2012年8月6日(月)
この“週刊洋ゲー通信”では、1週間のあいだに海外のゲームメーカーやデベロッパーが明らかにした最新情報や、海外で起きたゲーム関連ニュースの中から、注目のトピックをまとめて紹介していく。
今回は7月28日から8月3日までに公開された新情報から、11個のニュースをピックアップしてお届け。欧州最大のゲームショー“gamescom 2012”の開催が近づいたこともあり、海外の大手メーカーの中には先行して新作を発表するところも出てきた。そんな中で、日本のゲームに関する意外なニュースが飛び込んできたりと、今週も海外でのゲーム動向から目が離せない!
ユービーアイソフトは、日本でも11月15日に発売予定のPS3/Xbox 360/PC用ソフト『アサシンクリードIII』に使用されているゲームエンジン“AnvilNext”の性能をアピールする最新トレーラー映像を発表した。
解説によると、このエンジンのパワーによって同時に2千人ものNPCを画面上に登場させることが可能になり、英軍と米軍が入り乱れて戦うアメリカ独立戦争の様子といった、壮大な映像が実現できたという。他にも、E3 2012で公開された帆船同士が戦う海戦シーンや、無数の木々に雪が降り積もった森の様子、そして氷河に覆われた海岸など、印象的な場面が次々に登場。この美しい映像の中で自由にプレイできる『アサシンクリードIII』の発売が、楽しみになること間違いなしだ!
(参考サイト:youtube『アサシンクリードIII』公式チャンネル(※リンク先はyoutube))
2人でコンビを組んだ協力プレイにフォーカスしたTPSとして、これまでに2作品が発表された『アーミー オブ ツー』。エレクトロニック・アーツ(以下、EA)はこのほど、シリーズ最新作となる『アーミー オブ ツー デビルズ・カルテル』を電撃発表! PS3/Xbox 360用ソフトとして、2013年3月に海外で発売されるとのことだ。本作では、民間軍事会社に所属するアルファとブラボーの2人組が、メキシコの麻薬カルテルを相手に、ド派手な銃撃戦を繰り広げるという。
開発は同じくEAで『デッドスペース』シリーズを制作しているヴィセラル・ゲームズが担当。開設されたばかり公式サイトにはまだ情報がほとんどないが、本作を巻頭特集で取り上げている海外のゲーム誌『game ingformer』の公式サイトには、アートワークやインタビュー映像が掲載されている。過去2作も日本でリリースされているだけに、日本版の発表も期待したい。
(参考サイト:エレクトロニック・アーツ公式サイト)
3部作で壮大なSFストーリーを描いてきた『マスエフェクト』シリーズは、この春に『マスエフェクト 3』を発売して物語が完結した後も、DLCによって新たな展開を行っている。
EAと開発を担当するバイオウェアは、シングルプレイ用の新たなDLC“リヴァイアサン”を、2012年夏の終盤に配信開始すると発表した。このDLCでは、人類の敵である機械生命体“リーパー”の起源といった、作品世界の謎が解き明かされるという。また『マスエフェクト 3』は海外で、Wii U版も発売されることがすでに明らかになっているが、その発売はWii U本体の発売と同時期になると公表された。Wii U版で発売されるのは三部作のうち『3』だけだが、インタラクティブなデジタルコミック機能によって、それ以前の物語や主人公の選択が補完されることになるようだ。
(参考サイト:バイオウェア公式ブログ)
海外での発売が、残念ながら9月から11月へと延期されてしまったPS3/Xbox 360/PC用ソフト『ファークライ3』。新たな発売日に向けての開発は急ピッチに進んでいるようだ。このほど、同作の4人協力プレイの様子を収録した最新プレイ映像が公開された。同作の協力プレイは、シングルプレイの物語の6カ月前を舞台にした、独自のストーリーとなっているのが特徴だ。
元警官や殺し屋といったいわくつきの過去を持つ4人の船員が、海賊と結託して自分たちを裏切った船長に復讐するため、海賊の本拠地である南海の孤島を襲撃するというシチュエーションで、6種類のミッションが用意されているとのこと。公開されたプレイ映像では、美しい南の島での派手なガンアクションが目を引く一方で、プレイヤー同士でスコアを競うといった要素も確認できる。日本でも2012年内に発売予定ということで、実際にプレイできる日が待ち遠しい。
(参考サイト:youtube『ファークライ3』公式チャンネル(※リンク先はyoutube))
海外のソーシャル資金調達サイト“Kickstarter”で、PCのようにオープンで自由なソフト発表を可能にする新型ゲームハード“OUYA”の出資募集が行われて、1日も経たずに目標額をクリアしたという話題は、このコーナーでお伝えした通り。その後も出資参加者は増える一方で、8月3日の時点で目標額の約7倍にあたる650万ドル(5億2000万円)以上の資金を集めている。
そしてこのほど、なんとスクウェア・エニックスが“OUYA”へのソフトの提供を表明。2013年3月に予定されているハードの発売と同時に、OUYA版『ファイナルファンタジー III』をリリースすると発表した。“OUYA”はAndroid OSをベースにしているため、スマートフォンからの移植が容易だということが背景にあるとはいえ、日本の大手ゲームメーカーが、同社を代表する人気シリーズをこのハードに送り出すというのはオドロキだ。他のゲームメーカーの動向や日本での展開も含めて、新ゲームハード“OUYA”の今後の動きに、これからも注目していきたい。
(参考サイト:スクウェア・エニックス)
(参考サイト:Kickstarter)
ニューヨークのマンハッタンにあるニューヨーク近代美術館(MoMA)は、“モダンアートの殿堂”として、日本でも広く知られる美術館だ。この美術館で7月29日から開催されている企画展“Century of the Child:Growing by Design 1900-2000(子どもの20世紀)”で、バンダイナムコのPS2用ソフト『塊魂』が展示されている。
この企画展は20世紀のデザインの発展と児童文化との関係を、さまざまな角度から検証するというもの。児童書から子ども服まで、デザイン的に優れた多彩な種類のアイテムが紹介されている中で、『塊魂』はそのカラフルなデザインとユニークなゲーム性が高く評価されて、展示のひとつに選ばれている。現代美術の世界で非常に権威ある美術館の展示物に、日本のゲームソフトが選ばれたことは、ゲームのアートとしての側面を物語る快挙と言えるだろう。
(参考サイト:ニューヨーク近代美術館公式サイト)
発売から9カ月以上を経過しても、オンライン対戦が高い人気を集めている『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3(CoD:MW3)』。このゲームに新たな対戦マップや新ゲームモードを追加するDLCパック“コレクション3”と“コレクション4”が発表された。
“コレクション3”にはスペシャルオプスミッション4種と対戦マップ3種に加えて、無限に出現する敵を連続して倒してハイスコアを狙うスペシャルオプスの新モード“カオスモード”も追加される。“コレクション4”には対戦マップ5種が収録されるが、これが『CoD:MW3』で最後のDLCとなるようだ。なお、『CoD:MW3』のDLCはXbox 360版が他機種に先行して配信されることになっており、“コレクション3”が8月9日、“コレクション4”が9月6日に、各1200MSPで配信が開始される予定。他機種のスケジュールは後日発表されるとのことだ。
(参考サイト:『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3』アメリカ公式ブログ)
FPSの元祖として知られる『DOOM』シリーズを一挙に収録した『DOOM 3 BFG Edition』の、最新トレーラー映像が公開された。このトレーラーでは、本作の目玉となる『DOOM 3』の完全新作ミッション“ザ・ロスト・ミッション”をピックアップ。
過去のシリーズ2作では疑似3D表示による痛快なプレイが人気を博した『DOOM』だが、『DOOM 3』では映像がリアルになったことにより、ホラー度が一気にアップ。このトレーラー映像でも、火星基地に出現した不気味なクリーチャーの薄気味悪いデザインや動きを、じっくりと堪能(!?)することができる。日本でもついに発売が決定した本作は、PS3/Xbox 360用ソフトとして2012年秋に登場の予定だ。
(参考サイト:Bethesda Blog)
ドイツのゲームメーカー・dtpエンターテインメントは、ダウンロード専用のファンタジーアクションRPG『ブラッド・ナイツ』を発表した。
本作は、吸血鬼に襲われた元バンパイアハンターの戦士ジェレミーと、セクシーな女性バンパイア・アリサの2人が力を合わせて冒険を繰り広げるというストーリーで、2人協力プレイを全面的にフィーチャーしている。ゲームは見下ろし視点タイプのハック&スラッシュ型RPGで、冒険で入手した武器やアイテムに加えて、バンパイアならではの特殊能力を駆使することがポイントとなるようだ。公式Facebookページの記述によると、PS3/Xbox 360/PCで今夏配信予定とのこと。ユニークな設定とキャラクターが魅力的なだけに、日本での配信も期待したい。
(参考サイト:『ブラッド・ナイツ』公式サイト)
『スクリブルノーツ』シリーズで知られるデベロッパー、フィフスセルが開発を担当するオンライン対戦に特化したTPS『ハイブリッド』が、Xbox LIVEアーケードでリリースされる。8月8日の配信開始を前にして、同作ならではの対戦システムを開発者自ら解説するトレーラー映像が公開された。
トレーラーでの解説によると、プレイヤーは“ヴァリアント”と“パラディン”と呼ばれる2つの勢力のどちらかに所属して、3vs3のプレイヤー対戦を行うことになる。世界地図上から自分が戦う地域を選んで敵勢力と対決し、謎の物質“ダークマター”を奪い合うのがプレイヤーの目的だ。何万人というプレイヤーが同時に参加して2週間のシーズンを戦い、先に100個のダークマターを集めた勢力が、シーズンの覇者となるという。このゲームは日本でも配信が決定しているので、この壮大なスケールの戦いにぜひ参加してほしい!
(参考サイト:Play XBLA)
巨大ロボットを操縦して対戦する、基本プレイ無料のPC用オンライン対戦ACT『ホークン』が、E3に出展されて注目を集めたことは、以前のこのコーナーでもお伝えした。2012年12月12日より正式稼働予定の同作が、ワーナーブラザースによって実写ドラマシリーズ化されて、Web上で配信されることが決定。その予告編が公開されている。
実写ドラマの監督はゲーム業界出身で、過去に『ギアーズ オブ ウォー』のアートディレクターを務めたというエレミヤ・オフラハティが担当。公開された予告編を見ると、日本のロボットアニメのカッコよさとリアリティが巧みに融合された、じつにクールな映像となっている。また『ホークン』はWebドラマとは別に、実写映画化も決定しているという。PC専用のオンラインゲームながら、映像の世界にもマルチに広がりつつある同作が、今後どのような展開を見せるのか要注目だ。
(参考サイト:『ホークン』公式サイト)
(参考サイト:『ホークン』Webドラマシリーズ予告編(※リンク先はyoutube))
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