2012年5月22日(火)
伊津野:まず全体マップをデザインする時に、最初から想定した攻略順みたいなものを決めました。マップの配置を決めて、進み方を決めて、山場ごとにボスを配置していくという具合にですね。ただ、グリフィンに関してはカッコいいので、いいところに置きたかったですね(笑)。
──体験版ですとプレイヤーはみんなグリフィンだけをひたすら倒しているようでした。伊津野:そうか、皆さんもう何十回も体験版で倒しているんですね。そこまではあまり考えていなかった(笑)。でも一番見栄えのするボスなので体験版に持っていきたかったんですよね。
小林:グリフィン戦には、「掴む」という本作のウリのアクションを使って空を飛んで、落ちたら死ぬことを含めて、いろいろな表現が入っています。それに、4人の連携も大事なバトルにはなりますし、体験版としてはいい相手なんじゃないかと思いました。
──一度倒した敵がフィールドに復活する時間は決まっているのでしょうか?伊津野:場所とモンスターによって変えていますね。ずっと同じ敵が出てくるわけでもなく、特にボス系は違うやつが出てきたりもします。
──ウサギとか狼には生息域がありますか?伊津野:ウサギだけではなく、すべてのモンスターに生息域があります。ウサギなどは早いタイミングで復活するように設定されていますね。
小林:あ、いろんな動物を掴んで投げることもできますよ。投げてキャッチボールみたいなこともできます(笑)。
──時間の経過でアイテムが腐るのも驚きましたが、こちらもリアリティの追求で採用された要素でしょうか?伊津野:きっかけは単純で「腐りかけの肉はたくさん体力が回復するようにしたい!」というところから始まったんです。ならばちゃんと腐るようにしようとか、腐ったものを食べると毒になるとか「これがこうだったら当然こうなるよね」「こうだったほうがおもしろいね」というのを連鎖的に加えていった感じです。
──オオカミを倒した時、出現する肉がすでに腐りかけなのはなぜでしょうか?伊津野:ハイエナっぽいモンスターでしたので、それもいいかなと。全体的にわりとみんなが思い込んでいるファンタジーのイメージがふんだんに盛り込まれたゲームになっています。この世界では卵がエリクサーだったりしますし(笑)。体力もスタミナも回復しますが、腐った卵を食べた時のダメージもハンパではない……と。
──フィールドや時間の流れに関してですが、夜になると本当に真っ暗になりますね。小林:それについても最初のコンセプト通りです。
伊津野:明るさの調整は何度もやり直しました。遠景は空とのコントラストでシルエットはわかりますが、近景はまったく見えないような色合いに。新月にやった肝試しの思い出をベースにリアルな暗闇を作っています。
──フィールドにある宝箱や木箱の中身はランダムでしょうか?伊津野:宝箱ごとに何が出るかの種類と確率が全部違います。一度取ったら数日後に再設定されて中身も異なります。木箱よりは宝箱のほうがいいものが入っていますね。
──家の中にいろいろなアイテムが置いてありますが、勝手に持って行ってもいいんですよね?伊津野:宿屋などに置いてある肉とか、そういうものは自由に持って行っても大丈夫です。もちろん、捕まることはないですから。取ったらダメなゲームもあるじゃないですか? そこは本作では自由にしていきたいと思いました。
──体力の上限が少しずつ減っていくシステムを採用されたのは、どういった理由からですか?伊津野:宿屋に行くタイミングを作りたかったんですよ。本作にはMPの概念がありませんので、ずっと屋外で活動できてしまうんです。そこで体力の上限を徐々に減らすことで、行くか戻るかをユーザーに選択させる状況を作り出したかったんです。ちなみにレベルアップすると体力とスタミナが全回復! というのもナシです(笑)。
小林:つねに死と隣り合わせのスリリングな冒険をしてほしい、ということから出たアイデアですね。
──敵の配置も凝ってますよね。盗賊は石を落として攻撃してきたりしますし。小林:最初からあれほど絶妙なバランスではありませんでした。調整に調整を重ねた賜物ですね。
伊津野:やっぱり冒険といえば「死ぬかと思ったよ!」という体験も大事なエッセンスだと思いますので、その点を意識して配置しています。怖いもの見たさでどんどん突っ走るユーザーさんには、ちゃんと死ぬほど怖い目に遭えるようにしていますので期待してください(笑)。
▲体験版ですでに戦ったプレイヤーも多いかと思うグリフィン。このモンスターとの戦い方で本作の戦闘の特性を掴めるとのこと。 |
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