2012年3月9日(金)

【電撃Mass Effect】『Mass Effect 3』の女性マネージャーに直撃インタビュー! 『3』にはユーザーの声が大いに反映されている

文:電撃オンライン

 いよいよ3月15日に発売されるPS3/Xbox 360用RPG『Mass Effect 3(マスエフェクト 3)』の、特集企画“電撃Mass Effect”。今回の記事では、3月8日発売の『電撃PlayStation Vol.514』に一部が掲載された『マスエフェクト』シリーズの開発会社Biowareでアソシエイトプロジェクトマネージャーを務める、ロビン・テベルジュ氏のインタビューを全文掲載する。

▲『マスエフェクト』シリーズの完結編となる『マスエフェクト 3』。過去のシリーズに登場したキャラクターも数多く登場する。

■『3』の各要素にはユーザーの声が取り入れられている

――ロビンさんが『マスエフェクト 3』の開発において担当されていたお仕事を教えてください。

 アソシエイトプロジェクトマネージャーをやっています。この役職は、インターフェース周りの仕様や爆発などのビジュアルエフェクト、オーディオ関係をまとめる仕事です。この他、部門の責任者としてスケジュールの管理なども行っています。

――仕事を受け持つ範囲が広いのですね。

 はい。この職種は他の開発パートに素材の提供を行ったりしますので、受け持つ仕事の範囲は自然と広くなりますね。

――ロビンさんはシリーズ1作目から開発を担当されているのでしょうか?

 いいえ。私がBiowareに入社して最初にかかわったタイトルが『Dragon Age II(ドラゴンエイジII)』でしたので、『マスエフェクト』は『3』からですね。

――『マスエフェクト 2』が発売されたあと、今作への要望で多かったものはなんでしょうか?

 いろいろありましたね。『マスエフェクト』の開発チームは、ファンとの交流をすごく大事にしていまして、普段からファンの意見をゲームの開発に積極的に取り入れているんですよ。『2』の発売後に寄せられた意見で多かったものの1つが、キャラクターカスタマイズの強化でした。

 『2』は『1』に比べるとカスタマイズ要素がやや弱くなっていたので、これを強化してほしいという要望だったんです。今作ではそれに応えて、1作目以上にカスタマイズができるようになっています。あとは女性版シェパード(ジェーン・シェパード)の顔や服装をもっとカスタマイズしたいという声も多く寄せられたため、細かく変更できるようにしています。少し前の話になりますが、この機能を使って女性版シェパードのカスタマイズコンテストも開催したんですよ。

――『マスエフェクト 3』の制作においてもっともこだわったところはどこですか?

 今作は新しいシステムをはじめとしてさまざまな要素を盛り込んだ内容になっています。それらがうまくゲームになじんで楽しんでいただけるよう、調整に時間をかけました。例えば戦闘だけでもカスタマイズ、接近戦での格闘、回避に使う前転・側転など、いろいろな要素が加わっています。それらをうまく使って遊んでもらえるよう、長い時間をかけて調整しました。

▲『マスエフェクト 3』では近接攻撃として、新たにオムニブレードが追加されている。『2』でも近接攻撃はあったが、より接近戦らしいモーションと威力になった。

――体験版をプレイしましたが、『3』の戦闘システムは『1』にあったグレネードが復活しているなど、全体的に『1』と『2』のいい部分が取り入れられているように思えました。

 『2』ではA・RPGの要素を強くしていたのですが、ファンから「RPGらしい部分をもっと楽しみたかった」「アクション要素を強くしてほしい」など、さまざまな意見が寄せられました。今回はたくさんの方に満足していただけるよう、システムを改良している他、それぞれの要素が純粋に楽しめる“アクション”“RPG”“ストーリー”の3つのプレイモードを用意しています。

――『3』でオンライン協力プレイを採用したのはなぜですか?

 これもファンの要望が強かったからという理由があります。ただ、それだけではなくて、今回はシングルプレイヤーモードをより楽しんでもらえるオンライン協力プレイのシステムができたから、という点が大きいと思います。

▲オンライン協力プレイでは、作品中に登場する種族から自分が使いたいクラスと種族を選んで、襲い来る敵を他のプレイヤーと一緒に倒していく。ステージをクリアして経験値をためることで、レベルが上がり、スキルを成長させることができる。

 オンライン協力プレイで友人と遊ぶ楽しみはもちろんですが、このモードでのプレイ内容や結果を、シングルプレイヤーモードに反映できるようになっていますので、両方のモードを楽しんでほしいですね。


『マスエフェクト』のそこかしこに日本のニオイがする理由とは?

――『2』から『3』への引き継ぎ要素はありますか? または『1』の判断結果が『3』で生かされることはありますか?

 ありますね。『1』から『3』への引き継ぎ要素もありますよ。また、『3』から初めてプレイする人には、これまでのストーリーや登場人物がわかるように、解説要素も入っています。今回初めて登場するキャラクターがいるのですが、その人物との会話を通して、『3』から始めた人が内容を理解できるようになっています。

――ちょっと話題はそれますが、1、2作目の中に日本に関係する言葉や文化がいくつか登場します。これはBiowareに日本好きな方が多いということでしょうか?

▲シンアキバには、アサリとハナーのアダルトゲームが売っているという……。想像がつかない。

 そうですね。開発チームの中には日本人のスタッフが2名いるんですよ。『マスエフェクト』は異星人も含めてさまざまな人種が登場するゲームですから、現代と同様、未来の世界でも日本人の活躍や文化を何かしらの形で表現することは重要だと思っています。

――次回作への展開はありそうですか?

 すでにお伝えしているように『マスエフェクト』は3部作なので、物語はいったんここで終了します。とはいえ、『マスエフェクト』はSFとしてかなり濃い世界ですし、また別の物語にご期待ください(笑)。

――このシリーズは印象に残る登場キャラクターが多いので、この3作だけで終わってしまうのはもったいないなぁと個人的に思っているんです。

 私もですよ(笑)。作品に登場する彼らは私のいい友人でもあるので、ここで物語が終わるのはとても残念です。

――ちなみに『マスエフェクト』シリーズの中で一番好きなキャラクターは誰ですか?

 う~ん、難しいですね。私はリアラですかね。1作目で深い関係にもなりましたし(笑)。ゲーム中は、いつもリアラのところに相談にいっていました。

▲アサリ族のリアラ。『2』ではパーティメンバーとして一緒には戦えなかったが、『3』では序盤からメンバーになってくれる。

―― 一応、お伝えしておくと、私はタリが好きです(笑)。

 そうですか。日本ではタリが好きな方が多いようですね(笑)。

▲クォリアン族のタリ。この画面写真は『マスエフェクト 2』のものだが、『マスエフェクト 3』でも登場を期待したいところだ。そのヘルメットの中身は明かされるのか!?

――発売を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 発売まで1週間となった『マスエフェクト 3』の開発者インタビューをお送りしたが、いかがだっただろうか? 残念ながらロビン氏のフライト時間が迫っていたために、長いインタビュー時間を取ることはできなかったが、皆さんが『マスエフェクト 3』をプレイするにあたって、気になる部分が補完できたのなら幸いだ。

 今回のインタビューで『マスエフェクト』シリーズの物語が完結であると伝えられたわけだが、まだこの世界が完全に終わるわけではない、という希望も持ちつつ、3部作を味わいたい。

 また3月12日 20:00から、“『マスエフェクト 3』発売前夜祭 広橋涼・竹本英史の銀河の平和は俺が守るスペシャル!!”と題した特別番組が配信される。これは声優の広橋涼さん、竹本英史さんのお2人が実際に『マスエフェクト 3』をプレイしながら、その魅力を紹介していくというもの。興味がある人は、こちらもぜひチェックしてもらいたい。

電撃Mass Effectへ!

特集ページ“電撃Mass Effect”へ!

データ

関連サイト