2012年2月10日(金)
ゴーストシップで展開する新たな恐怖! 『バイオハザード リベレーションズ』の原点回帰した魅力に迫る(その1)
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1月26日に発売したばかりのニンテンドー3DS専用ソフト『バイオハザード リベレーションズ』。発売から2週間が経過し、すでにその複雑に入り組んだ事件と謎を体験したユーザーも多いのではないだろうか。本作は“原点回帰”のコンセプトを掲げており、シリーズ当初の懐かしさやおもしろさを含みつつも、これまで発売された『バイオハザード』シリーズのエッセンスがさまざまなところで感じられる、ファン待望の完全新作となっている。ここでは、そんな本作の魅力をゲームプレイの感想を交えながら2回に分けて紹介していこう。すでに本編(キャンペーンモード)をクリアしたユーザーは、豊富に用意されたやり込み要素を楽しみつつ、まだプレイしていないユーザーは、『リベレーションズ』の魅力を感じつつ、読んでみてほしい。
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▲シリーズではおなじみのキャラクター・ジルとクリスが登場。メインで操作するのはジルだが、シナリオが進むと他のキャラクターを操作するシチュエーションもある。現在だけでなく過去へ戻り、事件の真相が徐々に明るみになるシナリオは、プレイの手を休めさせない。 |
今回はまず、『リベレーションズ』の物語の概要と、組織、登場人物についてを解説していこう。本作は『バイオハザード5』の発売より実に3年ぶりとなるシリーズ完全新作として、ニンテンドー3DSで発売された。物語の時系列的には、『バイオハザード4』(主人公はレオン・S・ケネディ)と『バイオハザード5』(主人公はクリス・レッドフィールド)の間に起こった事件を描いており、時代にして2005年が舞台となっている。この時系列を把握し、かつ今まで発売しているシリーズをプレイしておくと、物語をさらに楽しむことができると思うが、本作が『バイオハザード』シリーズ初プレイという方にも、まったく問題なく楽しめる内容になっているので、ご心配なさらずに。とはいえ、組織や登場人物の予備知識があったほうがスムーズに物語を理解することができると思うので、ここではちょっとだけ解説していきたいと思う。
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▲ジルに忍び寄る異形の化物。クリチャーの種類も豊富に用意されており、閉鎖された空間での探索は緊張感あるものになっている。それぞれ弱点が設定されているので、そこを狙って攻撃を与えるという攻略要素も。 |
■『バイオハザード リベレーションズ』とはどのような物語か?
事の発端は、シリーズでおなじみのキャラクターでもあるクリス・レッドフィールドが地中海上にて失踪したこと。その情報により、同じ対バイオテロ組織「BSAA」に所属する本作の主人公・ジル・バレンタインとパーカー・ルチアーニの2人が救出のためにポイントに向かうところからゲームはスタートする。ゴーストシップと化した豪華客船に潜入した2人に迫る化け物、そして徐々に浮き彫りになる事件の真相とは……。
複雑に入り組んだ事件と謎を1本のシナリオにまとめあげたのは、「カウボーイビバップ」「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「交響詩篇エウレカセブン」「東のエデン」など、多数のアニメーションの脚本を手掛けている、ストーリーライダーズ(株)代表の佐藤大氏。物語は章仕立てになっており、大作にありがちな単調な展開にはならず、途中でプレイを休憩してもこれまでの物語の概要や、次に行くべき場所がわかるようになっている。随所にこうした物語を楽しむための配慮がなされている点も、プレイヤーとしては嬉しい限り。サバイバルホラーというジャンルを確立した『バイオハザード』シリーズの初期の頃からのファンとして見ても、どこか懐かしいエッセンス(“安心感”という言葉が一番しっくりくるかな?)が感じられる。もちろん「新しいバイオハザード」の魅力も詰まっており、テーマとなっている“原点回帰”を意識しつつも、完全新作の名に恥じない内容になっている。事実、プレイ中は次の展開がどんどん気になり、気付いたら数時間経過していたほど。章仕立てになっているのもテンポがよく、目まぐるしく展開する物語に引き込まれていく感覚は、海外ドラマのそれに近い。あらためてゲームも良質のエンターテイメントの1つだと感じさせられたタイトルだった。
『バイオハザード』シリーズではおなじみの、武器の改造やミッション、キャンペーンモード以外でのやり込み要素も豊富に用意されており、それらをクリアしていく楽しみは、携帯ゲーム機でのタイトルとはいえ決して損なわれていない。本編を楽しみながら自然とクリアできるもの、ちょっとチャレンジ要素の高いものといったように、自分のプレイレベルにあわせて難易度も調整できるものになっている。もちろん、上級者にとっては歯ごたえのあるミッションも用意されているので、すべてのプレイヤーにとってプレイが散漫になることなく、楽しめるやり込み要素となっている。
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▲シリーズではおなじみの“ハンター”のようなクリーチャーも登場!? 素早い動きでプレイヤーを翻弄してくるので、武器を切り替えて対処する必要がありそうだ。 |
■事件にかかわる組織、登場人物たちを解説
本作をプレイするうえで、物語に登場する組織や人物について知っておくと、さらに内容を深くまで楽しむことができる。ここではまず、『リベレーションズ』で最低限押さえておきたい、劇中に登場する用語を解説していこう。
●海上都市“テラグリジア”
地中海沿岸に建設された人口海上都市。太陽光発電などの先進的技術によって注目されていたが、テロ集団「ヴェルトロ」によってバイオテロの標的とされてしまう。この事件は“テラグリジア・パニック”と呼ばれ、テラグリジアの名は世界中の人々に記憶されることになる。
●ヴェルトロ
謎に包まれたテロリスト集団の総称。元々は愛国主義を主張する運動家たちの集団だったが、都市ゲリラグループへと徐々に変質していってしまう。メンバーはすべて怪しいガスマスクで顔を隠しており、その素性は一切明かされていない。“テラグリジア・パニック”を起こし、世界中にヴェルトロの名を轟かせた。
●BSAA(Bioterrorism Security Assessment Alliance)
生物災害(バイオハザード)に対処するために組織された私設の対バイオテロ部隊。これまでのシリーズで登場したジルやクリスといったエージェントも組織に属しており、世界中で起こるバイオテロの調査を行っている。
【BSAAのメンバー】
●FBC(Federal Bioterrorism Commission/連邦対バイオテロ委員会)
世界規模で起こるバイオテロ対策のために、連邦政府が起こした対バイオテロの委員会。“テラグリジア・パニック”の際には、FBCの判断によって海上都市全体を消滅させるに至った。
【FBCの重要人物】
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■モルガン・ランズディール FBCの長官で絶対的な権力者。彼に逆らえる者はFBCにおらず、強硬な姿勢は恐れすら感じさせる。 |
●謎の登場人物
本編中、ジルたちの前に現れる正体不明の人物。彼の目的は、果たして……?
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■レイモンド・ベスター 豪華客船“クイーン・ゼノビア号”にて、ジルとパーカーの前に現れた謎の男。何やらパーカーとは見知った関係のようだが……。 |
●クイーン・ゼノビア号
ジルとパーカーがクリスたちを救出に向かったポイントで漂流していた豪華客船。完全にゴーストシップと化しており、異形の化け物たちの巣窟と化している。
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まだまだ『リベレーションズ』には気になる要素が多く、上記で説明したのはほんの一部に過ぎない。まだプレイをしていない方は実際にゲームをプレイして、その謎に触れていただきたいと思う。さて、それでは以降ではもっと具体的に本作の魅力を語っていきたいのだが、この続きは2回目ということで!
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