2012年3月27日(火)
――先日、通常版と限定版のパッケージが明らかとなりました。その絵柄に隠された意味・メタファーはいくつぐらいあるのでしょう? パッケージの色と構図、エニアグラム上の光点、渡瀬と夏彦のちょうど頭の位置にあるラボの内観と外観……気になるところがたくさんあります。
おっしゃる通りです。パッケージには、渡瀬と夏彦の役割や悠里の立ち位置、AルートとBルートはどのような物語なのか……などなどの意味が込められています。『ルートダブル』を最後までプレイしてからパッケージを比較してみると、いろいろと感じ取れるものがあるはずです。
――パッケージを初めて見た時に、ヒントが多すぎやしないかと心配になりました(笑)
タイトル名、タイトルロゴのデザイン、主題歌の歌詞やオープニングムービーの演出、パッケージのイラスト、キャッチコピーなどは、ゲーム内容をすべて知ってから見直すと「うおおお! そんな意味があったのか!!」と驚けるものにするのが好きで、いつもやっているんですよ(笑)。全部知っている人からすると、「ネタバレじゃないのか?」と心配になる場合もあるみたいですね。
でも、真相を知らない人からすれば、何もわからないようになっている。そういうバランスが大好きなんですね。プレイ後に見ると、すでにとんでもない答えが出ていたと。
――それは、体験版をプレイした時にも感じました。これは、いくつかの真相にたどり着く人がいるんじゃないかと。
いくつかの謎は、解けてしまってもまったく問題ないと思っています。その謎が解けても、解けたことによって浮き彫りとなった新たな謎を、終盤までずっとひっぱっているのが本作のポイントです。
――ヒントの他に、ミスリードもありましたね。
たくさんあります。他にも、なんでもないセリフの中に、ものすごい意味も隠されていて。例えばBルートをプレイすると、Aルートのなんでもないセリフ回しに意味が隠されていることがわかります。
すべてを知ってから改めて最初からプレイしたり、パッケージや歌、ムービーを確認したり、これまでの広報展開を見直すと、きっと気持ちよくなると思います。
実は、『ルートダブル』というタイトルを発表してから、これまでの道筋すべてに仕掛けが入っています。なのでクリア後に、インタビューも含めて道筋を辿ってみてください。
――体験版をプレイして感じたのですが、ゲームオーバー時に出るヒントがほとんど答えだったような気がします。
そうですね、体験版のヒントはズバリ“このタイミングで、こうしなさい”というものでした。このような仕様にした理由は、第一にまだシステムに慣れていない時期だと思うので、しっかりと教えることによって“何をしたらどういう結果が出る”か体で覚えてほしかったからです。なのでBルートのヒントについても、親切で丁寧なものが多いです。
ただ、物語が最後のほうになるにつれて、ミスの概要だけはざっくりと教えてくれるけれど、どこでそのミスを改修できるかは教えてくれなくなります。
――だいぶ過去にさかのぼって、間違いを直すこともあり得ますか?
あり得ますね。そのミスについては、自分自身で考えてほしいです。理不尽にはしていないつもりですし、“脱出する”ということに関しては言えば、そこまで難しくなっていないと思います。問題は、“どう脱出するか”なんですね。
――何人生き残るか、ということですね。
その通りです。よりよい結末を迎えるためには、非常に難しい決断を何度も何度もして、最適な選択を見つけていかなければなりません。
機能的な意味でも、それほどストレスは感じないはずです。いつでもセーブできるシステムですし、シーン冒頭や“Senses Sympathy System”の分岐のタイミングでクイックセーブ(オートセーブ)する機能も完備しています。バックログ(読み返し機能)から直接ロードすることもできますし、過去にさかのぼってプレイするのは、あまり苦ではないはずです。
――体験版で特に見てほしい、体験してほしいポイントはどこですか?
繰り返しになりますが、“Senses Sympathy System”の醍醐味を実感してほしいです。本当に、AVGの新しい楽しみ方の道筋が見えてきたんじゃないかと思っています。また、中だるみがなく、止め時がわからない物語になっていると思うので、ぜひさわりと言わず最後までプレイしてほしいです。
体験版と言いつつも、Aルートがほぼ省略されることなく収録されていますから、横の分岐もすさまじくあります。エンディングまで到達しても、もう1回最初からプレイしてみてください。実は他にも分岐があって、いろいろな展開があると思います。
――キャラクターごとのエピソードもそのうちの1つですよね。
キャラごとのエピソードは、間違いなく1回では全部見られません。最低でも3周はしないといけないはずです。複数回プレイすることで、さまざまな発見がありますし、新たな謎にうろたえると思います。いろいろなことを知って、推理して、他のプレイヤーと意見を交換して、そうやって発売までに考察を繰り返してみるのも楽しいと思います。ひょっとしたら、そこで限りなく真相に近い回答に辿り着く人もいるかもしれません。ぜひ、製品版で答え合わせをしてみてください。
――非常に個人的なことなのですが、体験版をプレイして椿山恵那がさらに好きになりました(笑)。
本当ですか!(笑) 恵那は、物語を引っかき回す役割を演じつつも、魅力的に描くか、というところで非常に苦労したキャラクターでした。
最初はめちゃくちゃ嫌な奴で、これは誰も好きになってくれないだろうと。それで今度はいい奴にしてみると、まったくクセがなくておもしろくない上に、このキャラならではの活躍ができなくなってしまいました。どうしたら一番いいか本当に試行錯誤したキャラなんです。月島さんとも、何度も熱い議論(バトル?)を交わしましたしね(笑)。でも、そうやって月島さんも諦めないで頑張ってくれたおかげで、非常に味わいのある魅力的で特徴あるキャラになりました。
――私の中では、今のところ風見と恵那がツートップです(笑)。話は脱線しましたが、それでは最後に、体験版を楽しみにしている読者に向けてメッセージをお願いいたします。
大変お待たせいたしました。これまで「おもしろいです」と声を大にして言ってきましたが、その証拠が体験版でお見せできるので、ぜひプレイしてほしいです。実際におもしろいことが、肌で実感できると思います。
もしおもしろいと感じたなら、製品版を買ってほしいですし、この『ルートダブル』は1人で遊んでも楽しいですが、遊んだ後に周りと意見を交わしたりすると、自分1人では気付けなかった発見ができたりして、もっともっと楽しめる内容になっています。なので、体験版が気に入りましたらぜひ周りにも勧めてほしいなと思います。いろんな人が楽しめるAVGだと自負しておりますので、ぜひぜひいろいろな人にプレイしてほしいです。
(C)イエティ/Regista
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