角川ゲームスから、2012年夏にリリースされるPS Vita用ソフト『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』の制作発表会が、東京・六本木にあるnicofarre（ニコファーレ）で本日2月9日に行われた。

▲会場となったニコファーレには、マスコットキャラクターであるみっしぃの姿も！

　『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』は、PSPでリリースされたRPG『英雄伝説 零の軌跡』をPS Vitaに移植したもの。光と闇の混在する魔都・クロスベルを舞台に、ロイドやエリィをはじめとする若き英雄たちの戦いが描かれる。移植に際して、グラフィックのHD化やフルボイス化、支援要請を追加など、さまざまな要素が進化しているという。

　制作発表会には、ティオ・プラトー役として出演している水橋かおりさんやjdkバンド、さらに角川ゲームスの代表取締役社長・安田善巳氏、キャラアニの代表取締役社長・加藤智氏、日本ファルコムの代表取締役社長・近藤季洋氏、ピラミッドの代表取締役社長・中野賢氏らが登壇。本作の開発経緯やポイントなどを語った。

　安田氏に紹介されたのは、企画制作を行っているキャラアニの加藤氏。キャラアニにとっては、『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』は初のゲーム事業参戦となる。この偉業は、信頼の上に成り立っていると説明。「良質のゲームを出し続けているファルコムとユーザーの信頼関係。商品開発をライブイベントを通して築かれた日本ファルコムとキャラアニの信頼関係。同じ会社で働いていた中野社長の開発会社ピラミッドとキャラアニの信頼関係。グループのパブリシティを担っている角川ゲームスとの信頼関係。4社で新しい信頼を築き、皆さまに喜ばれる物を作っていきたい」と意気込みを語った。

　続いて登壇したのは、日本ファルコムの代表取締役社長の近藤季洋氏。キャラアニからグッズ販売を提案してもらったところから、パートナー関係がスタートしたという。現在、その商品数は80点にもおよぶ。設定や出来を気にする人が多い日本ファルコムのファンだが、両社が膝と膝を合わせて作っていることで、ファンが満足する商品ができていることを明らかにした。これまでに日本ファルコムのタイトルは、さまざまなハードに移植されてきた。その中でもPCエンジンの『イースI・II』が、ボイスやアニメで特に話題となったが、近藤氏の口からは「今回の『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』は、それを超えていくと考えています！」という宣言が飛び出した。

　ピラミッドの代表取締役社長の中野賢氏と、キャラアニの平賀忠和プロデューサーは、ソフトの特徴を説明。『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』では、オリジナル版のキャストを総動員してメインシナリオをフルボイス化しているとのこと。20,000パターンを超えるボイスがあり、157キャラすべてに声が入るという。

▲ロイド・バニングス		▲エリィ・マクダエル		▲ティオ・プラトー		▲ランディ・オルランド

▲音声はフルボイスになっている。「パターンが多すぎて大変です」と2人は語っていた。

　また、劇中のサウンドは、74曲すべてをアレンジし、新規で収録。主題歌『way of life』もアレンジしていることが明らかになった。また、新たな要素として、支援要請（サブクエスト）も追加。この作成には、日本ファルコムからプロットをもらい、ピラミッドが行っているとのこと。他にも、ムービーを新規作成していたり、グラフィックを高解像度にしたり、新規ミニゲームを追加したりしているそうだ。

▲グラフィックが高解像度化。キャラクターやフィールド、インターフェイスが鮮明になっているという。

▲PS Vitaの機能を生かしたミニゲームが、新たに登場。“ダーツ501”と“クロックメモリ”はタッチスクリーンを、“コロコロみっしぃ”は、本体を動かしつつ、背面タッチパッドを使用する。

▲支援要請が新たに追加。やり込み派のユーザーは楽しみなのでは？

　ここで、スペシャルゲストとして、SCEのプレジデントである河野弘氏が登場。「『英雄伝説』シリーズは、PSPで売り上げを伸ばしているすばらしいタイトルである」と話した後に、毎年12月に行っているPlayStation Awardsの話題に。『英雄伝説 零の軌跡』と『英雄伝説 碧の軌跡』と、河野氏がプレジデントになってから2年連続で選ばれていることからも、「新ハードであるPS Vitaにぜひ参加してもらいたかった」と語った。河野氏は、発売である夏前からいろいろと展開して、しっかり盛り上げていくことを明言した。

　ステージにjdkバンドが姿を見せ、ライブがスタート。『イースII』の『To Make the End of Battle』に続いて、『英雄伝説 空の軌跡 THE ANIMATION』の主題歌『銀の意志 金の翼』を披露。イベントで初お披露目となったのが、新曲『セルリアンブルーの恋』だ。バラード調だが、重低音が響きわたり、力強く優しさを感じる曲になっていた。『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』のどんな場面で使われるのか、楽しみにしておこう。『英雄伝説 零の軌跡』の戦闘曲に続いて、主題歌『way of life』を演奏。熱いステージを展開した。

　ここで、水橋かおりさんと、jdkバンドでボーカルの小寺可南子さん、キーボードの上倉紀行さん、ドラムの岡島俊治さんが登場。Webラジオ『ティオのファルコムラジオ めんどくさいです…でもがんばります』とWeb番組『jdkTV』の特別合同番組がスタートした。

　あいさつに続いて、『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』に小寺さんと上倉さん、岡島さんの3人が、声優として出演することが明らかに。とはいえ、3人はアーティストで、声を当てた経験があまりない。そこで、水橋さんに収録の手本を要求する3人だったが、登場したみっしぃの指示で、その場でロイドにアテレコすることになってしまう。

　その前に、まずは水橋さんがお手本としてロイドになりきった声を披露……してくれるはずだったのだが、その声がまるでティオで3人はずっこけてしまう。続いて挑戦した上倉さんは、熱さこそあったが、タイミングが合わずみっしぃからダメ出しされる。一方岡島さんのアテレコは悪くなく、一応ほめてもらっていた。最後は小寺さんがチャレンジ。しかしなぜか関西弁のロイドで、みっしぃをはじめ、その場の全員からツッコミを受けていた。

　上倉さんは、『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』のBGMアレンジをしている真っ最中。「なかなかいい出来」とのことなので、期待しておこう。続いて水橋さんが「収録がこれからなので、頑張らないといけないのですが、頑張りすぎるとティオでなくなるので、頑張りすぎずにやります！」と宣言。これをもって、イベントは終了となった。

▲左から河野氏、近藤氏、加藤氏、安田氏、中野氏。		▲続いて、jdkバンドと水橋さんがフォトセッションを行った。

▲そんなフォトセッションをうらやましそうに見守る、1つの影が……。みっしぃの希望ということで、最後にもう一度、フォトセッションが行われた。

(C)Nihon Falcom Corporation. / (C)2012 Chara-ani Corporation.
※画面は開発中のもの。

データ

関連サイト

• 『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』公式サイト