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2012年8月17日(金)

生まれ変わった『トゥームレイダー』の注目ポイントとは? gamescom 2012で開発ディレクターに直撃!

文:電撃オンライン

 ドイツ・ケルンにて8月15日~19日に開催中の、欧州最大規模のゲームイベント「gamescom 2012」において、初めて試遊が体験できたPS3/Xbox 360用ACT『トゥームレイダー』。

 そこで現地取材班は試遊プレイを踏まえ、本作のディレクターであるCRYSTAL DYNAMICSのカール・スチュワートさんへのインタビューを実施。改めて新生『トゥームレイダー』の魅力を聞いてみた。

■プレイヤーの視点に立って制作されたシステムの数々
そしてララの敵となるのは意外な人物!?

▲CRYSTAL DYNAMICS社 グローバルブランドディレクターのカール・スチュワートさん。

――本作のグラフィックには驚きました。事前に公開されているPVは拝見していたのですが、実際にゲーム画面を見たらあまりの美しさに衝撃を受けました。

 ありがとうございます。今作では、大幅に改良したグラフィックエンジンを使用しているので、画質が飛躍的に向上しています。

――とくに、主人公であるララ・クロフトの表情の変化が細部まで描かれていて、さまざまな感情が伝わってくるところがスゴかったです。

 アクションが主体となるゲームの多くを見ると、射撃したり爆発したりするシーンでの物理的な動きはかなりいい線までいっています。しかし、キャラクターの表情となると、実はほとんど変化が見られません。そこに目を付け、今作ではとくにララ・クロフトの表情を意識して、綿密に作り込みました。表情を見ただけでプレイヤーに感情が伝わってくるようにしてあるのも狙い通りです。

――従来の『トゥームレイダー』ですと、ララ・クロフトは“強い女性”というイメージがありますが、今作では、不安や驚きといった“弱さ”ともいえる感情が多く見られました。やがて過去作のララのような“強さ”も表現されてくるのでしょうか。

 確かに、序盤のララは心配したり驚いたりする表情が多くなっていますが、物語中にさまざまな出来事を経験することで、彼女本来の強さを徐々に取り戻していくさまが、表情から表れるように作られています。どういった出来事を通じて彼女の強さが戻ってくるか、というところをぜひ実際のプレイで味わってほしいですね。

――プレイ中は自分の身を守るために荒くれ者を殺すシーンがありましたが、それもきっかけの1つでしょうか。

 そうですね。そのような出来事も、彼女の強さにかかわるきっかけの1つになります。たとえば、序盤には初めて弓を使って鹿を殺すシーンがありますが、それはとくにきっかけにはなりません。人間を殺すのと動物を殺すのでは、まったく意味合いが違ってきますから。

――次に操作に関する印象ですが、プレイ時は行き先や重要アイテムの場所などを示唆してくれる“サバイバルインスティンクト”が非常に便利でした。

 フィールドは草が生い茂っていたり、水が流れていたりと、バラエティに富んだものになっていますが、そのなかから道を見つけることがそこまで難しくなかったと思います。そのあたりはゲームがしやすいように注意して制作していますね。“サバイバルインスティンクト”も、プレイヤー側の視点に立って“必要だ”と思うものを取り入れた結果です。

――おかげでジャングルでも道に迷うことなく進むことができました。過去シリーズはコアなアクションファンに支持されたシリーズでしたが、今作では初心者でも遊びやすくなっていますね。

 そう感じていただけたのならうれしいですね。でも、単に初心者の方でもプレイしやすいように制作しているだけではなく、従来通りコアなゲーマーの方が満足できるような設計にもしてあります。

――それは、たとえばどのような部分でしょうか?

 ゲームの全般的な難易度として、EASY、MEDIUM、HARDの3つを用意してあります。さらにそれだけではなく、どのストーリーでどの武器を選んだかなど、プレイヤーが狙っていることをゲームエンジンが判断するようになっています。つまり、選択した内容から“高度なことを狙っている”とエンジンが判断すれば、敵の動きや能力などが強化されるわけです。

――次に、今作は“サバイバル”がテーマの1つになっていますが、試遊プレイで体験できた火おこしや、動物を狩ったりする以外にどのようなものが用意されていますか?

 火を起こすのはサバイバルの第一歩になります。それ以外にもサバイバルにはいろいろな要素がありますが、それはプレイをしてからのお楽しみということで(笑)。ただ1つ言えるのは、サバイバルの1つにはパズルを解くような要素もあるということです。

――システム面ではXP(経験値)をためてサバイバルスキルを修得するのも大きな要素ですが、崖から転げ落ちても経験値が取得できたことに驚きました。こういった失敗もサバイバルにおける経験の1つということなのでしょうか?

 その通りです。過酷な地で生き抜くにあたっては、失敗も1つの経験になるわけです。ですから、失敗を経てもララ・クラフトが成長するように作られています。

――ちなみに、ブースで公開された画面では、最後に巨大な日本のような城が登場しましたが……。

 今回の出来事は、日本の近海にある魔の海域・ドラゴントライアングルで起きるという想定です。もちろん架空の場所ですけどね。そこからいろいろ想像していただければと思います。また、物語的には“パンドラの箱”というのがテーマの1つになっています。

――では、そのような舞台・テーマのなかで、ララ・クラフトが最終的に戦うのはズバリどのような相手なのでしょうか?

 あの“卑弥呼”に関係した人物、とだけ言っておきましょう。

――それはいろいろな想像がふくらみます! それでは最後に、『トゥームレイダー』シリーズのファン、そして今回のララを見て新たに本作が気になっているゲームファンの方々に、ひと言メッセージをお願いします。

 自分自身、何度も日本を訪れたこともあり、今作は日本ゲームファンの方々の考えをもとに作った部分がとても多いです。ぜひ楽しみにしていてください。来年には発売日に合わせて来日する予定ですので、日本のファンの方々にお会い出ればと思っています。

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