教えてください。
グラフィックやゲームシステムなど、今の最新技術でやりたいという前提があり、据え置きハードを選択しました。ファンの年齢層を考えた結果、PS3というハードが親和性が高いだろうと。
――オープニングをオリジナルの展開にしたのは?
PS2『聖闘士星矢 聖域十二宮編』は、CGで放送時のオープニングを再現していました。それはそれでいいのですが、2011年に『聖闘士星矢』の新作ゲームを作るなら、新しさを出したかった。あとは、本作のコンセプトに“多数の敵を倒す”というのがあったので、そこは映像中に出したかったんですよ。黄金聖闘士をズラッと出したかったという意図もあって、新たに用意しました。
――PS2で出した作品は格闘ゲームでしたが、乱戦アクションにしたのはなぜですか?
対戦格闘は、好きな人は好きだけど少しストイックな部分もあります。今回開発するにあたって、『聖闘士星矢』が好きな人は、小宇宙を使った爽快なアクションで敵をぶっ飛ばしたいのでは? と思ったからです。原作で多数の敵を相手にすることはそんなにないんですが、ゲームとしておもしろいのはこういうアクションだと思い、こちらにしました。
――PS2『聖闘士星矢 聖域十二宮編』では雑兵を倒すボーナスステージというのがありましたが、あそこから発展させたのでしょうか?
そうですね、形としては似た感じもありますが、今作の元々のコンセプトで“1対多数戦”を掲げていたので、そこは一(いち)から考え直しています。
――雑兵戦とボス戦を同じルールで成立させる上での苦労は?
苦労は……結構ありましたね。1対1と、1対多数とで、ルールを変えずにバランスを取ることは苦労しました。最終的には多数の雑兵を倒す爽快感と、黄金聖闘士(ゴールドセイント)の弱点を見つける攻略性は両立できたと思っています。
――最終的に、どこを工夫したのか教えてもらえますか?
これは地道な調整に尽きますね。例えば、同じアルデバランであってもストーリーモードのボスとして登場する時と、ミッションモードでプレイヤーが操作する時とで、異なったバランス調整をしています。ボスの時と同じスピードでプレイヤーが使用すると「遅い」と感じてしまうので、プレイヤーが操作する時の方がスピードを早く調整しています。
――原作の技は、理屈が少しわかりにくい技もあると思うのですが、ゲームに落としこむのに苦労しませんでしたか?
そこは読み解くしかありませんね。でもスタッフも『聖闘士星矢』が好きな人ばかりなので、「原作の車田正美先生はこう考えたに違いない!」と解釈したり、アニメの演出を参考にしたりしました。
――セブンセンシズやリアルセブンセンシズを入れた理由をお願いします。
やっぱり敵をバタバタ倒していくゲームなんですが、『聖闘士星矢』らしさをシステムに入れたかったんです。“セブンセンシズ”は敵が止まっているかのように遅く見えるという解釈をして、スローモーションにしてみようとか、“小宇宙バースト”で小宇宙を燃やしてパワーアップさせてみようという、ゲームとしてのシステムを入れながら、作品の世界観らしさを入れようとして、用意しました。
――カリツォーやローリングディフェンスなど、必殺技以外にも固有の技が入っているのに、驚きました。
はい、開発のこだわりですね。
――バトル中のアップ演出も、『聖闘士星矢』らしさから用意したのですか?
キャラのカッコよさを見せたいというところからですね。せっかく美麗な据え置きハードで作っているので、アップの顔を見たいと思うだろう、ということで入れています。
――成長要素についてですが、育てていくと青銅聖闘士(ブロンズセイント)が黄金聖闘士を簡単に倒すということになるのでしょうか?
敵の強さは難易度に依存するので、育てれば簡単に倒せるようになります。ただし、ミッションモードの中には、鍛えてもつらいステージもあります。
――プレイして感じたのですが、黄金聖闘士は少し強くないですか?
黄金聖闘士は、すべての聖闘士の中でも最強という位置づけです。それが弱すぎたらダメだと思ったので、ある程度は強くしています。ただ、セブンセンシズアクションを使いこなせば、倒せると思います。
(C)車田正美/集英社・東映アニメーション
(C)2011 NBGI
※画面は開発中のもの。
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