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2011年12月29日(木)

『アーマード・コア V』鍋島さんインタビュー! 武器の性能変化でパーツの種類は無数に!! そしてアクションに留まらない遊びとは?

文:電撃オンライン

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■テキストチャットの搭載でメンバー同士の交流がしやすいように

『アーマード・コア V』

――テキストチャットが可能になったのは、ベータテストからは大きな変更ですよね。

 これも最初からやろうと思っていた要素ですね。『クロムハウンズ』の時は、「新しいことをやってほしい」という方針が強かったので入れませんでしたが、『AC』の場合はシリーズタイトルでもあるし、そうもいかないだろうと。テキストチャットの機能については、ベータテストでいただいた要望をもとに、テキストの編集ができたり、シチュエーションごとに違うテキストセットを使えたりといったかたちで、想定していたものよりもかなり要素を追加しています。

――機能としてはどのような形ですか?

 基本的には定型文をボタンで送る形で、メニューと戦闘中で違うセットを使えるという内容です。フリーの文章をその場で打つこともできますし、定型文の文章を自由に編集することもできます。だから「おはよう」みたいな定型文も用意していますけど、そんなものはいらない、という人は、実戦向けとか内輪にしか通じない合い言葉とかを入れてもいいと思いますよ。

――ボイスチャットがあれば一番便利でしょうけど、テキストチャットの導入はやはりありがたいです。コミュニケーションの面では、それ以外に大きく変わった部分はありますか?

 コンセプトの話にもなりますが、『ACV』はオンライン要素の強いゲームでありつつも、遊び自体はチームという内輪なコミュニティの中で、それなりに知っている人同士が一緒にプレイするものだと考えています。とはいえ、チームの外側には実際にはいろいろな人がプレイしていて、そこで何が起きているのかがわからないと、盛り上がりづらいとも思います。僕らとしてもそれは見せたいと思っていますし。そのあたりの加減というか、どこまで接点のある形にするかというのが、かなり迷ったところではあります。

――なるほど。チームの外との接点としては、どのようなものが用意されているのでしょうか?

 先ほど話したヘッドラインニュースもそうですし、傭兵の仕組みもその1つです。例えば傭兵なら、知らない人を一時的に仲間にして戦闘をするのはいいのだけれど、その人とどこまでかかわり合うのかという問題があるんですね。傭兵とボイスチャットできた方がいいのかとか、戦闘後に送れるメッセージはどういう仕組みがいいのかとか。迷ったのはそういった部分です。

『アーマード・コア V』

――結果的には、どのような形になったのでしょうか?

 結局のところ“傭兵とボイスチャットはできない”仕様に変更はありません。ベータテストのアンケートも完全に半々に分かれましたし(笑)。メッセージは雇う側のセッションリーダーが送ることができて、定型文じゃなくて自由なコメントを送れます。傭兵側にはポストみたいなものがあって、そこにメッセージが随時送られてくる形ですね。読みたければよめばいいし、読みたくなければ見なくてすむように、あえて少し深い階層に置いています。

――PS3の機能として一緒に遊んだプレイヤーがわかるようになっていますが、傭兵も一緒に遊ぶと、どのアカウントのプレイヤーと遊んだかわかるようになっているのですか?

 そうですね。そういったところでは確認できるようになっています。

――では、気に入った傭兵のプレイヤーがいた場合、PS3側の履歴からコンタクトを取ってチームに勧誘することも可能ということでしょうか。

 可能です。ハードの機能なので、ゲーム側ではブロックしようがないというのもあるんですが、そういう風に積極的にコミュニケーションしたい、という人を制限するつもりは別にないんですよ。そうでない人にとって、不快にならないように気を遣いたいというだけで。

 ゲーム内にも、ジョイントストラグルという仲よし度のような機能はあります。過去に雇ったことのある傭兵は、傭兵一覧で☆マークのようなものが増えていくので、何度も雇ううちに「あの人だ」とわかるようにはなると思います。一緒に戦う回数が増えれば、相手のプレイスタイルなどもわかってくると思うので、メッセージで勧誘してもいいですし、今言ったようにPS3側から勧誘することもできると思います。

『アーマード・コア V』

――コミュニケーションの手段があっても、いざ実際に知らない人同士で一緒にプレイするのはハードルが高いと感じる人もいると思います。自然と知らない人と一緒に遊べるようになるような導線はあるのでしょうか?

 極端に言えば傭兵だけですね。傭兵ランキングはみんなが見られるものですし、さっき話したジョイントストラグルもあるメンバーを誘うきっかけになると思っています。

 このあたりがまさに難しいところだと思っていて、ゲームの中にあまり強く入れるとうざったく感じる人もいるし、一方で何もないと寂しいと思う人もいる。基本的な方針としては、もともとの知り合い同士で気兼ねなくチームプレイをできるようにしたいというのがあります。例えばソーシャルゲームのように、「この人を仲間に誘いませんか?」みたいなアナウンスをシステム的に入れることもできます。

 でもそれがこのゲームの中にある必要があるのか、というところには、疑問があります。なのでオフィシャルパートナーシップという外側のコミュニティを作成して、ある意味半分リアルの環境で知り合いになってもらい、仲よくなれば同じチームでプレイしてもらう、という形にしています。

――オンラインチームプレイの場合、チーム全体の人数はそこそこいても、平日はなかなか時間が合わずにシングルプレイになってしまう……という状況もあると思うのですが、小中規模のチームの遊び方は、どのような流れを想定されていますか?

 平日にチームメンバー同士の時間が合わないという状況は、前に『クロムハウンズ』でも似たようなことがありました。その時は、ゲームにパーツの抽選の要素があったんですよ。新しくショップに並ぶパーツを、抽選で当たった人だけ先行で買えるという。抽選の申し込みは1日1回しかできないので、抽選に申し込むために毎日ちょっとずつログインして、普通は抽選に外れればそのままログアウトしてしまうというユーザーさんがいたんですね。

 そういった方が毎日ログインしている中で、状況によってはたまに戦闘に出ることもあったらしくて。そういうことを意図してパーツ抽選の要素を入れたのもありますが、きっかけがあればプレイしてもらえると思うんですね。だから『ACV』でも似たようなことが起こりうるような仕組みはいろいろ入れています。

『アーマード・コア V』

――今日は戦うつもりがなかったけど、起動したらたまたまメンバーが3、4人いた……という流れでプレイすることはありそうですね。

 だから例えばゲームをやるにしても、必ずしもアクションゲームをやるためにゲームを起動しなくてもいいと思います。『ACV』であれば、プレイヤーによるパーツの流通があって、そのラインナップはデイリーでバンバン入れ替わりますし。いいパーツを見逃さないため、毎日チェックするというのもあると思います。そこですごいパーツを見つけたら、「今すごいパーツが流通してるよ!」とチームメンバーに連絡するきっかけにもなるじゃないですか。

――確かに、それを聞いたらプレイしたくなるし、それで人が集まったら領地ミッションに出ようという話になりそうです(笑)。

 後は領地のカスタマイズやシングルプレイ用のミッションなど、1人でもやり込める要素をいくつか用意しているので、みんながそろわない時はシングルプレイでがっつり遊んでもらってもいいと思います。腰を据えて戦闘をするのは週末だけでも、楽しめるゲームになっていますよ。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

 本当に長いことお待たせしてすみませんでした! 長い時間を掛けただけあり、60ページのマニュアルでも、ゲームのすべてを説明しきれないというボリュームのゲームになってしまいました。公式サイトでわかりやすく要素を紹介していくつもりですので、そちらもぜひチェックしてください。『ACV』でデビューという方も大歓迎ですので、ぜひよろしくお願いします。

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