2012年4月16日(月)
『コード・オブ・プリンセス』発売直前インタビュー! 西村キヌさんによる原題は“ドキッ! 女だらけのRPG!! ポロリもあるよ♪”だった!?
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アガツマ・エンタテインメントが4月19日に発売する3DS用ソフト『コード・オブ・プリンセス』の開発スタッフインタビューをお届けする。
『コード・オブ・プリンセス』は、イラストレーターの西村キヌさんがキャラクターデザインやストーリー原案を担当するファンタジーA・RPG。西村さんがフィギュア用に描き起こした設定から広がった世界観をもとに、フィギュアやゲームでの展開が行われている。
本作を手がけるのは、ゲームファンにとってなじみ深いスタジオ最前線や元トレジャーの開発スタッフ。西村さんの妄想から生まれた世界観やキャラクターの魅力はどこにあるのか? 最大4人での協力プレイや対戦プレイも楽しめるユニークなゲーム内容は、どのように作られていったのか? 4人の開発スタッフにインタビューを行い、その開発秘話を伺った。
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●中島 康雄 | ●近藤 敏信 | ●右京 雅生 | ●はん | |||
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▲アガツマ・エンタテインメントに所属するスタッフで、本作のプロデューサーを担当。パブリッシャーの立場からさまざまなアドバイスを行い、ゲーム開発の諸業務に携わった。 | ▲本作の監督で、ディレクションを含めた作業全般を担当。スタジオ最前線の代表取締役。『海腹川背』、『どきどきポヤッチオ』のキャラクターデザインを手がけたことでも有名。 | ▲かつてトレジャーに所属して、さまざまな作品の開発に携わったプログラマー。リリースユニバーサルネットワークの代表取締役。本作ではプログラムやゲームデザインを担当。 | ▲かつてトレジャーに所属していたクリエイター。現在はスタジオ最前線に所属。本作では、ゲーム内容のベースとなる企画原案、敵キャラクターデザイン、モーション監督を担当。 |
■偶然の出会いから始まったゲーム化のプロジェクト
──本作は西村キヌさんが考えていた世界観をもとにしているとのことですが、どんな出来事が発端でプロジェクトが始まったのですか?
近藤 自分がお世話になっている人との打ち合わせに行った時、たまたまempty(本作のフィギュアを発売する会社)の社長さんがいたんです。そこに西村キヌさんが描いたフィギュア用の設定画があって、詳しく話を伺ったところ、そもそもゲーム化を想定して妄想していた世界観がベースにあるとのことでして。それなら自分たちでゲームを作りたいとemptyの社長さんに話をして、プロジェクトが動き始めました。
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▲インタビュー中に見せていただいた莫大な量の設定資料の一部。西村キヌ氏による絵や文章がぎっしりと詰め込まれている。 |
──パブリッシャー(発売会社)であるアガツマ・エンタテインメントと、ディベロッパー(開発会社)であるスタジオ最前線が出会ったきっかけは?
近藤 パブリッシャーを探していた際、知人を通じて紹介していただいた流れです。
中島 弊社はこれまで『アンパンマン』のような知育ゲームが主体だったんですけど、パブリッシャーとしての幅を広げてコアなゲーマー向けの作品も作りたいと考えていたタイミングに話をいただきました。それで企画書や会社概要を見たところ、自分が好きなゲームを作ってきた人たちばかりで驚きました(笑)。
──ストーリーはどんな流れで作ったのですか?
近藤 まず、私が西村キヌさんからひたすら話を聞いて、それをストーリーとして書き上げました。その脚本を西村キヌさんに読んでいただいて、細かい部分の相談を受けたり、追加で新アイデアをかぶせていただいたりと、キャッチボールをしながらブラッシュアップしていった形ですね。
──『コード・オブ・プリンセス』というタイトルは、どの段階で決まったのですか?
近藤 先にフィギュア企画が動いていたので、ゲーム開発を始める段階でもう決まっていました。ちなみに西村キヌさんが当初考えていた原題は、“ドキッ! 女だらけのRPG!! ポロリもあるよ♪”だったそうです(笑)。
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▲物語は、ディスットロン王国のデラクシア王国への侵攻から始まる。デラクシア王国の姫であるソランジュは、聖剣DXカリバーの封印を解いて戦おうとするが、城はあえなく陥落。その後、盗賊のアリーと出会った彼女は、世界の平和を取り戻すべく戦うことに。 |
■タッチ操作を利用した幻のシステムとは? ゲームシステムの裏話を直撃!
──ゲームシステムは、どのような流れで今の形になったのですか?
近藤 正直なところ、右京さんやはんがいる時点で、なるべくしてなったという感じはします。対戦格闘ゲームのような部分がありつつ、RPGとしても遊べますし、1人でも多人数でも楽しめるよい形だと思います。
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▲基本的には横スクロールのA・RPGだが、対戦格闘ゲームとしても遊べるほど多彩なアクションが用意されている。1人で遊ぶ“ストーリーモード”の他、2~4人での対戦や協力プレイも楽しめる。 |
──開発スタッフを見るとセガサターンで発売された『ガーディアンヒーローズ』(右京氏やはん氏が開発に携わったA・RPG)が思い出される部分がありますが、意識した部分はありましたか?
右京 『ガーディアンヒーローズ』自体がかなり前の作品となるので、その際にできなかったことややり残したことのリベンジを意識した部分はあります。正直なところ、3DSのスペックでも、自分が本当にやりたいことを完全にやりきったとは言えないんですけど、できるだけプログラミングで工夫をして理想形に近づけていった感じです。
──右京さんが開発された作品は、ハード性能を引き出すチューンナップがされたものが多かった気がします。
右京 今回も限界ギリギリまで性能を引き出せるように頑張りました。これは時代の流れでもあるんですが、最近のゲーム機はポリゴンによる3D演出を前提としたマシン設計になっているんですよ。だから今回やっているような、プリレンダCGを使って大量のアニメーションを2D的に見せるゲームには不向きな部分があります。そこをなんとかやってみた感じですね。
──3DSならではの機能を意識した部分はありましたか?
右京 初期は、3DSならではの部分を組み込まなくちゃいけないという雰囲気がありましたね。立体視の演出とか、タッチ操作の部分とか。
はん 手前や奥に動けるライン制のバトルを考えていたので、立体視の部分はうまくマッチするかなと思っていました。
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▲ステージは手前、中央、奥と3つのラインで表現されている。多くのキャラクターが集まって混戦した場合などは、ラインを変えて逃げることも重要となる。 |
右京 逆にタッチ操作は、うまく生かせる部分がなかったので、今回はオミットしています。
はん 入れようとした時期はあったんですけどね。下画面にミニマップ的なものを表示して、タッチした敵を複数まとめてロックオン状態にできるとか。ただ、アクションゲームを遊んでいる最中に、ボタンを押す指を離してタッチするという流れが気持ち悪かったんですよ。
→手応えを感じた瞬間やバランス調整に関する裏話とは?(2ページ目へ)
(C)Agatsuma Entertainment Co.,Ltd. (C)empty/西村キヌ
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