2012年8月27日(月)
――新たなマスコットキャラクターのモノミは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
小高:『2』の制作が決定した時に、モノクマや生徒とは違った関係性のキャラクターを入れたいなと思い、「モノクマの妹を出そう!」とすんなり決定しました。実はモノミの最初の立ち位置は、モノクマをイジメるキャラクターだったんです。
――えっ? 今とは正反対ですね。
小高:はい。ただ、そうするとモノクマのよさが消えてしまうので、逆に“イジメられても頑張る子”にしました。
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――キャラクターボイスを担当した貴家堂子さんは、どの時点で決定したのでしょうか?
小高:実は企画書の時点で、すでに希望として貴家さんの名前を挙げていました。
齊藤:企画書のモノミは今よりずっとハードで……手にはハンドガンを持っていて、モノクマを狙っているというイラストでした(笑)。
――それは意外でした……。でもモノミにピッタリのボイスでしたね。
小高:聞けば聞くほど、スルメのようにだんだん味が出てきますよね。クセになります。
齊藤:モノクマとモノミの掛け合いは、こちらが思っていた以上にシュールな感じになって、いいところに落ち着いたと思っています。
小高:おそらく他の作品でマスコット2人が会話をすると、軽妙なやりとりをするパターンが多いと思うんですよ。ほとんどの人はそういう想像をすると思うのですが、モノクマとモノミの場合はお互いがそっぽを向きつつやりとりをしている感じなので、逆に新鮮に感じてもらえるんじゃないかなと思っています。
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寺澤:モノミは、最終的にすごく魅力的なキャラクターになってくれました。
齊藤:もう、みんな「らーぶらーぶ」に夢中にですよ。
――次に、主人公・日向創のキャラクターを作るにあたってこだわった点を教えてください。
小高:主人公はプレイヤーの視点となるキャラクターなので、あまり引っかかる点を作りたくはなかったんです。ただ『1』の主人公の苗木が、“頼りない”という点でキャラ立ちしてしまっていたので、今回はより普通に違和感なく自分を投影できるキャラクターになるよう心掛けました。
そういうこともあり、『1』の苗木と比べてビミョウに頼りがいのあるキャラクターになりました。高山みなみさんの声の影響もあると思うのですが。デザイン的には普通と言いますか、あまり個性を出さないでほしいとお願いしました。最初はメガネをかけたりしていたのですが、僕が考えている主人公像から離れてしまってきたので、現状のものに落ち着きました。
寺澤:ユーザーさんが一番感情移入しやすいところに落ち着いたと思います。
齊藤:苗木もそうでしたが、日向は常識人なんですよ。他のキャラクターが全員超高校級をうたっているだけあって、みんなどこかしらネジが飛んでいる中に投影するとなると、やはりスタンダードな感情の持ち主になりますよね。怒る時は怒るし、怖い時は怖いと思うし、そういう部分は素直に出ていると思います。
小高:今作は日向に感情移入していただくと、より楽しめるのではないでしょうか。彼がどう成長していくか、見物ですよ。
――日向創の名前の由来というのは?
小高:これが諸説ありまして……(笑)。その中の1つを言うと、前向きな雰囲気の字面にしました。
――では、日向以外のキャラクターの由来を、言える範囲でお願いします。
小高:言える範囲で(笑)。キャラクターの名前は、だいたい字面と響きとキャラクターのイメージで決めました。一度付けても、しっくりこなかったらすぐ変えてしまったり。弐大猫丸、九頭龍冬彦、小泉真昼あたりは変えましたね。九頭龍冬彦はもともと犬彦だったんですが、冬彦に変更したので弐大のほうを猫丸にしたり。
――日向創と狛枝凪斗のデザインは、白と黒の対比を意識してこうなったのでしょうか?
小高:対比になるように、とはお願いしていました。ただ、先に日向のほうができあがったんですが、狛枝は最初のデザインからかなりいじった結果、こうなりました。
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▲日向創 | ▲狛枝凪斗 |
――シナリオを書く際に苦労したキャラクターはいますか?
小高:こういう感じでいこうかな、というところまでたどり着くのに時間がかかったのは、田中眼蛇夢ですね。最初はハムスターのほうが知恵を持っていて、田中はただの器で、ハムスターの言っていることを口にするだけのキャラにしようかなと考えていたんです。でも紆余曲折ありまして、独特の価値観を持っているハムスター思いのキャラクターになりました。変わったと言えば、猫丸と九頭龍のビジュアルもずいぶん変わりましたね。猫丸は、最初ガリガリの虚弱体質だったんですよ。
齊藤:猫丸は長身痩躯(そうく)なイケメンだったんですが、食い込みジャージはそのままで……これはなかなか受け入れづらいのではと……。イケメンのニーズはあっても、食い込みジャージはどうなんだろうとなりまして(笑)。
菅原:九頭龍のほうが、最初は猫丸的なビジュアルでしたね。
小高:九頭龍は、最初スタンダードなごついマフィアみたいな感じだったんですが、最終的にかわいらしくなりました。彼は、女性人気が出るとうれしいですね~。
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▲弐大猫丸 | ▲九頭龍冬彦 |
――個人的には、七海千秋ちゃんが好きです! かなり好きです!
寺澤:七海は、花澤香菜さんの声もいいですよね!
小高:日寄子も、三森すずこさんのおかげで、愛されるいいキャラに仕上がりました。「ここはバカの見本市かな~?」って。
齊藤:そのセリフ、気に入っていますよね(笑)。
寺澤:日寄子もカワイイですね!
――あと、インパクトがあるキャラクターといえば狛枝ですが……。
小高:狛枝は『2』を象徴するキャラクターにしようと思っていました。
寺澤:希望であり絶望であるという両面を表現してくれる点で、非常に本作を象徴するキャラクターになっています。
小高:個人的に、狛枝に関するあのネタは“発明”だと思っています。他ではできない、『ダンガンロンパ』だからこそ書けたネタです。
→次のページでは、出演声優陣について伺いました(3ページ目へ)
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