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2011年12月5日(月)

【ウィザードリィ パーフェクトパック 集中連載 Vol.3】発売直前! 『ウィズ』トリビア満載の新旧ファン座談会をお届け!!

文:電撃オンライン

 12月8日の発売が迫ったPS3用ソフト『ウィザードリィ パーフェクトパック』。本作は3DダンジョンRPGの名作である『ウィズ』こと『ウィザードリィ』シリーズの新シリーズをまとめたもので、PlayStation Storeで配信されている『囚われし魂の迷宮』と『 囚われし亡霊の街』の全シナリオに加えて、新ダンジョン“残魂の迷宮”も収録されている。

 この発売をカウントダウンする記事として、本日から3日連続で、『ウィズ』ファンによる座談会をお送りしていく。

 超初心者からベテラン冒険者まで、『ウィザードリィ』歴がバラバラの3人による座談会。ジェネレーションギャップが起こると思いきや、共通の話題もちらほら?

【座談会参加メンバー】

●YK3

 『ウィザードリィ』シリーズはPC-8801時代からという、年季が入った熟練プレイヤー。もちろん、手書きでマッピングをしながらプレイしていた世代。実は電撃オンラインの偉い人だったりする。(『ウィズ』歴25年)

●ライターI

 ダンジョンRPGは多少たしなんできたものの、実は『ウィザードリィ』は今回が初体験。気合いでなんとかクリアまでした猛者だが、とにかく何度も心がへし折られそうになったらしい。(『ウィズ』歴1カ月)

●ライターS

 かつてはファミコン版『ウィザードリィ』をやり込むんでいたが、最近はごぶさただった。今回の新生『ウィズ』に触れて、冒険者としての探究心が再燃したようだ。(約18年ぶりに『ウィズ』に復帰)


■ああ、懐かしき線画の迷宮の世界~アップルII版のゲーム画面が復活!?~

ライターS いよいよ今週木曜(12月8日)に発売となる『ウィザードリィ パーフェクトパック』。これまではオレとライターIの2人でプレイして記事を作ってきましたが、今回はゲストとして電撃オンライン屈指の『ウィズ』マニアのYK3さんにも参加いただきました!

YK3 持ち上げても何も出ないよ(笑)。

ライターI いえいえ、尊敬してます! 自分は今回、初めて『ウィザードリィ』シリーズをプレイしたんですけど、とても歯ごたえがありました。昔の『ウィザードリィ』はもっと難しかったと聞いてビックリしましたよ~。

YK3 キャラクターを作ってダンジョンに入って、最初の戦闘で全滅とかざらだったしなあ(笑)。難しいというか、それが当たり前だったし。でも、難しさ以上におもしろい部分が大きかったんだよね。

ライターS そういった思い出を語っていただくためにYK3さんをお呼びしたわけです。ちょうどI君は『ウィザードリィ』のルーキー、かたやYK3さんは大ベテランということで、新旧ファンで存分に語らってもらいたいと思います!

YK3 お前、自分だけサボるつもりじゃないだろうね。

ライターS あはは(楽をできると思ったのに……)。それじゃあオレは、司会的なポジションで座談会を進めていこうと思います。まずはI君、先輩のYK3さんに聞きたいことはない?

ライターI いきなり他力本願じゃないですか。ええと、YK3さんにとって『ウィザードリィ』ってどんな存在ですか?

YK3 いきなりでっかい質問が来たなあ(笑)。まだRPGというジャンルがメジャーになるより前から遊んでいるシリーズだから、とにかく思い入れが深い作品だよ。ちょっと大げさかもしれないけど、オレにとっての青春かもしれないな。

ライターS 『ウィザードリィ』の歴史は長いですからね。オレはファミコンから遊び始めた世代ですけど、それでも『ウィザードリィ』の思い出はいろいろとあるわけですから。YK3さんがプレイしていた『ウィザードリィ』は、まだダンジョンが線画の時代とかですよね?

ライターI せ、線だけですか(汗)。

ライターS あ、ちょうどいいサンプルがあります。

▲この画面にピンと来る人は、かなりの『ウィズ』マニア! この画面がなんなのかは、座談会をお読みください!

YK3 おいおい、めちゃくちゃ初期のゲーム画面じゃないか。どこでこんな画面を……って、キャラクター名がなんだか変だぞ?

ライターS 実はこれ、『ウィザードリィ パーフェクトパック』の公式サイトで使われているもので、アップル社のスティーブ・ジョブズ氏が亡くなった際に、その追悼としてアクワイアの開発スタッフが作った画面写真なんです。

ライターI ジョブズと『ウィザードリィ』って関係があるんですか?

ライターS そもそも『ウィザードリィ』が初めて発売されたのが、アップル社のアップルIIというパソコンだったんです。だから、アップルII版のゲーム画面を再現しているそうです。ちなみに、パーティメンバー内の“TAKUMAN”はアクワイアの社長の遠藤琢磨さんのことなんですって。

YK3 アクワイアの開発スタッフの愛を感じるクオリティだな! ちなみに、どこでこの画面を見られるの?

ライターS 『ウィザードリィ パーフェクトパック』の公式サイトのトップ画面の上のほうにある“Thanks for Jobs”というアイコンをクリックすると見られます。

ライターI 線画って、本当に線だけだったんですね……。

YK3 当時はこれが当たり前だったんだよ。テクスチャなんて概念はないから、黒い画面に白い線があるだけ。いわゆるワイヤーフレームってやつだな。でも当時は、「ひんやりした壁だ」ってメッセージが出るだけで、なんとなくどういう壁かは想像できたもんだよ。

ライターS 脳内補完ってヤツですね。

YK3 小説とかと同じでさ、想像力が大事な部分って多かったんだよね。そういう意味では、オレにとっての『ウィズ』は文字情報が大半を占めていて、グラフィックがどうこうって感じじゃないような気がする。

ライターS そもそもRPGって、アナログなテーブルトークRPGから派生した部分もありますからね。昔は今より、自分で想像して脳内補完をしてゲームを遊ぶことが多かったと思います。『ウィザードリィ』のキャラクターを作る時は、パーティ内で恋人とかライバルとかいった裏設定をつけて遊んでました(笑)。

YK3 主人公には自分の名前をつけて、他のメンバーは全部女性っていうハーレムパーティにしたりね。

ライターS 好きな女の子の名前をつけるのは鉄板ネタですね。陸上部の美人先輩はファイターにして、図書委員の同級生はビショップにしたりしてました。

YK3 あるある。で、知り合いの名前をつけてたら、友だちに見られて複雑な気分になると(笑)。

ライターI そ、想像力豊かだ(笑)。

YK3 そういった想像力をかきたてるだけの何かが『ウィザードリィ』にはあったのは確かだね。

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[『ウィズ』の鉄則 その1]金を払って宿屋に泊まるな!

 座談会の途中ですが、ライターSです。座談会だけを読むと、『ウィザードリィ』ってマゾゲーっぽくて難しそう……と、誤解されてしまうかもしれません。まあ、マゾゲーの部分も多分にあるんですけど、単なるマゾゲーではありません。ただ、ゲームを遊ぶうえで、知っているのと知らないのでは大きく差が出る暗黙の了解的な鉄則があったりします。古くからのファンの方は“あるあるネタ”としてなつかしんでいただき、これから『ウィザードリィ』に挑戦する方には地味に役立つ先輩からのアドバイスとして読んでもらえるとうれしいです!

 というわけで、まず1つ。上で大きく書いちゃってますが、“金を払って宿屋に泊まるな!”は『ウィズ』の常識です。

▲冒険で傷ついた体を宿屋で回復するのはRPGの常識だが、『ウィザードリィ』の場合はちょっと事情が違う。

 新生『ウィザードリィ』を含めて、基本的にシリーズの宿屋はお金を払って宿泊するとHPと呪文の使用回数が回復して、お金を払わずに宿泊すると呪文の使用回数のみが回復します。おわかりですか? HPを回復する呪文が使えるキャラクターさえいれば、わざわざお金を払ってHPを回復する必要はないんです。ちなみに、お金を払わずに泊まれるのは、シリーズの伝統として“馬小屋”です。これ、試験に出るほど有名です。

 ちなみに、シリーズによっては年齢の概念がシビアだったので、回復呪文を使うキャラクター以外は馬小屋にも泊まらず、不眠不休な感じでゲームを進めるプレイヤーも多かったです。こういう部分を想像力で補完して、「この戦士はかつて父親に呪いをかけられて、歳もとらずに眠りもしない体になっている」なんて勝手な設定を作って遊んでいたわけですね。ちなみに、シリーズによっては宿屋に泊まらないとレベルが上がらないので、そんなときは「成長の儀式を行うために部屋を借りただけ」とか、妄想全開の設定を作ったりした人もいたと思います。ええ、少なくともオレはそうでしたよ。 (ライターS)

▲シリーズ伝統の馬小屋は、新生『ウィザードリィ』でも健在。金を払って歳をとるなんでバカらしい!?

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→まだまだ思い出話がとまらない! 次ページへ続く!!

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