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2012年2月6日(月)

兵士が多く登場するアップデート(通称ワラワラパッチ)も注目! 新たな遊びを目指した『真・三國無双 NEXT』開発者インタビュー

文:電撃オンライン

 コーエーテクモゲームスから、2011年12月に発売されたPS Vita用ACT『真・三國無双 NEXT』。そのソフトを手がけた開発スタッフへ、インタビューを行った。

『真・三國無双 NEXT』

 『真・三國無双』シリーズは、中国の三国時代の武将の1人となり、“一騎当千”の爽快感を味わえる人気アクションゲーム。PS Vita向けに開発された『真・三國無双 NEXT』では、タッチパッドやモーションセンサーといった直感的な操作や、通信機能によるユーザー間コミュニケーションなど、ハードの性能を生かした新次元の『真・三國無双』を楽しめる。

 インタビューでは、庄知彦ディレクターと古澤正紀リードプログラマーに、開発に至った経緯や新たなシステムについてお聞きした。また今後のアップデート予定も、明らかになったので、ご覧いただきたい。

◆据え置き機ではない新たな『真・三國無双』を目指して

――お2人は、これまでにはどのようなタイトルに、かかわられてきたのですか?

『真・三國無双 NEXT』
▲庄さん。

:私は格闘ゲームのPS『三國無双』から始まり、『6』以外の『真・三國無双』シリーズのナンバリングタイトルを担当してきました。

古澤:『真・三國無双』シリーズがほとんどです。『真・三國無双2』から始まり『3』と『5』にかかわり、そして今回の『真・三國無双 NEXT』となります。

――『真・三國無双 NEXT』の開発がスタートした時期はいつごろでしょうか?

:2011年の1月27日に行われた“PlayStation Meeting 2011”でPS Vita(発表当時のコードネームはNGP)が発表されました。そのためにデモンストレーションを用意することになったのが、スタートです。基礎研究を含めて2010年の11月末くらいから動き出して、本格的に動き出したのは、2011年の2月以降です。

――発売日が12月17日ということを考えると、開発期間はかなり短いという印象ですが……。

:新ハードに向けた作品の開発でしたので、確かに期間は短かったです。でも、SCEさんのバックアップや、当社内の技術部門の地道な研究もあって、目的としていた“ローンチで発売する”というゴールを達成することができました。

『真・三國無双 NEXT』
▲古澤さん。

古澤:もっと長くやっていたという印象ですが、1年以内なんですよね(笑)。

――開発コンセプトについて教えてください。

:“PS Vitaの機能をフル活用した『真・三國無双』を作る”です。PS Vitaについては、タッチスクリーンや背面タッチパッド、モーションセンサー、それに通信周りの情報を聞いていたので、これらをすべて含めた新たな『真・三國無双』を作るが、開発コンセプトでした。

――編集部でも、PS Vitaの機能をフルに使ったタイトルということで、話題となりました。

:ありがとうございます。そう言っていただけるのはうれしいです。新たなハードを買われたユーザーは、新しい機能を使ってみたいという欲求があるはずなので、その新機能を楽しんでもらえるものを目指しました。

 ただ、無理やり使っているわけでなくて、『真・三國無双』にどうすれば生きてくるか、こういうのがあったらおもしろいだろうという流れから、組みこんでいきました。

古澤:プロデューサーからは、最初から「機能をフル活用した作品を作る!」と言われていたので、作っては直して、やってみては直して……という試行錯誤を開発メンバーは繰り返しました。

――初報の段階からグラフィックの綺麗さに驚いたのですが、開発サイドは画像のクオリティについてどう捕えていましたか?

『真・三國無双 NEXT』
▲初めて公開された当時の画像。携帯機としてはかなり美麗なグラフィックだ。

古澤:“PlayStation Meeting 2011”のデモを作った時は、開発機も今とは違うものだったのですが、その段階でもキレイなものができていました。「有機ELディスプレイに出力すると、ごまかしが効かない!」と追い込まれた気分でしたね(笑)。より一層、ちゃんとしたものを作らないといけないと気を引き締めました。

――キレイなものが出るからこそ、困る状況だったのですね。

古澤:据え置きハードで開発しているような気持ちでいないと、マズイと思いました。最終的には、そこに近づけたので、及第点まではいけたと考えています。ハードの性能が高かったので、我々開発サイドがそこに追いつくのが課題でした。

――開発するにあたり、PS Vitaをどのようなハードだと感じましたか?

:企画者としては、性能がいいために夢が膨らみ、とにかく楽しみなハードだと感じました。特に、通信が強化されることを聞いていたので、『真・三國無双』とどうマッチするのかを、いろいろ考えました。

 その反面、大変さも感じました。グラフィックや処理能力は、これまでの携帯機とは段違い。「これくらいで大丈夫だろう」や「ここまでしかできないだろう」という予想は、すぐに外れました。ハードルが上がるのと同時に、ユーザーの方が求められるものも上がるため、開発期間を考えると大変な開発になることを覚悟しました。

古澤:作ろうと思えば、据え置き機と同様の絵が作れてしまうので、高性能過ぎるといえば、過ぎるんです。限られた開発時間の中で、どこまでできるのか、つねに手探りでしたね。

 今まで触ったことがないハードウェアなので、何ができるか、性能を引き出すにはどうしたらいいかを模索するのが、日々楽しかったです。苦しいところとしては、開発する土台がまだ作られていなかったところです。PS VitaはSCEさんのサポートがあったのでやりやすかったのですが、機材やライブラリーが揃わない状況もありました。そんな中、手探りで開発していったのは、大変ながらも楽しかったですね。

――『NEXT』というタイトルに込めた意味を教えてください。

『真・三國無双 NEXT』

:PS Vitaは、仮称がNext Generation Portable(NGP)でした。その“NEXT”を意識したのが1つあります。ただ、それは意識した程度です。プロデューサーの頭の中には、『猛将伝』や『Empires』といった派生タイトルではなく、携帯機用の新しい『真・三國無双』を作っていこうという構想がありました。そこから、“次の『真・三國無双』シリーズ”という意味を込めて、『NEXT』と付けました。

――スタッフロールを見て、開発人数が少ないと感じたのですが、コンパクトなチームだったのでしょうか?

:スタッフロールに載っている人で60~70人くらいですが、載っていない方もいるので最終的には据え置きの『真・三國無双』シリーズより少ないかな、という感じでしたね。。

古澤:携帯機のタイトルとしては、これまでよりは多くなっています。

:ちなみに『三國無双』は、5~6人でした(笑)。

次のページでシステムについて迫る!

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データ

▼『真・三國無双 NEXT』ダウンロード版
■メーカー:コーエーテクモゲームス
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:ACT
■発売日:2011年12月17日
■希望小売価格:5,040円(税込)

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