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2012年4月16日(月)

もしかしてループもの? Xbox 360『ルートダブル』体験版座談会で電撃の編集&ライターが真相の一部を大予想!?

文:ごえモン

■主人公たちは“二重の意味”で大変です

ごえモン:ものすごく簡単に物語をおさらいすると、重大な事故が発生して研究所内に閉じ込められてしまった男女9人が、なんとか脱出しようとするサスペンスストーリーだね。

カズ:研究所の出口が開くまで9時間。でも、Alone Desire(AD)という薬を1時間に1回打たないと、研究所内に蔓延した“死の灰”に体が蝕まれて死んでしまうんですよね。

ごえモン:うん。まさか閉じ込められるなんて思っていなかったし、いるはずのない高校生たちを発見したことで、主人公たちレスキュー隊員が持っているADの数が足りなくなってしまう。最初は脱出に向けて協力し合うんだけど、施設内で3つの惨殺死体を発見してからは、“この中に犯人がいるかもしれない”という疑惑が生まれ、仲間たちの関係がギスギスしてしまうわけだ。

『ルートダブル -Before Crime * After Days-』 『ルートダブル -Before Crime * After Days-』
▲登場人物たちの命綱“AD”。9人を9時間延命させるには、圧倒的に数が足りていない。▲研究所から脱出しようとしているうちに、3つの惨殺死体を発見。研究者やレスキュー隊員だと思われるが……一体誰が?

カワチ:体験版をプレイすると、“infinity”シリーズを彷彿とさせる部分が多々ありました。体験版でプレイできるAルートと、製品版でプレイできるBルートでは、主人公と登場キャラが違いますし。

ごえモン:中澤さんの作品だからね。主人公が鏡を見るシーンとか、彷彿とさせる要素はたくさんった。あとは、中澤さんが移植を担当した『シークレットゲーム ‐KILLER QUEEN‐』の要素も加味されている印象だね。一応、ここにいる3人はAルートのエンディングまで見たわけだけど、実際にプレイしてみてどうだった?

カワチ:うーん、謎が深まっただけだったような気がします(笑)。

カズ:そうですね。余計わからなくなったというのが正直なところです。

ごえモン:ちなみにどの辺りがわからなかった?

カワチ:非科学的なことが、どこまで常識としてある世界なのかが、Aルートに出てくる登場人物だけではわからないんです。超能力的な力(BC)を持っているのが、今回は登場しなかったBルートのキャラクターだったから、どう使うのかもわからなかったですし。

ごえモン:一方だけの観測では、事象が確定しないと。うん、いい意見だ(笑)。

カワチ:結局主人公も、記憶喪失じゃないですか? 主人公の記憶が嘘だった場合、世界観そのものが嘘にできちゃいますからね。だから、オレは主人公が怪しいかもしれないと思っています。

『ルートダブル -Before Crime * After Days-』
▲主人公・笠鷺渡瀬。Aルートの冒頭で記憶を失う。おぼろげに、“怪物と出会った”という記憶があるが、怪物とはなんなのか?

ごえモン:なるほどね。記憶がない主人公が、実は殺人犯だった……王道だね。考察は後にとっておくとして、今回、緊迫感と疾走感を特に重視した、中だるみしないシナリオが魅力ということだけど、体験してどうだった? 個人的には、序盤、少し説明過多だったんじゃないかとは思った。主人公が記憶喪失なこともあって、説明するべきことが多いのはしょうがないことではあるんだけど。

カワチ:それを言ってしまったら、5時間くらい進めても、まだ本筋に入らないようなゲームもありますよ(笑)。

ごえモン:確かに。昔ならいざ知らず、今の時代で5時間くらいプレイしても話が盛り上がらないとなると、目も当てられないよね。1~2時間で状況説明が終わったと考えれば、『ルートダブル』はいいほうかな?

カワチ:オレはいいほうだと思いますよ。しっかり緊迫感のあるストーリーにもなっていたし。

ごえモン:とりあえずの状況説明が終わって、いざ脱出しようとするといろいろな問題が出てくるのもよかった。個人的には、5mくらいの水溜りに切れた電線が浸っていて、ジャンプするか迂回するかを考える場面。あそこを切り抜けて以降、いろいろな問題が次から次へと降りかかって、解決したと思ったら即座に新しい問題が出てきて……。この辺りの緊張感は最高だったかな。

カワチ:その辺りから、プレイヤーの緊張感がなかなか途切れないようになっていましたね。火災を切り抜けたと思ったらすぐに有毒ガスが出てきて、その後にもピンチが続いたり。個人的な話ですが、火とか煙って怖いなって思いました。

カズ:怖いですよね。“バックドラフト”とか“フラッシュオーバー”とか、思わずメモっちゃいましたよ。ためになりますよね、このゲーム。

『ルートダブル -Before Crime * After Days-』 『ルートダブル -Before Crime * After Days-』
▲消化システムが作動しない施設内で、常に火災に気を配りながら脱出を試みることに。何も考えずにプレイしていると、火災や爆発に巻き込まれ、すぐにバッドエンドになってしまう。

ごえモン:映画の『バックドラフト』や『タワーリング・インフェルノ』とかを観たことがない人は、『ルートダブル』をプレイしておけばいいということか(笑)。……ゲームは教材!

カワチ:何を言ってるんですか(笑)。あと気になったことがあるんですが、水溜りに切れた電線が浸っていて、飛ぶか迂回するかを選択する場面。目の前の出来事に意識しすぎて、それを仕組んだ人間がいるんじゃないか? というところまで、登場人物たちの頭が回っていなかったなと感じました。

ごえモン:おお! するどい意見だね。体験版の中盤までは、脱出劇に重きを置いていた印象だよね。それが、“あえて”なのかもしれないと。

カワチ:はい。オレにはミスリードに感じました。

カズ:なんとなくの違和感は脱出劇中にもあるんですけど、他殺体が発見されるところから、だんだんと物語が変わっていきますよね。ただの脱出劇じゃなかったと、この辺りから実感できました。

カワチ:渡瀬たちは大変ですよね、二重の意味で……。

ごえモン:ルート“ダブル”だけに?

カズ:なんか今、すごくいいこと言った気がします(笑)。

カワチ:さっきのオレの発言、赤字にしておいてください(笑)。

『ルートダブル -Before Crime * After Days-』
▲『ルートダブル -Before Crime * After Days-』というタイトルには、さまざまな意味が隠されている。製品版のプレイ後、どのような意味が隠されているのか考えてみると、より楽しめるのかもしれない。

→選択肢を排除した新システムへの印象は?(3ページ目)

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