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2012年5月22日(火)

仲間にできるサポートポーンは20万体以上!? 『ドラゴンズドグマ』開発インタビュー特別バージョンをお届け

文:電撃オンライン

■仲間にできるサポートポーンは20万体存在します!

──仲間に加わるサポートポーンや、村や街の住人たちは開発スタッフがエディットされたのですか?

伊津野:サポートは自動生成できる特別なツールを作りまして、それを使って作成しました。

小林:種類としては1万体と発表していますが、レベル別に存在しているので本当は20万体います。ただ、それを言っても理解してもらえませんし、逆に引かれてしまうと思って大々的には発表していません(笑)。

伊津野:村や街にいる人々は、完全に敵にしかならない盗賊などを除けば200体以上いますね。こちらはエディットのツールを使っていますが、ゲームで使うものよりも細かく設定できる開発用ツールで作っています。1体ずつ手作業で、それぞれ味のある人物に仕上げています。

──ポーンはセリフがフルボイスですが、どれくらいのバリエーションがあるのでしょうか?

小林:すべて含めたら数万パターンはありまして、収録だけで3カ月くらい費やしています。

伊津野:フルボイスにするためにかなり早い段階で準備しておく必要があったので、実際に収録したのは採用されたセリフの5倍くらいになりますね。場所ごと、クエストごと、敵ごと、習得している知識の度合いごとに細かく変わりますので、注意深く聞いてほしいです。

──ポーンのAIを構築するうえで気を遣われた部分や苦労されたところはありますか?

伊津野:お利口すぎず、おバカすぎず、それが成長の度合いによって変化していくところがたいへんでした。基本は覚者様(プレイヤー)を立てる、接待プレイに徹するようになっていて身勝手に行動するものではありません。あくまでもプレイヤーが気持ちよく遊べるように立ち回る動きにしています。

小林:宝箱なども開けるだけ開けて、なかなか取らないポーンもいると思うんですよ。それはプレイヤーが取るのを待っているんです。あと性格によっても違いまして、宝箱に興味がない者とか、採集が大好きな者とか、いろいろなポーンを用意しています。

──メインポーンの性格は、最初に行う質疑応答で変えられるようですが、どんな影響が出るのでしょうか。

伊津野:内部的にはすごくたくさんのパラメータがありまして、「○○しやすい」「○○しにくい」など、いくつかを強制的に修正するのが、あの質疑応答ですね。それ以外にも、薬で無理やり性格を変えることもできますが、基本的には勝手に成長していきますので、それを自分好みに教育していくことになります。

小林:ユーザーによってプレイスタイルが違いますので、何が賢いかというのは人によって違いますからね。

伊津野:ですから、自分がピンチの時に積極的に助けに来てくれることを優先する、敵に対して攻撃を優先する、弱いものから順にやっつける、強いものに行く、戦わずにアイテムを拾う、などと、その優先順位が性格ごとに全然違ってきますので、自分好みに育てられますよ。

──メインポーンはどういった経験をすると成長するのでしょうか。

伊津野:基本的にはプレイヤーの行動を見て、その行動に合う最適な性格になっていくよう育っていきます。それで気に入らなかった場合は、教育して性格を変えるか、薬を飲ませて変えるか、もしくは実際に戦闘中に掴んで場所を移動させる(行動を中断させる)ことによっても多少は性格を変えることもできます。

 つまり「そっちじゃないよ」という行動の中断も、多少は影響するようになっているということです。このゲームは全般的にそうなんですけど、「こういうことをしたら、こうなってほしいね」と思うことは、全部できるようになっているというのが正解かもしれません。教育に関しても、単純に「賢い」というよりも、幅を持たせること。賢くもあるし、単純に賢いだけじゃなくて思考に幅があって、個性に差が出るようにというところを意識して作りましたね。

──ポーンに混成強化職が存在しないのは、どういった理由からでしょうか?

伊津野:本作は職業の組み合わせでも攻略していくゲームですが、ポーンの組み合わせだけで、すべての職業をそろえるのが難しいんですよ。そこで主人公だけは2つの特性を持てるようにしました。立ち位置としても役割としても、ちょっと特別感を感じてもらいたかった意図もあります。

──やはりサポートポーンの2人は、入れ替えながら進めるのが基本になるのでしょうか?

伊津野:「サポートポーンはレベルアップしない」というのが最大のポイントです。主人公は成長しますので、ずっと同じサポートポーンを雇い続けていると変えざるをえなくなるんです。これが実は発明だなと思っているんですけど(笑)。過去に雇ったサポートポーンは履歴に残りますので再び雇うこともできますが、オンラインで他のユーザーのメインポーンを借りた場合、おもしろいことが起こると思うんですよ。まるで同窓会で再会した時みたいな。久しぶりに「あいつどうしているかな?」って再会すると、化粧は濃くなっているわ、髪型も変わっているわ、中学生のころの初々しさはどこに……。すっかりたくましいレンジャーになって、みたいな(笑)。

──ジョブチェンジの方針について、アドバイスがありましたらお願いします。

伊津野:自分に足りない特性はポーンで補うことができますので、好きなジョブを選んでいただいて構いません。1つのジョブを極めるのもいいですし、いろいろ寄り道してみるのもいいですし。ただ、それぞれにジョブランクというパラメータがありまして、1つのジョブを続けているとランクが徐々に上がっていくんですよ。ランクが最大になるともう上がりませんので、他のジョブのランクが必要ならチェンジしたほうがいいです。

──初めて転職する時点で、いきなりすべての職業が選べるのは、どうしてでしょうか?

伊津野:名称的には上位強化とか混成強化という言い方になっていますが、意味合い的には完全な上位ということではないんです。9種別々の個性を持った職業という認識でいていただければなと。本当は一般的なRPGのように、この職業とこの職業をある程度まで上げたから、ポイントがたまって新たな職業になれますといった方法も考えました。でも、そうするよりも「すべての職業に別々の個性を持たせる」という意味で、いきなりすべての職業をオープンにしたほうがおもしろいと思い、そうすることにしました。

 それぞれの職業に一長一短がありますから、ポーンに関しても貸し借りをするようになった時に気付くと思いますよ。何かの能力に突出しているポーンは人気があるな、とか。そういったニーズがわかってきたら、育て方を工夫してみると借りられやすくなるかもしれませんね。育て方しだいで「対○○戦用」のポーンというのも作れます。

『ドラゴンズドグマ』 『ドラゴンズドグマ』 『ドラゴンズドグマ』
▲最初から選択可能な基本職のファイター、ストライダー、メイジ。装備や攻撃方法などが異なる。
『ドラゴンズドグマ』 『ドラゴンズドグマ』 『ドラゴンズドグマ』
▲そして上位強化職のウォリアー、レンジャー、ソーサラー。それぞれの基本職の能力を強化した職種。
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▲2つの職業を組み合わせた特性を持つ混成強化職。ミスティックナイトはファイターとメイジの混成強化職。アサシンはストライダーとファイターの混成強化職。マジックアーチャーはストライダーとメイジの混成強化職となっている。

次のページでは、本作の緻密なデザインについてを掲載!

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データ

▼『ドラゴンズドグマ LIMITED EDITION』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS3/Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年5月24日
■希望小売価格:各11,990円(税込)
※イーカプコン専売

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