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2012年1月14日(土)

【Spot the 電撃文庫】“愛はお金で買えますか?”をテーマに誠実な少年と人間不信なお嬢様を描く『金は彼女の回りもの』の時田唯先生を直撃!

文:電撃オンライン

 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第20回となる今回は、『金は彼女の回りもの』の作者・時田唯先生のインタビューを掲載する。

『金は彼女の回りもの』
▲ひいろ先生が描く『金は彼女の回りもの』の表紙イラスト。

 本作は、借金男子の真心がお嬢様の冷えた心を温める様子を描いた、ほんわか主従ラブコメディ。突如、2,000万円の借金を背負うことになってしまった主人公・中村透(なかむら とおる)は、同じ学園に通う美人お嬢様・家宝茜(かほう あかね)にそのピンチを知られ、あっさりと救われる。2,000万円もの大金をポンと差し出して返済も求めない茜に対して、誠実で律儀な性格の透は「僕を担保に、いや下僕にしてください!!」と申し出る。しかし、ある事件のせいで人間不信になってしまった茜は、彼を信じることができず……。

 時田先生には、本作を書いた経緯や執筆中に悩んだポイントなどを伺った。なお、電撃文庫 新作紹介ページでは本作の冒頭部分が読めるので、ぜひチェックしてほしい。

――この作品を書いた経緯を教えてください。

 最初に閃いたのは“愛はお金で買えますか?”というテーマです。考えている間に“お金がきっかけで始まる愛や信頼”があってもいいのではと思い、本作品へと繋がりました。

――作品の特徴・セールスポイントはどこですか?

 借金返済のために、お嬢様の部下に……という展開は非常にベタですが、そのお嬢様に向かって何も頼んでいないのに主人公が怒濤(どとう)の勢いで恩返しをします。ベタながら王道の逆で、主人公がヒロインを困惑させたり、悩ませたり喜んだりするところを楽しんでもらえればと思います。

――作品を書く上で悩んだところは?

 物語のテンポに苦労しました。特に1章は修正の連続で、相当自信をなくした記憶があります……。でもお陰で物語のテンポが非常によく、気持ちよく読み進めてもらえるような仕上がりになったと思います。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 執筆だけなら2カ月程度、プロットや原稿の手直しも含めれば半年ぐらいでしょうか。

――主人公やヒロインがどんなキャラクターなのか聞かせてください。

 純情な下僕とツンツン系お嬢様。性格も似ていない2人ですが、根は同じく純粋な男の子と女の子です。内容はコメディですが2人の立ち位置は暗く、それでもまっすぐ生きていく純情さがいいところかなと思います。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 透が、家宝さんに自分の昔話と心情を語るシーンです。世の中にはつらいこともたくさんありますが、そんな中でも自分の信念を貫きたい、という主人公の大事な気持ちを込めた場面です。

――本作の執筆中に起きたおもしろいエピソードなどありましたら教えてください。

 物語中に遺産相続の話が出るのですが、遺産相続に関する本を探したところ「一般家庭ほど遺産相続でもめる!」とあって親に「そういえば亡くなった婆ちゃんの遺産ってどうなった!?」と聞いた覚えが……。我が家も気をつけておこう、と改めて思った次第です。お金はともかく、家や土地の分割となると本当に難しいようでして……。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 本書に限って言えば、物語のテンポをかなり調整しました。軽快に読み進められるよう意識しています。

――アイデアを出したり集中力を高めたりするために、何かしていることはありますか?

 しっかり睡眠をとること、でしょうか。規則正しく眠れた翌日の集中力は段違いです。あとはストレスをためず、リラックスして思うがままに妄想! ……と、うまくできれば私も苦労しないのですけれど……。

――現在注目している作家や作品を教えてください。

 有沢まみず先生の『ラッキーチャンス!』が大好きです。作品内容も当然ながら、物語のテンポのよさや流れに本当に引き込まれます。

――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?

 中学時代は『スレイヤーズ』シリーズ、高校時代は『ロードス島戦記』シリーズとストレート(?)に育ってきました。それがなぜこんな作家に育ったのか……。

――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください

 最近はDS『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』をやっています。『不思議なダンジョン』は人間の人生みたいなもので、山あり谷あり、どんなに順調でも突然ピンチになったり逆に奇跡の復活を遂げたり。あ、やられて覚えるのも人生らしいですね! 他にはPSP『初音ミク -Project DIVA- extend』。控えに同じくPSP『勇者30 SECOND』。そろそろ3DSを買わなければ……!

――それでは最後に、読者へコメントをお願いします。

 物語中に借金やお金は絡みますが内容はコミカルで、気楽に読み進められるよう意識しました。軽く息抜きしたい方、ラブコメやストレートなお話が好きな方はぜひ手に取っていただければ。お金の話らしく本書のお値段620円分、損はさせないつもりです!

(C)2012 ASCII MEDIA WORKS
表紙イラスト/ひいろ

データ

▼『金は彼女の回りもの』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2012年1月10日
■価格:620円(税込)
 
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