2012年6月4日(月)

『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』キャンペーンモードをプレイレポート! ハイテク装備で敵のヒミツもまる見えに!!

文:イトヤン

 『ゴーストリコン』の最新作が登場したとあっては、黙ってはいられない! 『レッド・オクトーバーを追え!』から始まる『ジャック・ライアン』シリーズはすべて読破している、大のトム・クランシーファンであるこの私、ゲームライターのイトヤンが、キャンペーンモードを実際にプレイした動画とあわせて、7月5日に発売されるPS3/Xbox 360用ソフト『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』をレポートしていきましょう。

『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』

■ハイテクだけどリアル! 絶妙なバランスで描き出される未来の戦場

 過去の『ゴーストリコン』シリーズはもちろんのこと、『レインボーシックス』や『スプリンターセル』といったトム・クランシーブランドのゲームをずっとプレイし続けてきた自分としては、今回もっとも気になっていたのは“フューチャーソルジャー=未来の兵士”というサブタイトルです。ゲームに限らず小説でも、トム・クランシー作品というのは常に現実の世界情勢を踏まえた上で、その一歩先を行く状況の中で展開される軍事行動を描いています。つまりトム・クランシー作品は、そもそも近未来の物語なのです。

 ところが今回は、わざわざ“未来の兵士”と銘打っているわけで。これはひょっとしたら、ポリティカル・フィクションの枠を超えてSFの領域に踏み込んでしまうのでは? と、期待よりも不安のほうが上回っていたというのが、自分の正直な気持ちでした。

 でも実際にゲームをプレイしてみて、その不安は一掃されました。たしかに本作でプレイヤーが操作するアメリカ陸軍の特殊部隊“ゴースト”は、光学迷彩やドローンといったハイテク装備を自在に操る、まさに“未来の兵士”という呼び名がふさわしい連中です。しかし、そうしたハイテク装備は現在すでに実用化されていたり、実際に実用化が研究されていたりするものばかりで、決してSF的な万能のアイテムではありません。

『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』 『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』
▲さまざまな情報がAR(拡張現実)ゴーグルを通して兵士の目視上に表示される“クロスカム”。そして兵士の身体に周囲の映像を投影する“光学迷彩”。一見するとSF的に見えるこれらの装備も、実際に米軍で研究が進められている技術です。

 さらには物語の背景となる世界情勢にしても、アフリカでは内戦による混乱が続き、ロシアではマフィアや武器商人といった非合法組織が暗躍しているなど、現在伝えられている情勢とほとんど変わりありません。西暦2030年というゲームの時代設定を考えれば、むしろ変わらなさすぎと言ってもいいぐらいでしょう。

 現実の技術に裏打ちされたハイテク装備を操る兵士たちがリアルな状況設定の中で大活躍する。これまでのトム・クランシー作品のお約束であり、最大の魅力でもあったこのシチュエーションは、本作でもしっかりと守られています。そればかりか今回は、ハイテク装備を活用した戦術をより強調することで、ゴーストチームの戦闘そのものを、よりドラマチックに表現しているのです。

『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』 『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』
▲内戦のために故郷を逃げ出したアフリカの人々が暮らす難民キャンプも、犯罪組織の支配下に置かれてしまっています。ゴーストチームが戦う舞台は、こうした現実世界のリアルな情勢を反映した場所となっています。

 たしかに、ゴーストチームが使用するハイテク装備は現実の技術の延長線上ではあるのですが、ゲームの中で自分で実際に使用してみると、「え~っ!」って驚くぐらいスゴイ能力を持っています。たとえばボール型のセンサーグレネードを敵の隠れていそうなあたりに投げ込むと、温熱感知や磁気反応によって、隠れてる敵の位置がまる見えになっちゃいます。こんなにスゴイ技術がほぼ実用化されてるんだから、そりゃあ現実世界で米軍の強さがチート級なわけですよねぇ(笑)。

『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』 『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』
▲センサーグレネードやドローンに搭載された小型カメラの映像を使えば、敵兵士の行動をすべて把握することができます。敵の人数と居場所を知ることができれば、あとの対処はそんなに難しくはないはずですが……。

 他にも、兵士の行けない位置に隠れている敵をドローンで探し出したり、砂嵐の中にいる敵の位置をX線カメラで透視したりと、見えない敵の位置を知る索敵能力のバリエーションが実に豊富です。また、光学迷彩によって自分たちの姿を敵から見えなくすることも可能で、敵地の奥深くに潜入する任務ではステルス状態を保つことが極めて重要になっています。

 考えてみれば、敵の位置さえ把握しちゃえば、あとは銃弾を命中させるだけですから、それに際しては、現行の技術で十分ということなのでしょう。そうした思い切りのいい割り切り方が、個人的には非常にリアリティを感じるところです。“敵の位置をいち早く知り、自分たちの位置は絶対に悟らせない”という、索敵の重要性が戦いのカギとなることを、本作では身をもって実感できるのです。

『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』 『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』
▲ミッションによっては、敵に自分の存在を気づかれただけで、任務失敗となってしまうケースも。敵兵士を倒す順番を間違えただけでも、死体を他の敵に目撃されて、警戒される羽目になってしまいます。

 ……などと偉そうに語っちゃってますが、実際に自分でプレイしてみると、サイレンサーを使い忘れて銃声で自分の位置がバレちゃったり、センサーグレネードと間違えて手榴弾を投げちゃったりと、失笑ものの行動を連発しちゃうわけでして。そういう失敗をやらかすたびに、戦いで本当に重要なのは装備の善し悪しなんかじゃなくて、やっぱり人間の能力なんだなぁと、痛感させられちゃうんですけどね、ハイ。

プレイ動画で確認! やっぱり日本語音声はありがたい!→(2ページ目)

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