2012年7月7日(土)
電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第44回となる今回は、『朝岡ひよりのドキドキカルテ』を執筆した時田唯先生のインタビューを掲載する。
▲タケイオーキ先生が描く『朝岡ひよりのドキドキカルテ』の表紙イラスト。 |
本作は、ドキドキしないと体が“大変なコト”になってしまう少女・朝岡ひよりと、父が営む診療所で密かに医者の手伝いをするマジメな少年・高宮仁の関係を描いた医療ラブコメ。
「私を、ドキドキさせてくださいっ!」と願うひよりの主治医になった仁は、あの手この手で刺激的な診療に着手! 2人っきりで秘密の身体検査をしたり、検査入院という名のお泊まりに持ち込んだり、対症療法と称してプール旅行を計画したり──マジメさゆえに彼女をドキドキさせようと努力する。しかし彼女には、その体質が原因である悩みを抱えており……。
時田先生には、本作のセールスポイントや本作を書くうえで悩んだポイント小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
去年の作家さん同士の飲み会でふと「時田さん医療ものとか書いてみません?」という話題になり、それを編集さんにお話ししたところから始まりました。最初はマジメな医療ものを書く予定だったのですが……どうしてこうなったのか……。
――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
医療行為と名のついた少しえっちなシーンが一大メインですが、治療の一環として誠実に頑張る主人公たちの姿も特徴の1つです。ドキドキする診療場面、そしてキャラクターのまっすぐさの両方を楽しんでもらえればと。
――作品を書くうえで悩んだところは?
3章の展開を3回ぐらい書きなおしました。ヒロインの悩みをどう紐解くか、現時点でどこまで出していけるかという点は、当初の予定からだいぶ外れましたが、結果は私自身の予想以上に前に出てくれた感じです。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
プロット構想から完成まで約半年。
――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
何かとドキドキシーンに巡りあう主人公は、そのぶん奥手で誠実な性格に。同様にヒロインも恥ずかしさいっぱい、でも主人公の誠実さに応えなければ、と頑張る強さもかね備えたキャラクターにしました。危ういドキドキ感と2人の実直さが出せたと思います。
――特にお気に入りのシーンはどこですか?
主人公がヒロインに腹部エコーを当てている場面。これぞ医療+サービスの融合シーン! という感じで。
――今後の予定について簡単に教えてください。
ラストのほうにも書かれていますが、今回は言わば2人にとって一番最初の壁を乗り越えた部分にあたります。今後もさまざまな課題や理性崩壊スレスレラインを通ると思いますが、そこを2人がなんとか乗り越えていく様を描ければ、と。
――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
睡眠とお風呂。健康第一が集中の基本。
――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?
『スレイヤーズ』や『ロードス島戦記』。他にも『フルメタル・パニック!』は大好きでした。
――現在注目している作家・作品は?
和ヶ原聡司先生の『はたらく魔王さま!』。純粋におもしろいですし、習うべき点がたくさんあると痛感させられる作品です。
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。
最近はPSPの『428 ~封鎖された渋谷で~』をプレイしています。他にも『逆転検事2』など、最近はアドベンチャーゲームにはまっています。
――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
何かとサービスシーンの多い作品ですが、同時に主人公の医療人としての誠実さ、ヒロインのまっすぐさなど、読んでいて心地よい作品を目指しました。読んでくださる方も2つの意味でドキドキしてもらえればと思います!
(C)時田唯/AMW
イラスト:タケイオーキ
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