2012年1月17日(火)
【PS Vita 同時発売タイトル インプレッション】『忍道2 散華』――忍(しのび)ならではの、ひと味違うアクションが楽しめる作品
忍者というと、カエルが苦手なクルクルほっぺのあの人のイメージですが、史実では大名の手足となって諜報活動をするスパイとして暗躍していました。『忍道2』は、その忍者が主人公のステルスアクションです。
内容は、大名からの依頼を受けて暗殺や強奪などの任務を遂行しながら、里を焼き払った裏切り者への復讐を果たすというもの。敵に見つからずに任務を遂行するのが目的ですから、正面から斬り合うような戦い方はできません。いや、正確にいえばそういった戦い方もできるのですが、主人公は忍者です。やはり忍者らしい戦い方をしてこそ、本作の本当のおもしろさがわかるというものでしょう。
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▲物陰などを利用して姿を隠し、敵の警戒を突破して任務を遂行していく。 |
■敵に発見されずに任務を遂行せよ
忍者にとって最も重要なのは、やはり敵に発見されないこと。近くに人がいると表示される『殺気アイコン』で相手の位置を把握し、そこを避けて通ったり敵の死角に潜り込んで倒していくのが基本です。「でも、結局戦うことになるのでは?」と思ったら大間違い。敵が気づいていない状態で、相手の背後や足もとなどに近づくと『血祀(ちまつり)の予感』という合図が発生。その瞬間に△ボタンを押すと、どんな敵も一撃で倒せる『血祀殺法(ちまつりさっぽう)』が発動します。相手の懐に飛び込んでブスッとやったり、首をボキッと折ったりする演出がカッコよくて爽快感もバツグン! 思わず任務を忘れて、敵が全滅するまで徘徊してしまうくらい楽しいです。
しかし『血祀殺法』は、相手のすぐそばまで近寄らなくてはならないのが難点。敵が密集していると、そうカンタンに近づけません。そこで活躍するのが、もう1つの必殺技『斬刻(ざんこく)』です。まず、△ボタンを長押しして『斬刻』で攻撃する相手を選択。敵を選ぶとボタン入力画面が表示され、指定されたとおりに入力することで発動します。ただし『斬刻』を使うには『斬刻ゲージ』が必要で、強敵ほど大量のゲージが必要。『斬刻ゲージ』は、主人公がレベルアップしたときに成長ポイントを割り振ることで増やすことが可能です。『血祀殺法』よりも使いやすい反面、ゲージを消費するのでいつでも使えるわけではありません。個人的には『血祀殺法』のほうが好きなのであまり使いませんが、任務によっては『斬刻』を活用したほうが効果的なことも。とはいえ、ここではこの行動が正解というものはないので、アバウトに遊んでいてもクリアできるのがいいですね。
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▲『血祀殺法』で背後からひと突き。敵や自分の位置によって変化する演出も見どころだ。 |
■3つの勢力の盛衰はプレイヤーしだい
本作では3つの勢力から複数の依頼が提示され、そのなかからプレイヤーが自由に依頼を選べる仕組み。3つの勢力は互いに敵対していて、相手の力を衰えさせるために依頼を出しています。任務に成功すれば、依頼した勢力が力をつけ、敵対している勢力は衰えていくので、どの勢力に協力するのかが重要になっていくでしょう。
ちなみに、一条家は兵力と報酬のバランスがよく、風天家は報酬が少ないものの兵が強い、阿無璃他教は報酬が多いものの兵は弱いという特徴があります。例えば、兵が強い風天家に協力すれば、敵対せずに済むので任務がラクになるのですが、私は報酬の多さに魅かれて阿無璃他教を選びました。依頼主がセクシーな女性だからとか、そんな理由じゃありません。
それはさておき、任務は全部で14カテゴリーに分かれていて、それぞれ目的や敵の行動の傾向が異なります。『暗殺』なら目標を倒す、『全滅』では登場する敵をすべて倒す、などなど。1つの任務は1~5分程度のプレイなので、移動時間や休憩中でも遊べちゃいます。難易度『優しい』はリトライ機能がありアクションが苦手な人でも安心。逆にガッツリ遊びたい人には、難易度『難しい』以上がオススメです。リトライ機能がなく、敵の察知能力も格段に上がり、歯ごたえのあるステルスアクションが楽しめるでしょう。見た目やゲーム性は、一見すると人を選びそうな内容ですが、想像以上に懐の広いゲームでした。(M.N)
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▲倒した敵の数などで任務の評価が決まる。いい結果を残せば、特別報酬がもらえることも。 | ▲物語は、伝説の天魔鏡をめぐって展開していく。前作で登場した黒鷹のザジは、本作でもプレイヤーを手助けしてくれる。 |
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