2012年6月7日(木)
現在開発中のPS3/Xbox 360用ソフト『XCOM:Enemy Unknown(エックスコム:エネミーアンノウン)』のリードプロデューサー・GARTH DEANGELIS氏へのインタビューをお届けする。
本作は、『シヴィライゼーション』シリーズをはじめ、ストラテジー系のゲームで定評のあるデベロッパー・Firaxis Gamesが制作するSLG。1994年~2001年にかけて発売されたターン制SLG『X-COM』シリーズをオリジナルとした完全新作で、オリジナルのシステムを踏襲しつつも、新しい試みが意欲的に盛り込まれた作品となっている。発売は、北米で10月9日。その他の地域では10月12日を予定している(日本では発売未定)。
インタビューに先駆けてE3会場内で行われたプレゼンテーションでは、ゲーム内でエイリアンと地球人がどのように戦うのかが説明された。スクリーンショットをご覧いただければわかるように、現行の兵器よりもさらに発達したSF的な兵器も数多く登場するようだ。また、“車の陰に隠れる”“ジェットパックで空を飛び、高所から敵を狙う”といったようなステージ内のギミック、高低差による有利不利もあるようだった。
▲本作のスクリーンショット。 |
インタビューでは、プレゼンテーションで気になったポイントに加えて、なぜ本作を開発するに至ったかなどを聞いてみたので、興味がある人はチェックしてほしい。
▲GARTH DEANGELIS氏 |
――まず最初に、『X-COM』シリーズの新作を作ることになった経緯を教えてください。
Firaxis Gamesがストラテジー系のゲームを非常に得意としている会社というのもありますが、やはりリードデザイナーのジェイク・ソロモン(Jake Solomon)を筆頭に、多くのスタッフが『X-COM』大ファンだというのが原点ですね。そこから、『X-COM』を現在のゲームとして再構想し、新しい『X-COM』を作りたいという思いが開発のきっかけとなります。
――開発期間やスタッフの人数など、プロジェクトのスケールどれぐらいでしょうか?
現在、開発がスタートしてから大体3年半ぐらいです。チームとして、40~50人のスタッフが開発にかかわっています。
――開発を進めていて、どのような点で苦労をしましたか?
ハードコアな『X-COM』ファンだけが楽しめるものにするのではなく、オリジナルの要素を全部詰め込んだうえで、モダンな作品にすること。そして、現在のゲーマーたち全員が楽しめるような内容に仕上げるのが一番難しいところでした。
――おおまかに想定している、ゲームクリアまでの時間はどれぐらいでしょうか?
まだ最終的なバランス調整を行なっているとこですが、いろいろなテスターに参加してもらって、平均的なクリア時間は大体20~30時間といったところです。
――ミッションは、ステージをクリアしていくという形なのでしょうか?
いえ、1、2、3、4……と、順番にステージを進んでいくというわけではなく、非常にダイナミックなゲーム展開になっています。前にプレイしたときは最初に出てきたゲームシーンが、次にプレイしたときにではあとで出てくる場合もあります。
――そこは、プレイヤーの進め方しだいで変わってくると?
それもありますが、14種類の敵エイリアンはパターンでなくAIで行動しているため、プレイのたびに攻め手が変わります。そのため、同じミッションであっても、とてもランダムに変化するプレイが楽しめます。
――兵士のアクションは、どのようなものが用意されていますか? 先ほど見たデモンストレーションでは、車に身を隠していましたが。
とにかく隠れる“カバー”が最重要なアクションです。なぜならば、倒された兵士は、ずっと死んだままになってしまうので。他には、カバーよりさらに深く隠れる“ハンカーダウン”や、前もってスキャンした敵を一発で撃ち抜く“オーバーウォッチ”といったものがあります。まだ、いろいろとあるのですが、参考までにこの2つを出しました。
――兵士にはいくつかのクラスがあるようですが。
ええ、その通りです。マシンガンなどの重い銃を扱えるヘビークラス。兵士の力ブーストできるサポートクラス。ロングレンジからの狙撃で敵を仕留めるスナイパークラス。スナイパーとは逆に、近くの敵を迎え撃つアサルトクラス。それと、先程のデモンストレーションでお見せした、敵をマインドコントロールして倒すクラスがあります。
また、各クラスには50のアビリティが用意されています。RPGのように、レベルアップの際にアビリティを選んでいき、兵士にどんな力を持たせるかをすべて自分で決めることができます。
――プレイヤーによって、いろいろな特徴を持った兵士が育てられるということですか?
その通り! さらに、違ったクラスの兵士を組み合わせるかによって、まったく異なる特性を持ったグループがいくつもできるということです。
――シナジー(相乗効果)が大事なんですね。
ええ、非常に大事です。例をあげますと、サポートクラスの兵士が“スモークカバー”で敵の視界をさえぎることで、アサルトクラスの兵士はより敵に接近して撃てる――といったコンビネーションが生まれるのです。
――武器の種類は、どれぐらいあるのですか?
たくさんありますよ。基本的な銃器に加えて、プラズマ兵器やレーザービームなども。新たな武器を使ってリサーチを進めることで、武器はさらに増えていきます。他にも、“スーパーウェポン”というものがあります。それはミニタンクのようなものなんですけど、1体の兵士のように動かせて、とにかく耐久力が高いというものです。
――デモンエーションでは、ジェットパックで飛んでいる兵士がいましたが、ステージには高さの概念もあるのですか?
ありますよ。空を飛ぶには“アークエンジェルアーマー”というところまで兵士を育てる必要があるので、飛べるようになるのはゲームの後半になりますが。ただ序盤でも、ビルの上からスナイプをするなど、高さを使った戦い方はできます。やはり、敵より高い位置に陣取ったほうが倒しやすくはあるので、高さを利用すれば有利になると思います。
――最後に一言。日本の『X-COM』ファンに向けてメッセージをお願いします。
このゲームを開発することができて、本当に光栄に思っています。もともと、(ターン制の)ストラテジーは日本で生まれ育ったゲームですので、1人のストラテジーゲーム好きとして、本拠地である日本の皆さんにプレイしてもらえることにとても興奮を覚えます。日本の情熱的な『X-COM』ファンにプレイしてもらえる時を楽しみにしています。
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