2012年5月12日(土)
【Spot the 電撃文庫】アンバランスな感じを楽しんで――ハイテクな田舎を舞台にした『インテリビレッジの座敷童』を執筆した鎌池先生を直撃!
電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第32回となる今回は、『インテリビレッジの座敷童』を執筆した鎌池和馬先生のインタビューを掲載する。
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▲真早先生が描く『インテリビレッジの座敷童』の表紙イラスト。 |
本作は、田園風景と最新鋭テクノロジーのコラボエリア“インテリビレッジ”を舞台にしたオカルトコメディ。電撃イラスト大賞の受賞者が参加できるコラボレーション企画“illust×story”から生まれた作品だ。“田舎”としての演出が完璧すぎるゆえに、妖怪さえも引き寄せてしまうインテリビレッジ。ここで暮らす高校生・陣内忍(じんない しのぶ)は、座敷童(巨乳のゲーム好きお姉さん)に居候されたり、雪女(誰にでも求婚するロリ少女)からの猛烈なアタックを受けたりしながら、妖怪たちとともに日常を送っていた。
しかし、そんな平穏なインテリビレッジにも落とし穴があったのだ。それは、妖怪の持つ特性を利用した人為的犯罪システム“パッケージ”。偶然にも忍は、その片鱗(へんりん)に触れてしまい……。
鎌池先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいたので、興味がある人はぜひご一読いただきたい。また、第20回の募集が開始された電撃大賞の公式サイトでは、真早先生のインタビューイラストを担当したも掲載中。そして、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
雑誌の企画から始まったものですが、あれだけで終わらせるのは惜しい、という感じでふくらんでいきました。
――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。
ハイテクな田舎に、妖怪を利用した犯罪と、今回もいろんなエッセンスをごちゃ混ぜにして作品のカラーを作っています。アンバランスな感じを楽しんでいただければ。
――作品を書くうえで悩んだところはどの部分ですか?
テーマがテーマですので、強い力を持つ者ほど不可解で、底の見えない感じに調整したところでしょうか。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
1カ月程度でしょうか。
――主人公やヒロインについて、生まれたきっかけや思うところなどを教えてください。
元々は雑誌の企画から始まったものですが、長編にするにあたって、人間と妖怪が出てくるお話なので、何百年も生きている妖怪の雰囲気をどう表現するかで少し苦労したかも? 結果、反抗期の主人公とその自尊心をもてあそぶヒロインになりましたが。
――特にお気に入りのシーンはどこですか?
ここでは深くは言及しませんが、やはりラストのとどめのシーンでしょうか。
――今後の予定について教えてください。
確定したものは特にありません。スケジュールについては編集さんのほうが詳しいかも?
――小説を書く時に特にこだわっているところはどこですか?
お話の組み立て方について、常にいろんな方法を模索することでしょうか。例えばアクションものを書く場合でも、1つのお話の中にはコメディやサスペンスっぽいシーンも出てくると思いますので、メインテーマでない方法論も学んでおいて損はないのでは、と思います。……もう日本語の縦書きだけ、なんて構造からも抜け出して、グラフや表なんかをふんだんに使った作品とか書けないかな、とか密かに考えています。実現するかは微妙ですけど。
――アイデアや集中力を高めるためにやっていることはありますか?
鶏が先か卵が先かの話になりますが、設定ラフなどを改めて拝見させていただくと力になります。
――高校生くらいの時に影響を受けた作品を教えてください。
なんだかんだで戦って決着をつけたがるクセは、金曜日の9時とかにテレビで繰り返し流れていたハリウッド映画のおかげなのかもしれません。
――現在注目している作品や作家を教えてください。
ラブコメとかホラーとか、バトル系とは物語の“速度”が違うジャンルが気になるといえば気になります。
――今熱中しているものはありますか?
子どものころ苦手だった食べ物に再トライ。何で苦手だったのか拍子抜けするものもあれば、今でもやっぱりダメなものもあります。
――読者の皆さんに一言メッセージを!
新しくシリーズをわけたからには、このシリーズでなければできないことを山ほど盛り込んでいる、つもりです。楽しんでいただければ。
(C)2012 ASCII MEDIA WORKS
表紙イラスト/真早
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